老師オグチの家電カンフー

まだテプラの裏紙で消耗してるの? 専用ハーフカッターを買ってみた

カンフーには広く「訓練を積み重ねる」といった意味があります。「老師オグチの家電カンフー」は、ライターの小口覺が家電をネタに、角度を変えてさらに突き詰めて考えてみるコーナーです
現在使用している「テプラ PRO SR150」。2011年発売のモデルだが、裏紙が剥がしにくいことを除きとくに不満はない

毎日フツーに生きているだけで、無数のストレスにさらされます。スマホのどうでもいい通知から、仕事や人間関係のあれこれ、スーパーで自分が並んだレジの進みが遅いなど、ひとつひとつは小さくても、積み重なると人生に疲れを感じてしまうので要注意です。流行りのマインドフルネスで淡々とやり過ごしたり、各種のライフハックや最適化で解決しておかないと、蓄積したストレスで感情が爆発し、人生を台無しにするような事件を起こしてしまうかもしれません。

今回のイライラは、テプラの裏紙です。テプラといえば、キングジムから発売されているラベルライターの王者ですが、ラベルの裏紙がすこぶる剥がしにくいのです。毎回、「イーッ」ってなる。ツメで剥離しようとしてもラベルの端が折れて貼ったときに美しくないし。とはいえ毎日の作業でもないので、これまで抜本的な解決策を求めてはきませんでした。

ツメに力を入れて剥がそうとすると、端が折れがち。貼ったときに美しくないし、剥がれやすそうですよね

日常的な家事であれば、生産性や快適性に直結するので、家電を新しく買ったりするじゃないですか。時給換算もしやすいし。たとえば毎日30分間食器洗いをするなら、1年間で182.5時間。時給1,000円とするなら182,500円。だったら、食洗機を買おうか、みたいな。

それに比べればラベルの裏紙剥がしにかかる時間やストレスなど些細です。とはいえストレスには違いないので解決策を探ってみたところ、テプラ用「ハーフカッター」なるアイテムがあることがわかりました。ラベルの印刷面にスリットを入れて裏紙を剥がしやすくする専用のハサミです。これ以外の使い道はないのですが、使ってみると裏紙剥がしのストレスがゼロ。発売日を調べたら2004年2月20日。そんな前からあったのか、もっと早く買えばよかった。

購入価格は1,336円だったので、食洗機のように時給換算ですぐに元を取るのは難しそうです。ただ、時間効率ではなくストレス軽減のためと考えればどうでしょう。1回のイライラ解消に10円出すと思えば約130回分、50円出すという人なら27回分。ストレスで人生を壊す可能性を考えたらプライスレスです。

これが「テプラ ハーフカッター RH24」。Amazonにて1,336円で購入した

ちなみに、他社のラベルライター用テープには、最初から剥がしやすいよう裏紙にスリットが入ってる製品もあります。やっぱテプラはキングの事務だけあって殿様商売なん? そう文句も言いたくなりましたが、調べたら最新のテプラProにはハーフカッターの機能が内蔵されているらしい(よって殿様商売発言は撤回いたします)。パソコンと接続しても使えるし、ハーフカッターを買う前に知ってたら買い替えたかもしれないのになぁ。

ラベルの端をハーフカッターに差し込んでレバーを押すと、ラベルの印刷面にスリットが入って剥がしやすくなる
裏紙剥がしのストレスがなくなり、整理整頓が捗る!
小口 覺

ライター・コラムニスト。SNSなどで自慢される家電製品を「ドヤ家電」と命名し、日経MJ発表の「2016年上期ヒット商品番付」前頭に選定された。現在は「意識低い系マーケティング」を提唱。新著「ちょいバカ戦略 −意識低い系マーケティングのすすめ−」(新潮新書)<Amazon.co.jp>