老師オグチの家電カンフー

リモートワーク必携「ON AIR」ランプをワイヤレス化してみた

カンフーには広く「訓練を積み重ねる」といった意味があります。「老師オグチの家電カンフー」は、ライターの小口覺が家電をネタに、角度を変えてさらに突き詰めて考えてみるコーナーです
Alfoto「ON AIR サインランプ」。購入価格1,450円(Amazon.co.jp)

手術室の扉が閉められ「手術中」の文字が点灯する。ドラマでは誰もが見たことがあるシーンではないでしょうか。ランプの色は重要度の高さを表す赤。立ち入り禁止、不安と緊張の時間、プロの仕事が開始された合図です。そして、もうひとつプロの仕事中を示すランプが「ON AIR(放送中)」。こちらも立ち入りの制限を伝える標示ですが、当然「手術中」よりはポップですし、英語ならではの格好良さもあるので、インテリアグッズとしても販売されています。

リモートワークの波によって、この「ON AIR」ランプが一般家庭でも実用アイテムとして使われる時代になりました。というのも、自宅でオンラインミーティングしているときに、子どもが乱入してきたり、配偶者に声を掛けられるといった事故が頻発。取引先に笑われる、会社での威厳が損なわれる可能性が生じているからです。まぁ、「ママー、おやつ食べたい!」なんて声が聞こえてくるのは、微笑ましいんですけどね。当事者にとっては、手術中に大出血して血圧低下したときのお医者さんほど焦るのか、「向こうに行ってなさいッ!」と声を荒らげたりして。皆さん大変です。

そんな事態を避けるべく、オンラインミーティング中を表す「ON AIR」ランプを導入することに。乾電池とUSB電源の両方に対応した製品を購入したのですが、これを部屋の中からワイヤレスで点灯させられるようにしました。

単三形乾電池のほか、USB(Type-C)給電にも対応している

USB給電のIoTアイテムを使うことも考えましたが、設置場所がドアなので配線はしたくない。そこで思いついたのが、玩具などをスマホからBluetooth経由でコントロールできる乾電池型のアイテム「MaBeee(マビー)」を使う方法です。MaBeeeは、中に単四形乾電池を入れると、ワイヤレスでオンオフ操作できる単三形乾電池として使えるのです。

スマホで乾電池をコントロールする「MaBeee(マビー)」。オリジナルモデルとスクラッチモデルの2種類があるが、安かったので後者を購入した
中に単四形乾電池を入れて使用する

これで、急に始まったオンラインミーティングでも、手元のスマホから「ON AIR」ランプを点灯させられるようになりました。IoTというレベルではなく、単純にLEDをつけたり消したりしているだけなのですがテンションが上がるのは、やはり放送局っぽさ、プロっぽさのイメージがあるからでしょうか。夜な夜な「ON AIR」をオンにして、Clubhouseでダベってます

スマホのタップでつけたり消したり
ワイヤレスになっただけなのに楽しい……
スマホを振る、近づける、傾ける、声を出すなどのアクション操作やタイマー設定も用意されている
自室の扉に取り付ければ気分は放送局(笑)

【写真削除】初出時、写真で単三電池と単四電池を混在して使用する形を紹介していましたが、正しい使い方ではなかったため、該当写真を削除しました(2月19日/編集部)

小口 覺

ライター・コラムニスト。SNSなどで自慢される家電製品を「ドヤ家電」と命名し、日経MJ発表の「2016年上期ヒット商品番付」前頭に選定された。現在は「意識低い系マーケティング」を提唱。新著「ちょいバカ戦略 −意識低い系マーケティングのすすめ−」(新潮新書)<Amazon.co.jp>