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【整理整頓を始めよう37】「もったいない」という言い訳が、もったいない!
2016年 6月 30日 06:30
2004年にノーベル平和賞を受賞したケニア人女性ワンガリ・マータイさんが、「MOTTAINAI〜もったいない〜」という日本語を世界に発信して注目を集めました。今回はこの「もったいない」と整理整頓の関係を考えたいと思います。私たちは食事や片付けの場面で、多くの「もったいない」を祖父母や両親から注意されてきたのではないでしょうか。さて、この「もったいない」という言葉、日本人の美徳とされていますが、一方で整理整頓の足を引っ張る「最も強力な言い訳」として使われています。無意識に使っているその「もったいない」、果たして自分への言い訳になっていませんか?
「もったいない」の意味
「もったいない」は、広辞苑(第6版・岩波書店)にこう記されています。
- 神仏・貴人などに対して不都合である。不届きである。
- 過分のことで畏れ多い。かたじけない。ありがたい。
- そのものの値打ちが生かされず、無駄になるのが惜しい。
日本では古来より「すべてのものに神が宿る」と考えられていて、捨てることは神様に対して不届きであり、畏れ多いこと、罰当たりなことでした。時代は流れ、物が溢れかえる現代の日本では、この「もったいない」が、家の中を不要な物で埋め尽くす要因の一つになっています。
「まだ使えるから、もったいない」の功罪
先祖から代々刷り込まれた「もったいない」は、私たちのなかに脈々と受け継がれています。整理整頓のお手伝いの際、明らかに使っていない埋蔵品をあえて「これ、どうしますか?」と聞くと、必ずと言っていいほど「まだ使えるし、もったいないから、今は捨てません」と返ってきます(笑)。捨てずに家の中にある日用品は、ほとんどが「使える物」ばかりですから、「整理」の判断基準を「使える」か「使えない」かにすると、一向に物は減りません!判断基準は「今の私が使っているか」であって、過去や未来の私ではありません。「まだ使えるからもったいない」は、判断を先送りにしたい今の自分への言い訳、誤魔化しの言葉です。
1年間「もったいない」を封印してみよう
ここで私からの提案です。整理整頓の考え方はもうみなさんお分かりだと思うのです。あとは「やるかやらないか」しかありません。その実践として、今から1年間、「もったいない」を一切封印してみませんか?「もったいない」の3つの意味すべてを封印し、今使っていない物を処分していきましょう。以前も書きましたが、家の中の物の8割は、不要な日用品や実用品だと言います。1年間、全ての「もったいない」を封印して不要な物を処分したとしても大丈夫。むしろ少々荒業に見えるぐらいがちょうどいいはずです。
「無駄」が一番もったいない
「もったいない」を封印していくと、大切なことが見えてきます。それは、整理整頓をしないで「無駄にしていること」が一番もったいないということです。
- 不要な物をしまっているスペース
- 探し物をしている時間
- 安い!を理由にした無駄遣い
- 片付かない部屋を眺めイライラする心
- 「もったいない」と言い訳して不要な物を溜め込んでいる生活そのもの
- 変わりたいのに変わろうとしない自分
あなたの人生を無駄にしないために、「もったいない」の言い訳をやめていきましょう!