ぷーこの家電日記

第423回

昆布ってすごい! なんでも昆布締めブームがやってきた

ニュースで「今年のゴールデンウィークは……」なんて聞こえてきて、もう少しでゴールデンウィークが始まることに気づく。今年は自粛モードも薄まり結構遠出を計画している人も多いらしい。何も考えていなかったけれど、この連休をどう過ごそうか。そんなことを考えている間にきっと連休は終わっちゃいそうな気がして、自分の計画性のなさにちょっとだけ凹むのです。

さて、4月に入り、「今年も始まりました!」と、秋田の漁師さんのお知らせでヒラメ漁が始まったことを知った。私はお刺身が昔から大好物で、特に白身魚が大好きだ。「今日はお刺身が食べたいな」と思ってスーパーで覗いても、ペラっとした数切れが入ったパックが結構なお値段して、なんだかとっても勿体ない気持ちになるし、それが大して美味しくなかったりすると、お刺身食べたかった欲も満たされず、地団駄踏みたいような気持ちになる。

お刺身が食べたい欲が高まって高まって、私がお刺身じゃなくて出刃包丁と刺身包丁を買ったのは10年くらい前。丸のままの魚を買って捌いて食べるとそれはそれは美味しく、量も味も大満足で一度ハマると抜けられない。

お魚の3枚おろしって、案外難しくない。ちょっと失敗してもあら汁の身が多く豪華になるくらいで、家で食べる分には全然問題ない。時々「この魚はどう捌くんだ!?」みたいなのいるけれど、そんな時はYouTube先生が何でも教えてくれる。

それでも平たい魚は難しいだろうと、どこかで敬遠していたようなところがあって、ヒラメの5枚おろしをしたのは去年が初めてだった。いざやってみると、全然難しくなかったし、むしろコチとかホウボウなどの骨の硬い魚の方が難しいなって思った。そして初めて捌いたヒラメはあまりにも美味しくて、もう体に電気が走るような感動だった。

エンガワだって「こんなにたくさん!」と感動したし、とにかく美味しかった。何より結構高級なヒラメが食べても食べてもなくならないほどに食べ放題状態で、夫婦でほくほく言いながら食べたんだ。

その感動のヒラメが今年も始まった! 「あれからもう1年経つの!?」とびっくりしたし非常に嬉しくなった! ただ、まん防が解除されて在宅勤務の比率が少し下がり、不在にすることも増えたので、宅急便の受け取りがいつでもOKではなくなり、注文するのに少し躊躇する。天候次第で漁に出られないこともあるので、魚の産地直送便は日程調整が難しいのだ。しかし日時指定ができないという不便さを差し置いてもあの美味しい感動が余裕で勝つ。

いつにしようかなぁと迷ってたけれど、気付けばポチッと購入ボタンを押していた(笑)。そしてやっぱり出社している平日にドーンと2kgのヒラメが届いた(笑)。事前に受け取り時間を遅めに変更しておいて、仕事が終わってダッシュで帰宅。18時を回ってすぐに届けてもらい、1年ぶりのヒラメとの再会になった。

夫も非常に楽しみにしていたようで、日本酒を抱えてウキウキで帰ってきた。平日なので目標は二日酔いにならないこと(笑)。4分の1身でお皿いっぱいのお刺身。ヒラメも肝醤油で食べられるのを初めて知ったし、今年のヒラメも最高に美味しい!

たっぷりお刺身を食べた翌日以降は昆布締めだ。大きな柵のまま昆布で挟んで冷蔵庫で寝かせる。白身魚のイノシン酸と昆布のグルタミン酸が合わさることで最高に美味しいハーモニーが口の中で広がるのだ。そして、余計な水分が抜けることで、日持ちもするし、ぎゅーっと旨味が凝縮される。昆布締めを思いついた人は絶対に天才だと思う! 昔の人の知恵ってこういうことだよなぁと、その知恵の恩恵を思い切り受けながら楽しんでいる。

昔から白身魚を昆布締めにすることは結構あったけれど、かなり前に富山に行った際に白エビの昆布締めを食べた時は衝撃だった。それ以来海老とかホタテの貝柱などの昆布締めにも結構ハマった。

そして数年前に「牡蠣の昆布締め美味しいよ」って教えてもらって、「え? 牡蠣を!?」と灯台下暗し的な素材にびっくりして、早速昆布締めにすると、旨味のグルタミン酸が口の中で大合唱みたいな感じでめちゃくちゃ美味しかった。牡蠣の昆布締めを軽くしゃぶしゃぶなんてすると天国! ますます昆布締めの虜になっていく。昆布締めにしたローストポークとか、鶏ハムの昆布締めなぁんていうお肉系も美味しい。昆布ってなんて恐ろしい子! と思うほど旨味の魔術師なのである。

たくさんできたヒラメの昆布締めを丼にしてランチで食べたり(ヒラメのあら汁付き)、夜もそのままおつまみとして食べたり、さらには出汁使ってお茶漬けにしたり。1尾あれば丸3日くらいヒラメ三昧。そして、ヒラメが届いたのと時を同じくして、こちらも旬のアスパラガスが我が家に届いた。

サッと茹でたアスパラにヒラメの昆布締めをくるっと巻いたら美味しいかな? なぁんて軽い気持ちで「アスパラ 昆布締め」と検索すると、結構な量で「アスパラの昆布締め」のレシピが出てきた。アスパラ自体を昆布締めにするのか! 野菜の昆布締めなんて考えたことがなかった。

アスパラだけじゃなくて、さやえんどうとか菜の花とか、この季節のお野菜を昆布締めで食べると旨味が増して非常に美味しいらしい。昆布すっごいな! 確かにお野菜を塩昆布と一緒に浅漬けみたいにして食べたりするし、昆布との相性は間違いないけど、昆布締めは完全に盲点だった。

早速アスパラを昆布に巻いてしばらく置いてから食べてみる。アスパラも旨味成分のグルタミン酸が多いので、旨味が増し増しでものすっごく美味しい! そしてこちらもまた日本酒が進む味。野菜の昆布締め面白い。冷蔵庫に筍があるし、ウドもある! どちらも昆布締めしてみよう。「巻けるもんはないかぁ?」「昆布に巻けるもんはないかぁ?」と冷蔵庫を漁りつつ、昆布締めの面白さに目覚めてしまった春であります。

徳王 美智子

1978年生まれ。アナログ過ぎる環境で育った幼少期の反動で、家電含めデジタル機器にロマンスと憧れを感じて止まないアラフォー世代。知見は無いが好きで仕方が無い。家電量販店はテーマパーク。ハードに携わる全ての方に尊敬を抱きつつ、本人はソフト寄りの業務をこなす日々。