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【折り紙とハサミで切り絵21】茎の曲線で作る「秋風に揺れるコスモス畑」

 折り紙とハサミがあれば、すぐにトライできて、しかも本格的なアート作品もできる「切り絵」。今回からは、季節感のある作品を、表現方法のポイントとその切り方をご説明しながら、季節感のある作品を作っていきます。ポイントをマスターしていくと、作品を個性豊かに仕上げるための表現力が身に付きますよ。「秋風に揺れるコスモス畑」にトライして、芸術の秋を楽しんでみませんか?

 

用意する道具と材料

・折り紙
・ハサミ

折り紙は、100円ショップで購入できるものでも大丈夫。普段から使い慣れているものを使いましょう。また今回の切り絵は、繊細な部分が多いので、「タント折り紙」などの、少し厚手で強度のある折り紙を使った方が切りやすく、仕上がりもきれいなのでおすすめです。「タント折り紙」は、大きい文房具店や画材店などで購入できますよ。

 

ここがポイント!:茎に「うねり」を付けましょう

今回の作品のポイントは、左側の写真のように、コスモスの茎に「うねり」を付けながら切ること。コスモスの柔らかい茎が風に揺れる雰囲気を、茎に自然な「うねり」を付けて作っていきます。作品を作る前に、緩やかな「カーブ」や「曲線」を切る練習をして、ウォーミングアップしておきましょう。いきなり作品を作り始めるよりも、ハサミがスムースに動くようになりますよ。「カーブ」や「曲線」は、【折り紙とハサミで切り絵10】を参考にして練習してみましょう。

 

◇【折り紙とハサミで切り絵10】テクニック編:滑らかな「曲線」を切ろう
https://kaden.watch.impress.co.jp/docs/column/lifestyle/1162484.html

 

コスモス畑の作り方1:茎を切りましょう

今回の作品は、紙を縦半分に折って切るタイプで、紙を広げると、コスモス畑が左右対称に出来上がります。まず、折り紙を半分に折って、折り線の下辺から2cmほどの部分に、左へ1cmほどの切れ目を入れ、そこから紙の上部へ向かって、線で絵を描くように茎を切っていきましょう。茎は真っ直ぐ上へ向かわず、折り線から1.5~2cmほど左側の斜め上へ向かって、緩やかな「うねり」を付けながら、紙の高さ半分くらいまで切りましょう。

 

コスモス畑の作り方2:コスモスの花を切りましょう

次に、線で絵を描くように花びらを切っていきましょう。コスモスの花びらは8枚あり、フチが3つに割れているのが特徴です。最初に8本の線を放射状に下書きし、線に沿って切ってもいいですね。花びら1枚の長さは、1.5cmほどを目安に。1枚目の花びらは、茎を切り終えたところから切り始めますが、このとき紙を上下逆さまに回転させ、紙の下部へ向かうようにハサミを入れて切りましょう。花びらを続けて切るときは、花びらの付け根同志があまり開かないようにすると、きれいな形にまとまりますよ。花びらのフチは、小さなジグザグに切りますが(写真右)、難しい場合は、左下の写真のように、中央をくぼませる形やハートのような形でもOKです。

 

コスモス畑の作り方3:地面を作って花を連続させましょう

8枚目の花びらを切り終えたら、最初に切った茎の線に沿って、根元へ戻るように茎の反対側を根元まで切り、左横へハサミを入れて地面を作っていきます。地面は直線や波線だけで切ってもよいですが、花の下のスペースを使って「葉の付いた枝」を作ると、仕上がりのレベルが上がりますよ。3cmほど地面を作ったら、2本目の花作りにトライ。自由に「うねり」を付けながら、茎を切ってみましょう。紙の上部のスペースを使って、1本目の花よりも背の高い位置に花を作り、変化を付けましょう。

 

コスモス畑の作り方4:自然な「うねり」を作るコツ

自然で緩やかな「うねり」を付けるコツは、ハサミの先端で何度も切りながら進むよりも、柄の方から先端までの刃全体を使って、1回の動きでスッと切るようにすることです。ハサミの位置をなるべく固定して、紙を動かしながら切ってみましょう。あまり難しく考えずに、思い切ってハサミを動かしてみるのが上達のコツ。どんどん練習してみましょう。

 

「秋風に揺れるコスモス畑」の完成!

折り紙を半分に折ったスペースの中に、コスモスの花を3本作っています。花の高さを変えて、スペースを上手に使うようにしましょう。紙の端まで進んだら紙を切り離し、最後に1番下のフチを波線のように切って仕上げます。紙を広げたら、左右に広がるコスモス畑の完成です!完成した作品は、台紙にノリで貼って飾ってもいいですね。写真の見本では、緑色の折り紙で作った葉や枝を一緒に貼ってみました。緑色を加えると、コスモス畑らしい雰囲気が、より伝わりますよ。

 

アレンジバージョンで、さらに表現豊かに

今回の作品のアレンジバージョンをご紹介します。花びらを少し小さく切って花の数を増やし、茎に葉っぱを付けたり、1本の茎から2つの花を作ったりすることで、作品を変化させました。茎のうねりを上手に使い、花の向きをランダムにすると、コスモスが風に揺れる雰囲気を、さらに豊かに表現することができますよ。自分流のアレンジバージョンに、ぜひ挑戦してみましょう!

 

まとめ

1回で完璧な作品を作ろうとしなくても大丈夫。同じパターンの図柄を、何回か繰り返して作っていくうちに、茎のうねりの付け方や、花びらのバランスなど、自分なりのコツがつかめてきますよ。コスモスの花びらの形が難しいときは、切りやすいパターンから始めて、徐々にレベルアップさせていくといいでしょう。花の切り方は、【折り紙とハサミで切り絵11】も参考にしてみてくださいね。花だけを切る練習をしておくのもおすすめです。

 

 

コーヒーくん(切り絵・絵本作家)

切り絵・絵本作家「コーヒーくん」として活動中。アートスクールでたまたま出会った切り絵にはまり、以来ハサミでチョキチョキしている毎日です。生活の中で見て癒しになればいいなと、ブログで日々切り絵を披露しています。手製本で絵本を作る創作活動もしています。ブログは「毎日切り絵♪絵本屋さんのコーヒーくん」、minneは「魔法ウサギ by絵本屋さんのコーヒーくん」。