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【時短簡単バランスメニュー4】パターン化で楽に!「和朝食」の献立7つ

慌ただしい朝は「朝食をどれだけ短時間で作れるか」が、大きなカギになっているママも多いのではないでしょうか。そこで今回は、簡単に作れる「和風の朝食献立パターン」を7つご紹介します。朝食の献立は「納豆」「豚汁」などその日の「献立のキーワード」を決めてパターン化しておくと、朝の食事作りがずいぶんと楽になります。今回は和朝食を、次回は洋朝食をご紹介する予定です。

 

朝食が1日の体リズムを作る

朝食を食べると、血糖値が上がって体温が上昇するので、体が目覚めます。とくに脳は、ごはんやパン、麺類に含まれるブドウ糖をエネルギー源としているため、朝食を抜くと元気に1日をスタートさせることができません。文部科学省が小・中学生へ行なった「全国学力・学習状況調査」、「全国体力・運動能力、運動習慣調査」によると、朝食を毎日食べる習慣がある子どもの方が、学力と体力の成績が良い傾向にあることが分かっています。朝食をきちんと食べて、朝からしっかり体を目覚めさせましょう。

 

◇めざましデータBOX(農林水産省)

http://www.maff.go.jp/j/seisan/kakou/mezamasi/about/databox.html

 

時短を目指すなら、1週間分の朝食献立を立てましょう

みなさんは、朝食の献立はどのように決めていますか?朝から「一汁三菜」は用意できなくても、以前ご紹介した「食事バランスガイド」でいう「主食・主菜・副菜」を組み合わせて、バランスの良い食事を心掛けましょう。おすすめの和食献立の立て方は、主食に「ごはん」、副菜に「具だくさん味噌汁」を基本と決めて、主菜の「献立キーワード」を考えます。決めた献立キーワードに合わせて付け合わせをプラスしたり、主食を変更して1週間分の献立表を作りましょう。それを毎週ローテーションさせると、献立に悩んだり慌てることもなく、バランスの良い朝食が日替わりで食べられますよ。それでは、献立パターンのヒントをご紹介します。

 

ヒント1「納豆」の日

今回の献立は、小学校低学年(6〜9歳)を対象に考えていきます。この年代の食事量は1日で、主菜4〜5つ、副菜5〜6つ、主菜3〜4つ、牛乳・乳製品2〜3つ、果物2つを目安として考えるので、そのうちの朝食分を献立例としてご紹介していきますね。

 

【バランス献立例1:納豆】

ごはん中盛り1杯(主食1.5つ)、もずく酢(副菜1つ)、納豆(主菜1つ)

※野菜が少ない汁物は、副菜1つの基準に該当しないためカウントしません

 

調理をしないでそのまま食べられる「納豆」は、朝食作りの強い味方ですね。主食にごはん、副菜に具だくさん味噌汁を基本とすれば、主菜は納豆だけで献立が完成してしまいます。ですが写真のような、野菜がほとんど入っていない汁物や、インスタントの味噌汁の場合は、食事バランスガイドでいう副菜1つに該当せず、水分補給の位置付けとなります。そのような場合は、もずく酢をプラスしましょう。納豆ともずく(海藻)には、LDLコレステロール値を下げる働きがあり、動脈硬化を予防すると言われています。どちらも積極的に食べたい食品です。

 

ヒント2「魚の缶詰(サバの味噌煮)」の日

【バランス献立例2:魚の缶詰】

ごはん中盛1杯(主食1.5つ)、具だくさん味噌汁(副菜1つ)、サバの味噌煮1/2缶(主菜1つ)

※魚に添えた大根おろしと大葉は、副菜1つの基準に該当しないためカウントしません。野菜を摂る目的で別皿に盛り、大量(70g以上)に食べる場合は副菜1つとカウントします

 

ツナ缶やサバの味噌煮缶などの「魚の缶詰」は、買い置きしておくといざという時に便利ですよね。味付きのものは塩分が多いため、そのまま食べるのではなく野菜などと組み合わせて使うようにしましょう。写真はサバの味噌煮缶を使用しています。大根おろしを添えると、さっぱりと食べられておすすめです。

 

ヒント3「豚汁」の日

【バランス献立例3:豚汁】

「ごはん中盛1杯」または「おにぎり小2個」(主食1.5つ)、磯辺餅2個(主食1つ)、豚汁(副菜1つ、主菜1つ)

※漬物や海苔は、副菜1つの基準に該当しないためカウントしません

 

「豚汁」は野菜とお肉をしっかり食べられて、体も温まるのでこれからの季節におすすめです。冷凍野菜を使えば短い時間で火が通り、煮ている間にほかの調理ができるので、時短にもなりますね。白いごはんだけでは食が進まない場合は、「漬物」「海苔」「ふりかけ」をプラスしたり、主食を「おにぎり」や「磯辺モチ」に変更するといいですよ。

