ぷーこの家電日記

第218回

40代突入! 体はボロでも心は錦。誕生日のご馳走はプライスレス!

 本日2月9日、肉の日とかフグの日とか言いますけれど、私の誕生日でもある。本日から私40代のスタートであります。

 30歳になる時は、「もう30だぁ」と嫌そうにしている人を傍目に見ながら、私は凄く楽しみだったし、実際になった時はワクワクした。あれから10年、期待通りだったかは分からないけれど、30代は結構楽しかった気がする。

 でも、40歳が近づいてきた事に対しては、全然楽しみでも無くワクワクもしなかった。見た目とか扱いがオバサンになる事には正直何の抵抗もないのだけれど、体のガタを実感し始めて、「老い」というものが近づくのをリアルに感じて、今後増えていくであろう不便が少し怖くなってきたからだろうか。

 以前はひと晩寝ればケロッと疲れも取れていたのに、下手すると1日寝ても疲れは取れなくなって来たし、徹夜とかもう絶対に無理だと思う。次の10年ではきっと老眼が始まったり、更年期障害で苦しむかもしれない。今はまだ生えていない白髪だってめちゃくちゃ増えるだろうし、この下っ腹の贅肉だって益々下に横にと成長しちゃうんだろうなぁ。それと、老人からは若者扱いされて、若者からは年寄り扱いされる中間管理職みたいな立場も正直面倒くさかったりする(笑)。

 そんなネガティブな事を書き並べつつ、そこまで深刻に「嫌だ嫌だ嫌だ」という訳でもなく、「あー、とうとう40になっちゃった」くらいな軽い気持ち。40代の先輩である夫も、未だに少年のようだし、なんだかとっても楽しそうなので、きっと40代も楽しいんだろうとは思いつつ積極的には喜んでいないのだ。

 そんな感じであまりテンションも上がっていない私の誕生日、夫から「誕生日に何か欲しいものある?」と、聞かれた。「うーん......。畑」などと、アホな返事をする私(笑)。実際のところ、欲しいものが無いというか、アクセサリーやバッグなどに全然興味がないので、欲しいものを考えて行くと家電とかになってしまって、私の物というよりも我が家の物という感じになっちゃうし、実用的すぎてプレゼントに向かない気もするのだ。

 結局、今年も変わらず、「ご馳走を作って下さい」と料理をリクエストした。毎年私の誕生祝いは夫が美味しいご飯を作ってお祝いしてくれる。結婚した時は、インスタントラーメンを作るとか、何かを炒める程度の料理しか作れなかった夫。初めての私の誕生日を迎えるにあたって、「私に手料理をご馳走してください」とリクエストしてみた。すると、誕生日よりも随分前からクックパッドを見ながら凄く真剣な顔でメニューを考えてた(笑)。

 何が出てくるか分からないワクワクと、美味しい料理のためと言うか、私のために時間を割いて一生懸命考えてくれる事に、物凄く感激したし、当日の料理はめっちゃくちゃ上手で美味しくて、これまたびっくり感動したんだ。

 そんなこんなで、それ以降、毎年誕生日のリクエストはご馳走を作ってもらうようにしている。ワイワイご飯食べるのが好きなので、姪っ子家族なんかも呼んで、みんなで「シェフー! お願いしまーす!」と楽しみに待つのだけれど、紙に書いた「おしながき」などの小道具まで登場して来て、小慣れた感じまで出てきた。毎年パワーアップしているのだ。

 そもそも料理が出来なかった夫が、ズボラな私との生活でメキメキと料理の腕も上げ、今では「冷蔵庫にあるものを使ってチャチャっと料理をする」などと言う、高度な家庭料理の技術まで身につけ、頻繁にお弁当を作って私に持たせてくれたりする。なので料理自体は「年に一度、夫の手料理を」という特別なことでは無くなってしまったのだけれど、やっぱり全然変わらず特別で楽しみなプレゼントなのです。

 某車のCMのキャッチコピー「モノより思い出」本当に秀逸だなぁと思うのだけれど、まさしくそんな気分。今年の誕生日も、これからも、思い出を残して人生の復路を存分に楽しんで行きたいと思っている。いくつになってもやっぱり誕生日って特別で嬉しくありがたい日だなぁって思うのです。

 とは言え……、やっぱり物欲ったら無くならないもので、トースター欲しいって言えばよかったかなとか、GLUDIA燻製器、めっちゃ気になってるんだったー! とか、床拭きロボットのブラーバを導入したーい! とかとか、普段抑えている物欲も、「誕生日だし」というよく分からない理由というか言い訳にかこつけて、頭の片隅でぐるぐると渦巻いているのでありましたとさ。

徳王 美智子

1978年生まれ。アナログ過ぎる環境で育った幼少期の反動で、家電含めデジタル機器にロマンスと憧れを感じて止まない30代後半。知見は無いが好きで仕方が無い。家電量販店はテーマパーク。ハードに携わる全ての方に尊敬を抱きつつ、本人はソフト寄りの業務をこなす日々。