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毛糸で手織り♪スマートフォンの「スリーブケース」を作ってみましょう

スマートフォンの本体は、どれもみなほとんど同じデザインだからこそ、ケースは個性的にしたいものですね。そこで今回は、毛糸を自分で織って作る「スマートフォンの手織りスリーブケース」をご紹介します。サイズを変えれば、メガネや音楽プレイヤーにもぴったりのケースが作れますよ。これまでの「コースター」「くるみボタン」「コード束ね」とは違う織り方をご紹介します。ぜひ新しい織り方に挑戦してみましょう。基本は前回までと同じなので、初めての方は、「コースター」の記事を参考にしてくださいね。

 

◇100均材料で、意外と簡単!「織り機」から作る「手織りのコースター」
https://kaden.watch.impress.co.jp/docs/column/lifestyle/1162956.html

準備するもの


材料と道具(iPhone SEサイズのスリーブケース1個分)

  • 毛糸(ウール100%で中細程度のもの):2色を1玉ずつ
  • 手作りの織機(「手織りのコースター」の回で、額縁から手作りしたもの)
  • PPテープ(梱包用の幅1.5mm程度の硬いテープ):15cmを2本
  • クシ(歯が一列でなるべく細かいもの)
  • ヘラまたは薄いものさし(15cmくらいのもの)
  • ハサミ
  • 刺繍針
  • ものさし
  • メジャー

 

(写真外)

  • 中性洗剤(おしゃれ着洗い用ではないもの):少量(小さじ0.5~1杯くらい)
  • ボウル、洗面器、バケツなど:1個
  • ゴム手袋

 

手順1:織る布の長辺と短辺を計算する

メジャーで、スマートフォンの長辺と厚さを足した長さ(A)と、短辺と厚さを足した長さ(B)を測り、メモします。これが仕上がりサイズです。布を織るときは、この仕上がりサイズより4割ほど大きく織ります。あとで縮む分を盛り込むからです。今回は(A)×1.4、(B)×1.4で計算し、小数点以下は四捨五入します。私のiPhone SEは、TPUカバーを付けた状態では、(A)は14cm、(B)は7.3cmなので、計算すると、織る布の長辺は約20cm、短辺は約10cmとなります。

 

手順2:織機に経糸(たていと)を掛ける

織機は、以前「コースター」を作ったものを使います。布の短辺が約10cmになるように、釘に1本飛ばしで経糸を掛けます。今回ご紹介する綾織(あやおり)は、いままでの平織(ひらおり)よりも経糸の間隔を少し狭くし、本数を多めにします。短辺の長さ(10cm)にぴったりの位置に釘がない場合は、次の釘に掛けて、布が大きめになるようにしてください。

手順3:PPテープを入れ、織り始める

最初はヘラで交互に経糸(たていと)をすくい、PPテープを2本入れます。それでは、綾織(あやおり)を始めましょう。ヘラで右端の経糸を1本拾ったら、3本とばして、次の1本を拾います。それから、また3本飛ばします。つまり、1-3、1-3、…と4本おきに糸を拾い、端まで拾ったら、緯糸(よこいと)を右から入れます。写真では、最初から綾織を織り初めましたが、1本おきに拾う平織りを2段織って、3段目から綾織りにすると、あとで経糸の始末がやりやすくなるので、おすすめです。

 

手順4:綾織(あやおり)で2~4段目を織る

綾織の2段目は、1段目で拾った糸の1本左の糸を拾っていきます。1段目は右端の経糸を拾ったので、2段目は右から2本目からはじめます。ヘラで経糸を拾うときは、右利きなら常に右から順に拾うとやりやすいでしょう。1段目と同様に3本飛ばして、また1本拾います。1-3、1-3、…と拾っていき、1段目と比べて、拾う糸が1本ずつ左へずれていくようにします。端まで拾ったら緯糸を折り返して入れます。綾織の3段目、4段目も同様に、拾う糸が1本ずつ左にずれるようにして緯糸を入れていきますが、注意点があります。

 

