老師オグチの家電カンフー

炭酸水メーカーでコンビニワインをスパークリングする

カンフーには広く「訓練を積み重ねる」といった意味があります。「老師オグチの家電カンフー」は、ライターの小口覺が家電をネタに、角度を変えてさらに突き詰めて考えてみるコーナーです
(左から)「ヨセミテ・ロード スペシャル・セレクション シャルドネ」「ヨセミテ・ロード シャルドネ」「アンデスキーパー ソーヴィニヨン・ブラン」。炭酸水メーカーは「ドリンクメイト シリーズ620」

コロナ以降すっかりなくなったもののひとつが、レセプションパーティー。商品のお披露目などで開かれるパーティーで、立食形式が多いです。レセプションとは、受付、歓迎、歓迎会など複数の意味があるようで、もととなるのは動詞のレシーブ(受け取る)だとか。

そのレセプションパーティーで振る舞われるのが、細いグラスに注がれたスパークリングワイン。最初に口を付けるお酒であり、パーティーにおける受付的な立ち位置のお酒と言えるでしょう。個人的には、飲みやすくって好きです。とりあえず生(ビール)のように、最初は泡のお酒が好まれるのでしょうか。久しくレセプションパーティーに呼ばれることもなくなり、ふと飲みたくなったので、自宅でスパークリングワインを作ってみました。

使用したのは炭酸水メーカー「ドリンクメイト」。普段はハイボール用途で活躍している炭酸水メーカーですが、「ドリンクメイト」は水以外の飲料にも炭酸を注入できるのが特徴です(※一部機種除く)。つまり、普通のワインをスパークリングワインに変えられます。

ちなみに、スパークリングワインといっても製法には複数あり、発酵の段階で炭酸ガスを放出するタイプのワインを瓶に詰めてからも発酵を進めるもの(シャンパン方式)、その2次発酵をタンクの中で進めてから瓶詰めするもの(シャルマ方式)、そして普通のワインに人工的に炭酸ガスを注入する方式などに分けられます。レセプションパーティーで振る舞われるのは、どうやら最後のタイプが多いらしいですね。

というわけで、さっそくコンビニ(セブンイレブン)に行ってきました。セブンイレブンは、やけにワインが充実しているのですが、購入したのはPB「セブンプレミアム」の3種類。

・「アンデスキーパー ソーヴィニヨン・ブラン」(チリ) 500ml 280円/750ml 388円(税別)
・「ヨセミテ・ロード シャルドネ」(アメリカ) 750ml 570円(税別)
・「ヨセミテ・ロード スペシャル・セレクション シャルドネ」(アメリカ) 750ml 980円(税別)

「ドリンクメイト」を水以外の飲料で使う場合、1回で作れるのは350mlと水よりは少なくなります。ボトルにインフューザーなるパーツを取り付け、本体に装着しガス注入ボタンを押し込むと、激しくワインがかき回されて泡だらけに。少し落ち着かせ、インフューザーでガス抜きをしたら外してグラスに注げるようになります。

350mlの線まで入れて本体にセット
炭酸濃度を選び、ガス注入ボタンを押し下げると
勢いよく炭酸ガスが注入されボトル内が泡だらけに
インフューザーのレバーを動かしてボトル内の余計なガスを抜く。これが不完全だと開けたときに中身が吹き出てしまう

最初に試したのは、3つの中では中級の「ヨセミテ・ロード シャルドネ」ですが、まさにレセプションパーティーで振る舞われるあのスパークリングワインの味になりました。上級のスペシャル・セレクションでは、ちょっとコクが感じられます。正直、一番安い「アンデスキーパー ソーヴィニヨン・ブラン」と「ヨセミテ・ロード シャルドネ」の差はそれほど感じられませんでしたが、家人は一番安いのが飲みやすくて美味しいとの感想でした。お安いワインでもスパークリングにすれば楽しめるというのは、新たな発見です。

しかし、またレセプションパーティーにお呼ばれされるような時代に戻るといいですね。それまでは、ボクシングの練習のように自宅でパーティーを想像しながらスパークリングしてますよ。ボクシングはスパーリングか。

見た目、味ともレセプションパーティーで振る舞われるスパークリングワインに!
赤ワインでも試してみました。白ワイン以上に個性が出るので楽しい
小口 覺

ライター・コラムニスト。SNSなどで自慢される家電製品を「ドヤ家電」と命名し、日経MJ発表の「2016年上期ヒット商品番付」前頭に選定された。現在は「意識低い系マーケティング」を提唱。新著「ちょいバカ戦略 −意識低い系マーケティングのすすめ−」(新潮新書)<Amazon.co.jp>