ぷーこの家電日記

第371回

お弁当持ってご近所ピクニック

春らんまん! いろんなお花が咲き乱れてポカポカ暖かく、気持ちも緩みまくりのこの頃。そしてとうとう4月になってしまいました。今年がすでに4分の1終わってしまったなんて! という驚きの事実は置いておいて、とても気持ちが良い。こんな陽気がずっと続けばいいのになぁ。

そんな春の週末の金曜日。その日は私のやる気と元気が全て家出していて、「今日は何か作る気がまったく起きません。どうしましょう?」と夫にLINEしたら、仕事帰りに夫がスーパーに寄ってくれて、家で焼肉をした。何でも焼くとごちそうになるので、焼肉ってすごいよなぁ。

やる気も元気も全然無かったのに、食べてると元気が出てくる現金な私。「週末だねぇ!」とご機嫌になってきたところで、夫が「明日さ、天気も良いし、お爺(犬)連れて公園でも行こうよ」と言い出した。「ピクニックいいねぇー!」と私もノリノリ。「明日唐揚げ作るから!」と、なんと夫はお弁当を作って持っていく計画を立てて、帰りに寄ったスーパーでお弁当の材料まで買ってきていたのだ。嬉しい!

土曜日はいつもより少し遅めに起きて、夫はお弁当の準備に。普段食べるご飯はほぼ私が作るけれど、夫が作ってくれるお弁当が大好きだ! 特別なメニューじゃなくても、人が作ったご飯は100万倍おいしい! そして、人が作ったお弁当は開けるまでとにかく楽しみなので、私はキッチンに1歩も立ち入らない(笑)。全部お任せのランチピクニック!

夫がお弁当を作ってくれている間に、私はちょっくらホームセンターに家庭菜園の種を買いにお出かけ。帰ってきて玄関を開けた途端にものっすごく良い香りが! 「いい匂い! 急にお腹が空いてきたー!」とワクワクしながら準備して近くの公園に出かけた。

お弁当と敷物、そしてお爺ワンコをワゴンに乗せて徒歩5分ほど。このお爺ワンコが保健所から我が家に来たのは、1回目の緊急事態宣言がきっかけだったので、もう少しで早1年。ヨボヨボ爺さんが我が家に来たときは、「最後は温かいベッドとご飯と、そして愛情を」と看取るくらいの気持ちだったのに、それが今もこんなにしぶとく元気でわがままで、ご機嫌な飼い犬として君臨してるとは思ってもなかった!

一緒にお花見ができるとか、グッとくるのです。1年後にまだ現世というか我が家で過ごしているとは思ってなかった! 何度か本連載でも登場したお爺ワンコなので、「聞くに聞けない生存状況」なぁんて言われながら、元気ですよ元気! べらぼうに元気です! 何年もコンクリ塀の中で過ごしていたことも(多分)すっかり忘れているし、その前にいたであろう劣悪な飼育環境も(多分)すっかり忘れている! 遅咲きながら、今現在かなり飼い犬生活を満喫しております!

目も見えないし耳も聞こえないお爺ワンコ、カートに乗って風や香りを超満喫!!! この嬉しそうな姿を見るだけで私は嬉しいし、1年前に私が突如連れてきて、一緒に面倒を見させられているはずの夫が、こんな素敵なお花見の計画を立ててくれるなんて嬉しすぎる!

この1年はガラッといろいろ変わって困ったり辛かったりする部分も多かったけれど、私個人で言えば、家族が増え(お爺)、家族のありがたさに触れ(夫)、家族の距離も近くなり(猫)、という感じで自分の置かれているありがたい状況に猛烈に感動するようなことのほうが多かった。と、悪くはなかったこの1年を振り返るのです。

近所の公園に着いて、桜の木の下で桜を見ながらお弁当を食べることに。数年前の4月、先代のワンコが亡くなる数日前、動物病院に行った帰りに桜を見た公園で感慨深い。同じ場所でお弁当を食べようと思ったけれど、このコロナ禍で、桜が綺麗なエリアは敷物を敷いたりするのが禁止にされていて、警備員の方が立ってパトロールしていた。「そっかー! 宴会とかされると大変だしねぇ」と言いながら公園を散策する。桜がとても綺麗で、とにかく気持ちが良くて、短い春を満喫。その公園を横断した先の広場で敷物を広げ、お弁当を食べることにした。

「す、すっごい!」夫のお弁当に感動の私。色も綺麗! 卵焼きもノーマルな卵焼きとあおさ入りの卵焼きの2種類!? そしてこれは何人前なんだ!?(笑)。ビールを飲みながらのんびり外の空気を吸い、お弁当を食べる贅沢。

ちょっと腹ごしらえした後、お爺ワンコに「少しは歩くか?」とお散歩させようとするけど、お弁当の香りに向かってまっしぐらでまったくお散歩にならない(笑)。「ちょっ! ちょっ! 弁当はダメ!」と何度離してもお弁当の香りに夢中。「弁当じゃなくて春の香りを楽しみなさいよ!」と言ったけれど、花より団子は飼い主譲り。

それでもこんなにいい笑顔を見られることはなかなか無いよなぁと思うし、犬って本当に表情豊かだなぁとますます面白くて仕方がない。できたら来年も一緒に近所へお散歩に行けるくらい長生きしてくれー! と心底祈りまくりの幸せな春だったのでありました。

徳王 美智子

1978年生まれ。アナログ過ぎる環境で育った幼少期の反動で、家電含めデジタル機器にロマンスと憧れを感じて止まないアラフォー世代。知見は無いが好きで仕方が無い。家電量販店はテーマパーク。ハードに携わる全ての方に尊敬を抱きつつ、本人はソフト寄りの業務をこなす日々。