 

ヒント4「卵焼き」の日

【バランス献立例4:卵焼き】

「ごはん中盛1杯」または「おにぎり小2個」(主食1.5つ)、磯辺モチ2個(主食1つ)、具だくさん味噌汁(副菜1つ)、卵1個分の卵焼き(主菜1つ)

※大根おろし、味付きなめ茸、漬物、海苔は、副菜1つの基準に該当しないためカウントしません。

 

「卵焼き」は、火の通りが早くすぐできるので、朝のおかずにぴったりです。写真は、卵焼きに大根おろしと市販の味付きなめ茸を乗せています。卵焼きが主菜の場合、こちらも「漬物」「海苔」「ふりかけ」をプラスしたり、主食を「おにぎり」や「磯辺モチ」に変更するのがおすすめです。

 

ヒント5「厚揚げ豆腐」の日

【バランス献立例5:厚揚げ】

「ごはん中盛1杯」または「おにぎり小2個」(主食1.5つ)、磯辺モチ2個(主食1つ)、もずく酢(副菜1つ)、厚揚げ40gの味噌汁(主菜1つ)

※味噌汁、漬物、海苔は、副菜1つの基準に該当しないためカウントしません

 

大豆製品は、血液中の脂質を下げやすい食品のため、1日に1回は食べるように心掛けましょう。「豆腐」は味噌汁に入れると、朝はお手軽ですね。「厚揚げ豆腐」は油で揚げているので、絹ごし豆腐や木綿豆腐と比べてカロリーが高いぶん、腹持ちが良くなります。写真は厚揚げとホウレンソウの味噌汁です。野菜が少ないため、もずく酢を付けています。こちらも「漬物」「海苔」「ふりかけ」をプラスし

たり、主食を「おにぎり」や「磯辺モチ」に変更するのがおすすめです。

ヒント6「のっけ丼(シラスと焼鮭)」の日

【バランス献立例6:のっけ丼】

ごはん中盛1杯(主食1.5つ)、具だくさん味噌汁(副菜1つ)、しらすと焼き鮭各15g程度(主菜1つ)

※とろろと大葉は、副菜1つの基準に該当しないためカウントしません

 

「シラス」や市販の「焼鮭のほぐし身」などは、主菜になる食品です。ごはんの上に乗せて丼にすると、食べやすくてお手軽です。塩分が多いため、とろろと一緒に混ぜて食べるのがおすすめです。

 

ヒント7「残り物おかず」の日

【バランス献立例7:残り物おかず】

ごはん中盛1杯(主食1.5つ)、具だくさん味噌汁(副菜1つ)、豆アジ3尾約40gの南蛮漬け(主菜1つ)

※南蛮漬けの野菜は少量で、副菜1つの基準に該当しないためカウントしません

 

前日の残り物の「ショウガ焼き」や、お弁当の残り物の「焼き魚」など、余った主菜を朝食で食べる場合もあるため、献立キーワードとしておきました。基本のごはんと具だくさん味噌汁を付ければ、献立が完成しますね。また、残り物が「野菜の煮物」や「和え物」だった場合は、具だくさん味噌汁と置き換えて、主菜を別の献立キーワードのなかから選びましょう。

 

おすすめの、和食と洋食献立の比率って?

「和食」は、日本人の伝統的な食文化として、2013年にユネスコ無形文化遺産に登録されました。登録理由の1つに、健康的な食生活を支える栄養バランスが挙げられています。ですが、あえて和食のデメリットを挙げるとしたら、「塩分の摂りすぎ」と「慢性的なカルシウム不足」があります。そのため、塩分は控え目を心掛け、牛乳やヨーグルトなどの乳製品でカルシウムを補える「洋食献立」を取り入れてもいいでしょう。

 

食事バランスで大切なことは、1日のトータルバランスです。和食と洋食のどちらかに偏らない献立が理想的です。食事バランスガイドを参考に、各家庭らしさのある献立をあらかじめ立てておけば、朝食作りが楽になりますよ。ご紹介した献立だと、バランスガイドのコマの「果物」の区分が埋まらないので、朝食に季節の果物を添えても良いですね。また果物は、生活習慣病予防のため夕食以外で食べるようにしましょう。次回は洋風の朝食献立についてもご紹介しますので、そちらもぜひご参考にしてくださいね。

 

「和食」がユネスコ無形文化遺産に登録(農林水産省)

http://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/ich/index.html

 

 

chika(管理栄養士)

小さな頃から食べることが大好きで管理栄養士の道へ。老人ホームでの献立作成、デパ地下のお弁当やお惣菜のメニュー開発、健康に関する保健指導をこれまで経験してきました。まだまだ勉強中の新米主婦ですが、みなさまのくらしに役立つ情報をお伝えできればと思っています。