ぷーこの家電日記

第370回

夫婦共通の趣味は楽しいけれどタガが外れる

先日、普段通らない道を自転車で走っていたら、桜並木に花が咲き誇っていて、「あー! 春だ!」とちょっと感動した。ほぼ出歩かない生活を送っているので、こんなに満開になるまで気づかないものなのかとびっくりした。そういえば、去年はたぶん1度も桜を見ていない気がする。いや、近所にも桜はあるから、買い物ついでに見たりしていたのか? 今年もお花見の予定などは何一つないけれど、週末に自転車で桜が咲いているところを走って、年に1回のこの季節を思い切り吸い込んでおこう。自転車で走るにも一番気持ちが良い季節。満喫するぞー!

私がe-bikeに乗り始めて1年が経った。「コロナで電車に乗りたくない」って単純な思いからで、1年経った今もまだ、外出したり人と会ったりするのにこんなに気を遣って過ごしているなんて思ってもいなかったし、ましてあのころ自分がe-bikeに夢中になるとは全く思っていなかった。

電車に乗りたくないという単純な動機から自転車通勤したいなぁって思ったけれど、そのころはあくまでも交通手段のひとつとしてとらえていて、自転車に乗ること自体が楽しいと感じるなんて想像していなかったのだ。この制限の多いコロナ禍の生活にめっちゃ親和性が高い自転車。窮屈な生活に自由を手に入れたようで、気分転換に最適だ。出会えてよかったー!

そして、途中から夫を「楽しいぞー。楽しいぞー」と誘い込み、同じ沼に引きずり込んだ私(笑)。共通の趣味を持てると、週末一緒に出かけられるのも嬉しいし、方向音痴の私をどこへでも引っ張ってくれるのがありがたいし、何なら遠出するときに車の運転手を引き受けてくれるのも助かる(笑)。もともとがインドアの私と違って、家でじっとしているのが苦手な夫は、自転車にも見事にハマってくれて、1人でどこへでも、ときどき一緒にどこかに行ってくれるようになった。

そんな我が家に去年、突如趣味としてどっぷり浸透してしまったe-bike生活。人混みを避けながら遠くまでグランピングに行ったり、時にはリアバッグという自転車に取り付ける大きなバッグにキャンプ道具を入れて焚火しながらキャンプ飯食べたりと、自転車に乗るプラスアルファのことも本当に楽しくて、夫は自転車だけではなく、今流行りのキャンプ欲にも完全に火がついて熱々だ(笑)。キャンプ用の道具がちょこちょこ家に届いたり、週末の天気を気にしたり、何だかとっても楽しそう。

そんな夫と「自転車2台載せられるバンタイプの車が欲しいよねぇ」と話してた。そろそろ車の買い替え時で、前回の車検時は夫から「買い替える?」と言われながらも「まだ乗れるから買い替えません!」と言っていた私なのに(笑)。「車買ったらどこに行こうか?」と、サイクリングコースに盛り上がったり、夫も「車中泊もできるー! ソロキャンプ行けるー!」と言っていたり、想像するだけで楽しくて仕方がない。e-bikeを2台載せられる車種は限られる。そして予算も限度がある。中古車の販売サイトを見たり、近所の中古車屋さんに見に行って相談したりと、良いもの見つかったら買おうといった感じで年末くらいから緩く探していた。

中古車屋さんに相談して、条件に合うものがあったら連絡してもらうようにしていたけれど、ちょっと条件を欲張りすぎたのかなかなか見つからず。夫はそれからも日々サイトなどを見て新車の発表を追いかけていた。日に日に熱が上がっていく様子が手に取る様に分かって、「こりゃそろそろ待てなくなって、本気で探し始めるだろうな」とは思っていた(笑)。

そして、最後のトドメというか、決め手になったのは、先日取材を兼ねてレンタカーを借りて自転車で走りに行った日だ。やりたいねと言っていたことを現実としてハッキリ体験することで、「楽しい~!!!」となってしまったようだ(笑)。

その数日後、「ちょっと出掛けてくる」と夫がふらっと出掛けて1時間くらいして電話がかかってきた。「今車見にきて、すんごい良かったので、もう決めようと思う!」という、私に断りを入れずに決めると流石に怒られるという配慮からの最終確認電話だった(笑)。

「ちょっとそこまでお買い物」な感じで車の購入を決めてくるとか、すっげーカジュアルだな。と、笑ってしまったけれど、早かれ遅かれ買い替える予定だったし、予算も装備も全てクリアしていて、むしろなかなかラッキーだったので、「全てお任せしまーす」と、書類を揃えたり契約をしたりなど非常に苦手な私は、全て夫に任せることに。

自転車で走るのにもとっても気持ちがいい季節になったし、私1人では行けないような場所にもきっと連れていってくれる。今度は自転車載せてどこへ行こう♪ と、結構私もウキウキしているのです。でも、購入した車を自分の基地のようにいろいろ整えたい夫と、何もしなくていいじゃない派の私とのせめぎ合いはしばらく続きそうなのであります(笑)。

徳王 美智子

1978年生まれ。アナログ過ぎる環境で育った幼少期の反動で、家電含めデジタル機器にロマンスと憧れを感じて止まないアラフォー世代。知見は無いが好きで仕方が無い。家電量販店はテーマパーク。ハードに携わる全ての方に尊敬を抱きつつ、本人はソフト寄りの業務をこなす日々。