ぷーこの家電日記

第450回

都内で旅行気分! ガチ中華はガチ好み

11月に入ったと思ったら、もう3分の2が過ぎてしまった。結構寒くなってきたので猫たちが寄ってきてくれる幸せな季節だ。

私が仕事をしている間、膝の上で熟睡してくれるものだから、冷え性の私もポカポカ。数時間足も動かせずトイレも行けないという、幸せな辛さに耐えているのだけれど、毎度目を覚ました瞬間に、「そんなに寝心地良くないな」という感じで、さっさと降りてからソファに寝直しに行くので、なんだか毎度急に振られた気分になるのだ(笑)。

先日、「ガチ中華行かない?」と友達から誘ってもらった。最近テレビでもちょくちょく見かける「ガチ中華」の世界。昔から日本で親しまれている、いわゆる「町中華」に対応した言葉「ガチ中華」。名前の通り、日本人向けにアレンジされていない、中国で親しまれて食べられている本格中華料理だ。

中華料理も地方によって全然違うので、もしかして本場の人からすると、「九州料理」みたいな看板を見たときに、「九州料理ってどこの料理だよ! 福岡と鹿児島じゃ全然違うし」という気分になってしまう福岡出身の私みたいな気持ちになるかもしれないけど、どうなんだろ(笑)。

ガチ中華はすっごく好きですっごく興味ある世界。私が憧れのガチ中華料理の世界といえば、もう数十回見ているNetflixの「美味の起源」のディープさだ。

私がこれ以上サブスクを増やしちゃいけないわ!!! と心に誓って我慢していたところ、友達のプレゼンが上手すぎて、美味の起源を見たいがばかりにNetflixに入ってしまい、後悔どころかどんどんNetflixの食ドキュメンタリー沼にズブズブハマってしまった!

色々な番組を見た中でやっぱり「美味の起源」と「タコスのすべて」の2つが1番好き。食への飽くなき追求と物凄く食べたくなる映像美。かなり影響を受け「行ってみたい!」「食べてみたい!」と憧れて仕方がない美味の起源の初回テーマが「羊肉」だった。遊牧民が食べる羊の胃袋で圧力鍋のように調理する料理なんてきっと一生食べる機会はないだろうけれど、羊の串なら全然食べられる。あの赤い粉にまみれた美味しそうな羊串を食べたーい! とワクワクしながらガチ中華の世界へ。

ガチ中華といえば西川口も有名だけれど池袋も大人気。2019年にオープンした「友誼食府」というフードコートは現地さながらだそうで、日本に住む中国人には懐かしく、日本人には新しく、コロナ禍で旅行できない時期に気分だけでもと、ガチ中華の人気と広がりが加速したようだ。

今回は池袋の人気店「破店」でランチを食べて、フードコートに寄ってデザートでも食べようというコース。あらかじめホームページでメニューを見て何を食べようか考えていたけれど、メニューがたくさんあるだけじゃなくて、馴染みがない料理ばかりで、どれもこれも食べたい気分。実際お店に行っても「何これ?」「よく分らないけれどめっちゃ美味しそう」と、何を注文するかだけでも友人とかなり盛り上がった。

店内は店員とお客さん含め日本人は私たちだけのようで、まるで現地にいる気分。店の雰囲気も食器も何もかも目新しく可愛い。他のテーブルで食べている料理にもめちゃくちゃ目を惹かれる。最初に大きなやかんで白濁したスープが注がれ「お通し? これは何?」と思いながら飲んだらめっちゃ美味しい羊のスープ。やっぱり羊は肉も出汁も最高だ! 行く前から絶対に外せないと思っていた羊串と、形状から気になって仕方がない、滝のように垂れ下がったジャガイモの細切り和え、そしてガチ中華じゃないと食べられない麻辣ザリガニを注文。

食に好奇心強い友人がいるのは最高の幸せだ。いわゆる「女子会」みたいな乙女心をくすぐる雰囲気とは対極にあるガチ中華の世界。一緒に行く人を選ぶというか、好みがはっきりと分かれそう(笑)。

友人とビニール手袋をしてザリガニをわっしわっしと食べるのはめちゃくちゃ楽しくて、そして麻辣の味付けが病みつきのドストライクの好みだった。中国の謎のお酒もジュースも「美味しいかすらも分らない」という不思議感覚で、それでも結構進んじゃう(笑)。もっと色々食べたいけれど、2人では胃袋容量に限界があって、「今度は4人くらいで再訪したいね!」と、隣の席の形状も食べ方も謎のでっかい鍋を横目に店を後にした。

程近い場所にあるフードコート「友誼食府」に着いたら満席で全く空きそうになかったので、隣に併設されている中華食材のスーパーマーケット「友誼商店」に寄ってちょっと買い物をしてから、同じビルの別の階にある「食府書苑」というフードコートに行った。フードコートと本屋さんが併設されているという、これまた不思議な雰囲気。本屋さんのレジで注文と会計をしてから、店舗にレシートを持って行って作ってもらう。

デザートと言いながら私は小籠包を食べた(笑)。味は至って普通というか、フードコートで食べる料理という感じだったけれど、慣れない注文方法や雰囲気が非常に楽しい。

半日食べて喋って楽しんで、本当にちょっとした旅行気分だった。大満足してお店を出たらそこは急に東京だったという最後まで不思議な感覚。出不精で臆病で、海外旅行なんて全然行かない私だけれど、東京で巡る世界旅行は最高に好きだ。

ガチ中華含め、また色々な国に行きたい! 次はモンゴル辺りにディープに浸かるのもいいなぁ。なぁんて思っているのであります。

徳王 美智子

1978年生まれ。アナログ過ぎる環境で育った幼少期の反動で、家電含めデジタル機器にロマンスと憧れを感じて止まないアラフォー世代。知見は無いが好きで仕方が無い。家電量販店はテーマパーク。ハードに携わる全ての方に尊敬を抱きつつ、本人はソフト寄りの業務をこなす日々。