ぷーこの家電日記

第396回

新米の季節がやってきた! 食欲が止まらない

食欲の秋がやってきた。常に食べてばかりの私だけれど、それでもやっぱり秋は美味しいが溢れて美味しいが渋滞する。旬は一瞬で過ぎて行くので、これを逃すと来年まで出会えないと思うと結構焦るし、忙しい。美味しいものを食べながら忙しいだなんて、なんて贅沢でなんて幸せな悩みだろうか。

実質的な悩みは、また体重が増えて……。「もう、いっそのこと抗うのはやめようか。不健康なまでの肥満は問題だけれど、この美味しいものを前に我慢するのは何のためだろう?」などとふと思って、「いやいやいや、ダメだ。理性はどこだ!?」と思い直したりと、本当に心が揺れる。冬になったらちゃんと考えようと、問題は先延ばしにしながら、とりあえず目の前の秋に没頭しているところだ。

そんな秋の味覚てんこ盛りのこの季節、美味しいものが盛り沢山だけれど、やっぱり毎年毎年「何だこれ、美味しいー! こんなに美味しかったっけ!?」と驚くのが米だ。お米が日持ちするとはいえ、少しずつ鮮度が落ちていっているのを新米を食べて実感する。ほぼ毎日食べているのにこんなに感動する米って本当に何者!?

今年も新米の季節がやって来て、ツヤッツヤでピカピカのお米を食べた時、あまりの甘さと美味しさに鳥肌立ってしまった。晩酌が習慣になっている我々夫婦は、普段夕飯にお米を食べない事が多いのだけれど、この頃は毎晩お米も食べている。何ならお米をつまみに飲めるほど美味しい。

そして昼も普段ならご飯をお替りなんてしないのだけれど、ついお替りしてしまう。私からお願いもしていないのに、この頃になって毎日率先してお米を研いで炊飯器にセットして「お米よーし」などと言う夫を見ていると、やっぱり新米がよっぽど美味しいのだろう(笑)。上手い食レポなんてできないけれど、夫の行動が分かりやすくて美味しいのがわかる。

私が子どもの頃、私のアレルギー体質を気にしてということもあると思うけれど、母親は食べる物、特に米と卵はとても良いものを使っていた。そしてお米が美味しく炊けるようにと、我が家ではご飯は圧力鍋で炊かれていた。そんな苦労を知らず、私はお米がそんなに好きではなかった。別に嫌いでもないのだけれど特に好きでもない。

完全におかず派で、おかずがなくなる時にご飯が余るし、余ったご飯だけを食べるのはますます箸が進まなかった。炊き込みご飯やチャーハンなど味がついたご飯はとても好きだったので、お米自体の美味しさを理解できなかったのかもしれない。

そんな私が雷に打たれたようにお米の美味しさに目覚めたのは、「平成の米騒動」と呼ばれた1993年の米不足、の翌年の1994年のことだ。1993年に記録的な冷夏によって、極度な米不足に陥り、タイ米が大量に輸入されたりした。今考えると「タイ米は普通に炊いちゃいかーん!美味しい食べ方があるのにー!」と言う感じなんだけれど、その頃は「美味しくない」とよく言われていた。

我が家でも試しにと数キロ買ったことがあって、初めてタイ米を食べたのはその年だと思う。「面白い形」と思った記憶はあるけれど、味の記憶は全くない。特別お米が好きだった訳でもないので、変わらずあまり箸が進まなかったんだろう。

そんな年を過ごした翌年の秋、新米の季節に秋田に住む親戚から新米が送られてきた。そのお米を一口食べた時に、本当に雷に打たれたような体に電気が走ったような、そんな衝撃を受けたことを25年以上経つ今でもはっきりと覚えている。「こんなに美味しいものがあるのか!?」と思ったし、本当においしくて止まらなくなって、その日は3杯ほどお替りして炊いたご飯を食べ尽くし親から驚かれた(笑)。

そんな自分の中ではセンセーショナルな新米体験を境に、私は思い切り白米大好き人間に転身し、お米をよく食べるし、一丁前に米や炊飯器に拘ってみたりしている(笑)。そして米の中でもやっぱり新米は格別だ。口に入れた瞬間に美味しさに震えそうになるし、あの四半世紀前の記憶が蘇ったりする。お米って本当にすごい。

品種や炊き方などで好みが別れたり違いが分かったりする日本人の米に対する執着にも近い拘りって考えるとかなり凄いよなぁ。他国の人からすると「え? ライスじゃん」とかってなりそう(勝手な想像です笑)。

そして新米って、ただの食べ物じゃなくて、私にとってもっと神々しくて特別な存在なんだよなぁ。なるべくシンプルに白米で味わいたいし、チャーハンや炊き込みご飯などで混ぜ物をすると、この神々しい米や作った方を冒涜するような気にさえなってしまって、勿体なくてできない。もうこれは好きとかじゃなくて信仰に近いものなのかもしれない(笑)。

狂おしいほど新米が美味しい! 去年の今頃は新米だったお米は古米となって今も我が家に残っているけれど、今しか食べられない新米をどうしても優先して炊いてしまう。この残ったお米はミルで挽いて米粉にしてスイーツや料理作りで使って綺麗に食べきりたい!

米粉のパンケーキで休みの日のブランチ楽しんでみたり、天ぷらも米粉で揚げるとサクッとなってとても好き。米粉のお好み焼きにおやつにお団子なんてのもいい。あぁ、でも今はおやつに白米とかでも良いくらいな新米テンションなんだよなぁ(笑)。今年の新米を思い切り堪能した後にお米や米粉アレンジにチャレンジしようっと♪

徳王 美智子

1978年生まれ。アナログ過ぎる環境で育った幼少期の反動で、家電含めデジタル機器にロマンスと憧れを感じて止まないアラフォー世代。知見は無いが好きで仕方が無い。家電量販店はテーマパーク。ハードに携わる全ての方に尊敬を抱きつつ、本人はソフト寄りの業務をこなす日々。