下段の写真のように、奇数段の左端に拾わない経糸が3本残ったら、次の段では、1番左端の最後の経糸を必ず拾います(写真右側)。こうすることで、折り返したときに必ず左端の経糸に緯糸が掛かるようにします。これは、経糸の本数が偶数本の場合に起こります。また経糸が奇数本の場合には、左端の最後に経糸が2本残ったとき、最後の1本を追加で拾っておきます。これで端の経糸に緯糸が掛かり、次の段の左端から2本目の糸を拾えるようになります。一方、右端は緯糸を右から入れる奇数段のときに必ず1本目を拾うと、緯糸が経糸に掛かります。両端の経糸に必ず緯糸が掛かるように、織り進めましょう。

 

手順5:計算した長辺の長さまで織り進む

4段織ったら、5段目は、1段目と同じ糸の拾い方になります。つまり1~4段で1セットなのです。最初は経糸を拾うのに苦労するかもしれませんが、慣れてくるとどの糸を拾えばいいのか、すぐ分かるようになりますよ。織っている途中で布幅が狭くなっていかないように、途中でものさしを当てて、狭くなっていないか確かめましょう。織り進めていき、最初に計算した長辺の長さ(20cm)になったら、最後に2段、平織をします。それから経糸を釘ギリギリで裁って、布を機から降ろします。

 

手順6:糸の始末をする

切った経糸を刺繍針へ通し、緯糸を布の端から3~4目をすくって織り上がった生地の中へ入れ込みます。入れ終わったら、布の表面ギリギリで糸を切ります。緯糸も同様に、刺繍針を使って経糸を3~4目すくって生地の中に入れ、切ります。経糸を張る強さや織る人によっては、織っている途中で布が少しずつ小さくなる「織り縮み」が発生して、最初に計算した布のサイズより一周り小さく織り上がったかもしれません。でも、それも計算に入れてあるので大丈夫。次のステップに進みましょう。

 

手順7:同じ大きさの布をもう1枚織る

今までの工程をもう一度繰り返し、同じ布をもう1枚織ります。綾織では裏と表で柄が異なるので、どちらをスリーブケースの表にするのか、お好みで決めましょう。

 

手順8:布を袋状に縫い合わせる

2枚の布を中表に合わせて、出し入れ口の短辺を除いた3辺をかがります。残った毛糸と刺繍針でぐるぐると巻きかがりをしましょう。最後は、糸端を数目すくって布の中に入れ、出ている部分は切りましょう。

 

手順9:布を縮絨(しゅくじゅう)する

毛糸を縮めてフェルト化する「縮絨(しゅくじゅう)」をします。まずボウルや洗面器などへ、布が十分浸かる量の約40℃のお湯を入れ、中性洗剤を小さじ0.5~1杯溶かします。布を約3分間浸し、お湯を浸み込ませましょう。手が荒れやすい方はゴム手袋をして、布が均一に縮むように、全体を均等に揉みます。しばらく揉みこんだら裏返して形を整え、また全体を揉みます。時どき水を切ってサイズを測りましょう。予定の仕上がりサイズ0.5cmくらい大きいタイミングで取り出し、ぬるま湯ですすぎます。短辺が短かすぎるとスマホが入らなくなるので気を付けましょう。もし、短辺はちょうどいいのに長辺がまだ長すぎる場合は、袋の口のところで、長辺を切ってしまいましょう。そして切り口をもう1度お湯に浸け、揉んで馴染ませればOKです。お湯で揉んでフェルト化させれば、かがらなくてもほどけてくることはありません。洗濯機の脱水コースで軽く脱水し、陰干しします。

 

スマートフォンの手織りスリーブケース完成

ふかふかの個性豊かなスリーブケースが出来上がりました。綾織は緯糸がたくさん入るので、布のギュッと詰まった質感が魅力です。斜めの織り柄も面白いですね。もちろん平織でもケースを作れますよ。たくさん布を織って縫ってつなげば、大きいサイズのスリーブを作ることができるので、タブレットケースを作ってもいいでしょう。縮絨後の布は切って好きな形に出来ますから、いろいろなアイテムに応用してみてくださいね。

 

 

手織かたそうもく

草木染めをしたり、型染めをしたり、綿や毛を紡いだり、織ったりして、鳥取県の自然を取り入れた布を作っています。機械ではなくて人間の手だからできることってなんだろうな、と考えながらやっています。minneはこちら、Creemaはこちら