藤原千秋の使ってわかった! 便利家事アイテム

平たくて邪魔にならない除湿剤 ズボラと相性よし

家事アイテムオタクなライター藤原千秋が、暮らしの不具合等々への現実的対処法とともに、忌憚ないアイテム使用感をご紹介していく連載記事です
「ドライ&ドライUP 黒のNECO 1000ml」

いわゆる水取り、「置き型除湿剤」というものを生まれて初めて見たのは1990年、もう36年も前のことになる。

筆者が高校時代の部室棟は構内雑木林沿いに建つ簡素なブロック造。2階は乾燥した灼熱の窯、1階はひたすら湿気の溜まったカビの国。

所属部活の部室は1階で、特に陰気な木陰部分にあり、年中ジメジメしていた。この部室の湿気を取らんと、当時安からぬ除湿剤がわずかな部費から贖われ続けていた。

この「置き型除湿剤」なる存在を初めて見知った筆者。諸先輩方における絶大なる信頼ぶりに「へえ」と感心しつつ、だんだん疑念を抱くようになる。

というのも、狭い部室でも畳でいえば5畳ほど。2.5m程度の天井高があり、つまりその空気の体積は概算20mm3

例えば気温26℃で相対湿度75%の日であれば、この部屋の中の水分量はおよそ360mlになる計算だ。

一方、除湿剤の吸湿量は500mlほどで、これが複数あっても面白いほど、あっという間にタプタプになってしまうのだ。

(……無駄では?)

そもそもドアや窓の開閉で常に外気が入るし、この狭い空間に無理矢理10人ほど入り込んで無意味にUNOなどに興じる日々。そんな育ち盛り高校生の、呼吸や汗からの湿気も常に供給過多なのだ。

(……気休め?)

さて、それから十数年が経ち大人になってこの仕事をするようになってから筆者は知った。

そもそもこの手の、塩化カルシウムの「置き型除湿剤」とは、扉のついた押入れやタンス、せいぜいウォークインクローゼットくらいの空間に置いて使うべきものなのだということを。


(……ですよね!)

でも同時に、「自室のベッド下」とかに漫然とこれを置いている人が案外多いことにも気づいていたのだった。

と、前置きが長くなったが(長すぎる)この白元アース「ドライ&ドライUP 黒のNECO 1000ml」は、通常商品のほぼ倍量の水分を吸湿する、どデカサイズである点がとにかく白眉である。

一般的な商品を使うのに比べ半分の交換頻度で済む。ズボラと相性がいい。

個人的には、この“塩カル系置き型除湿剤”は、住まいの場の湿度確認の意味で設置していることが多い。逆説的だが、換気や除湿が行き渡っている部屋の収納ほど、置き型除湿剤には水の一つも溜まらず何年も置きっぱなしになることになるためだ。

柔らかいケースで、水が溜まるほどにムクムク大きくなるしくみもユニークな「黒のNECO」。平べったく邪魔にならないので、そんな「湿気センサー」ニーズにも合致している。また廃棄の際にも溜まった水を流しに捨てたら小さく折りたためる。「嵩張らない」というのも時流に合致する。

とはいえ繰り返すが、「置き型除湿剤」とは、部屋の湿気を劇的に消し去る魔法の道具ではない。

「このタンス、こんなに湿っていたの?!」といった住まいの癖を可視化する、いわば小さな観測器なのである。

塩化カルシウムと活性炭を使っている
水が溜まるほどにムクムク大きくなるしくみ
藤原 千秋

主に住宅、家事、育児など住まい周りの記事を専門に執筆するライターとして20年以上活動。リアルな暮らしに根ざした、地に足のついたスタンスで活動。現在は商品開発アドバイザリー等にも携わる。大手住宅メーカー営業職出身、10~20代の三女の母。『この一冊ですべてがわかる! 家事のきほん新事典』(朝日新聞出版)、『ズボラ主婦・フニワラさんの家事力アップでゆるゆるハッピー‼』(オレンジページ)など著監修書、マスコミ出演多数。