【意識調査】ワーキングマザーの6割、再就職・復職で育児との両立に不安

新年を迎える時期、「今年やりたいこと」を考えている人もいるのではないでしょうか。今回は、働く女性へ「復職や再就職への不安」「復帰後の昇格・昇進への意欲」などを聞いたアンケート結果をご紹介します。結果からは、再就職、復職を経験したワーキングマザーの半数以上が「仕事と育児の両立」を不安に思っていることが明らかになりました。

在就業中の女性、半数以上が就職や復職の経験アリ

図：n = 4,350

人材サービスを手がけるアデコが、20～49歳の働く女性4,350人に「女性の再就職・復職に関する調査」を実施しました。次の仕事を決めずに会社を辞めて別の会社へ就職することを「再就職」と、会社を休職して同じ会社に復帰することを「復職」と定義したうえで、再就職と復職の経験を尋ねたところ、「再就職をしたことがある」と回答した人が47.6％、「復職したことがある」と回答した人が8.8％という結果になりました。現在、就業する女性の半数以上の人が再就職や復職を経験していることが明らかになりました。

退職、休職の理由は「仕事に対する不満」3割

図：退職・休職の理由（n=557）

さらに、再就職や復職を経験したことのある女性557人へ「退職、休職の理由」を尋ねたところ、一番多かった回答が「仕事に対する不満から（31.4％）」、2番目が「育児や出産のため（26.9％）」、3番目が「体や心の病気や不調のため（16.3％）」となりました。仕事への不満を理由としている人が3割を超え、4人に1人は育児や出産を機に退職か休職を経験したという結果に。

ワーキングマザーの6割、「育児との両立」が不安要因

図：再就職、復職を不安に思った理由（ワーキングマザー／ｎ＝279）

また、出産や育児をきっかけに退職・休職したあと、再就職や復職を経験したワーキングマザー279人に「再就職・復職の際に不安に思った要因」を聞くと、1位が「育児との両立ができるか（62.6％）」で、2位が「子どもが病気やケガのときどうするか（35.5％）」でした。6割以上のワーキングマザーが仕事と育児の両立に不安を抱えていることが分かりました。

「昇進、昇格したい」人、再就職、復職すると半数以下に減少

図：キャリアに対する意欲の変化とその理由（複数回答／ｎ＝279）

次に、ワーキングマザーへ退職または休職前後での「昇格、昇進への意欲の変化」を尋ねたところ、退職または休職前には「昇格、昇進したい」と回答した人が50.2％と半数を超えたのに対し、再就職および復職後には43.8％と減少。また、「昇格、昇進したくない」と回答した人は退職または休職前には16.0％だったのが、再就職および復職後には19.0％に増えました。

昇格、昇進への意欲減少は「仕事の負担」「育児」が主な理由

ここで昇格・昇進への「意欲減少の理由」を聞くと、1位「仕事の負担が大きくなりそうだから（61.2％）」、2位「育児に手がかかるから（42.9％）」、3位「時間的に余裕がないから（38.8％）」という結果に。上位3つの理由には、育児との両立への不安が見え隠れします。逆に、「意欲向上の理由」では、1位「貯金を蓄えたいから（74.2％）」、2位「収入を増やしたいから（51.6％）」、3位「育児に費用がかかるから（48.4％）」と経済的な理由が占めました。

再就職、復職後に「昇格、昇進したい」意欲が増す20代

図：昇格、昇進意欲の違い × 年代別（n=279）

さらに年代別の「昇進、昇格意欲の違い」を分析すると、20代の「昇格、昇進したい」と回答した人は、退職・休職前の66.7％から再就職・復職後には71.2％と上昇し、30代、40代と比べて唯一、再就職および復職後の昇格・昇進への意欲が高まりました。20代は「バリキャリ」意識の高い世代と言えそうです。

女性の活躍は「仕事と育児の両立」のしやすさがカギ

2016年は「女性の活躍」が叫ばれましたが、ワーキングマザーに必ずつきまとう「仕事と育児の両立」への不安は、再就職や復職を考えるうえで高いハードルであることには変わりありません。実際、「待機児童」や「違法残業」といった問題は、今年も引き続きニュースになりました。女性が働きやすい環境の整備には、まだまだ時間が掛かりそうですが、先輩ママたちが乗り越えてきたように、私たちに解決できることもありそうです。

◇アデコ、女性の再就職・復職に関する意識調査を実施（アデコ）
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000347.000001264.html