ぷーこの家電日記

第422回

来客嫌いの猫と、来客好きの犬と人間

4月も中旬になり、三寒四温といっていた時期も過ぎた。冬物は完全に不要になって、冬のコート類をクリーニングに出さねばと思っている。今年も外出の機会が減っていたとはいえ、コートはもちろん使う。クリーニングに出すのをここで忘れてしまったら、次寒くなったタイミングで「うわっ! 忘れてた!」となってしまうズボラ。季節ごとに衣替えをちゃんとする人を尊敬する。

収納がそんなに多いわけでもなければ、そんなに服を持っている訳でもないので、ちょっと取り出しやすいように配置を変えたりするものの、きちんと衣替えをしたことがない。でも最近は衣替えをしない人も多いらしく、自分がおかしいわけではないと知ってちょっとホッとしている私です。

そんな春うららな気持ちが良い週末、友人が我が家に泊まりで遊びにきてくれた。TwitterやClubhouseなどSNSでは日常的に付き合っているので、特段久しぶりって気持ちでもないのだけれど、何せコロナ禍のせいで来客がパタっとなくなった我が家においては、なかなか久々の来客でなかなか久々のイベントだ。非常に嬉しい! 非常に楽しみ!

この新型コロナが押し寄せる2年ちょっと前までは、遊びに来てくれる友人もそこそこいた。定期的に週末に友人とのホームパーティー的なご飯会をしたり、平日も友人がご飯を食べに寄ってくれたり。姪っ子家族とのお泊まり会も数カ月に1回はやっていたし、大人数でご飯を食べるのは大好きだ。

そして料理以外の家事は大嫌いと公言している私、この定期的な来客が非常に助かっていた。生活感がないくらいキレイに片付けることは無理でも、それでも人が入っても大丈夫なくらいには片付けるので、何とか部屋が保たれるのだ(笑)。それがこの2年で完全に我が家は閉ざされ、夫と2人だけで過ごしていたので、それはまぁ酷い状態になる時もある。数カ月前にも完全失念していたマンションの定期消防点検の日、ピンポーンとチャイムが鳴って、「えっ、えっと、ちょっと今出られないので、他の部屋からお願いします」ってお願いして、夫と2人、15分くらいでとにかく全力で片付けた。いつでも来客OKな我が家ではないのだ。

久しぶりの来客なので、「部屋片付けなきゃねぇー」なぁんて言いつつ、溜まった通販の段ボールを解体してゴミに出したり、床をしっかり雑巾掛けしたり。久しぶりすぎる泊まりがけの来客に、「お風呂場は大丈夫だっけ?」とか「あれ? 布団カバーどこにしまったっけ?」などと不安になったり、何を準備するのか分からなくなってしまったり。

何より我が家に人が泊まるときに1番大事な準備は、猫の活動場所を寝室に移動させることだ。我が家の猫は人間がとても嫌いで、来客があるといつもクローゼットに篭って完全に気配を消す。数時間ならそれで良いのだけれど、1晩となるとトイレにもご飯にも出てこられないので、前もって寝室に水やご飯やトイレを準備してその1部屋で過ごしてもらうのだ。

その部屋を移動させるのが、我が家では本当に大変だ。我が家の猫は全部で3匹。1匹は気が向けば自分から寄ってきて膝の上でベタベタと甘えてくるのだけれど、抱っこされるのは大嫌いだし、こちらから寄っていくと全力ダッシュで逃げていく。そして残りの2匹は完全に家庭内野良猫のように、触れることもままならない。

とりあえず寝室までの導線を作ってから、放牧している羊を追うかのように寝室に向けてダッシュしていただくのだけれど、寝室の向かいにある洗面所のドアを閉めるのを忘れてしまって、1匹が洗濯機の下に潜って籠城してしまった。全く姿が確認できないので、スマホのカメラで何枚も洗濯機下の写真を撮るとわずかに写ってそこにいるのが分かる。「洗濯機ってこうなっているのねぇ」などと無駄に感動したりしながらも、それどころではない(笑)。結局その子は夜中まで洗濯機の下に篭っていて、夜中に私を起こして寝室に入ってきた。

来客はある意味我が家の防災の避難訓練でもある。何か有事の際は、まずこの部屋に誘導して、そこから洗濯ネットなどで捕獲してキャリーに入れなければならない。今回の防災訓練は反省点が多かった(笑)。

そんなこんなで、お迎え準備は非常に手間取ってしまったけれど、友人を迎えた夜は本当に楽しかった。夫と2人の食事がつまらないわけではないのだけれど、人と食べるご飯は非常に作り甲斐があるし、色々食べられて嬉しい! 積もり積もったお喋りと手土産で頂いたワインや食材を使ったご飯を楽しんだ。散々食べて飲んで、締めのラーメンまでペロリと食べちゃった!

我が家の老犬は、猫と真逆で来客に大喜びで、もうベッタリ。コロナ禍がきっかけで我が家に来た犬なので、来客とかほぼ無縁で、たまに人が来ると嬉しくてたまらないのだ。人間が大好きな老犬。夜も友人にベッタリと寄り添いぐっすり寝ていた(笑)。

春になって私も少しずつ動き出して、完全自粛生活から仕事もプライベートも少しずつ活動的になってきた。前と同じようにとは思わないけれど、少しずつ”楽しい”を取り戻しながら、また人とのご飯の機会を増やしていこう。そして猫との避難訓練ももう少しレベルアップしなければ、何か起きた時に全く対応できる自信がない。

もう少し猫が人を好きになってくれたら嬉しいのだけれど、あまり期待はできない。早くも台風1号が発生したりしているけれど、今年は全国どこも大きな被害が起きないでほしいなと心から願っているのです。

徳王 美智子

1978年生まれ。アナログ過ぎる環境で育った幼少期の反動で、家電含めデジタル機器にロマンスと憧れを感じて止まないアラフォー世代。知見は無いが好きで仕方が無い。家電量販店はテーマパーク。ハードに携わる全ての方に尊敬を抱きつつ、本人はソフト寄りの業務をこなす日々。