調理の下処理

第98回

手軽にできる! ベイクでもレアでもない、とろとろクリーミな「バスクチーズケーキ」の作り方

 こんがりと焼いた表面が特徴の「バスクチーズケーキ」は、ベイクドチーズケーキながら、とろりとした食感が魅力。コンビニスイーツにも登場して、人気急上昇中です。

 ケーキの中心部がとろとろなのは、高温で焼き上げたあとに余熱で火を通しているから。小さな型で焼いてしまうと火が通りやすいので焼き加減が難しく、大きな型だと材料をたくさん用意しなければならず面倒です。そこで今回は、通常は丸型で作る「バスクチーズケーキ」を、パウンド型で作る方法をご紹介します。

高温で焼き上げて、表面はこんがりしているのがバスクチーズケーキの特長

スペインで親しまれているチーズケーキ

 「バスクチーズケーキ」とは、スペインとフランスにまたがるバスク地方に伝わるケーキです。特に、スペインのサン・セバスティアンにあるお店「ラ・ヴィーニャ」で作られているバスクチーズケーキが有名。チーズケーキとは思えない、とろとろとした食感が人気です。

「ラ・ヴィーニャ」では、焼き上がったバスクチーズケーキを、丸穴の開いた木の板に置き、数時間掛けて冷まします。そうすることで程良く水蒸気が抜け、滑らかな舌触りのケーキに仕上がるそうです。

ベイクドチーズケーキやレアチーズケーキとは違う食感を楽しめる

使う材料は手に入りやすいものばかり

 使う材料は5つだけ。材料がシンプルなので、使う材料によって味わいも変化します。生クリームは、脂肪分35%以上のものを選ぶと、濃厚な味わいに仕上がりますよ。さらにこだわるなら、クリームチーズを産地で選んだり、数種類混ぜ合わせて味わいを変えるのもおすすめです。

<材料(内寸20×10.5×7.5cmのパウンドケーキ型1個分)>
・クリームチーズ:200g
・砂糖:70g
・卵Lサイズ:3個
・生クリーム:200ml
・薄力粉:大さじ1

生クリームは乳脂肪分の高いものがおすすめ

常温の材料を混ぜ合わせるだけで、簡単に作れる

 中心部をとろりと焼き上げるために、下準備をしっかりと行ないましょう。クリームチーズ、生クリーム、卵を冷蔵庫から取り出し、室温に戻しておきます。薄力粉はふるい、卵は溶いてザルで濾しておきましょう。パウンド型にオーブンシートを敷き、オーブンを250℃に予熱します。

 ボウルにクリームチーズを入れてゴムベラで練り、滑らかになったら砂糖を2~3回に分けて加えて混ぜます。次に材料を、溶き卵、生クリーム、薄力粉の順番に加え、泡立て器で混ぜ合わせましょう。どの材料も2~3回に分けて加えると、混ぜやすいですよ。

 生地をパウンド型に流し入れ、250℃のオーブンで20~25分焼きます。焼き色はお好みで調整してくださいね。

材料を混ぜ合わせるだけで生地の出来上がり

粗熱を取りながら、余熱で火を通す

 焼き立ての生地はふんわりと膨らみ、型を揺らすとフルフルとするほど柔らかです。型に入れたまま10~20分ほど置くと、生地が中央から沈んで固まります。固まったケーキを型から取り出し、粗熱を取りましょう。木製まな板などを間隔を少し開けて並べた上に乗せると「ラ・ヴィーニャ」風。木製まな板などがない場合は、ケーキクーラーの上で冷ましても大丈夫です。

 バスクチーズケーキは、温度で食感が変化します。ほんのり温かいうちに食べるとふわっとした口溶けを楽しめ、冷蔵庫で冷やすと滑らかでとろりとした舌触りになります。お好みの食感で楽しんでくださいね。

水蒸気が抜けるように、まな板の隙間を空けて並べてケーキの粗熱を取る

じゅん

チョコレートと漬物が好きな管理栄養士です。現在、子育てに奮闘中。体力の衰えを感じながら、子どもと公園を走り回っています。家事の効率化とシンプルライフを目指して、日々の生活を見直し中です。