藤原千秋の使ってわかった! 便利家事アイテム
ハンカチ×エコバッグの天才的な融合! ポッケから取り出しやすくてイイ
2024年12月17日 09:05
社会全体の要請のような空気感で、ものごとの「当たり前」が目まぐるしく変化した数年だったように思う。
この間に一度消えて、戻ってきたものにトイレの「ハンドドライヤー」がある。
消えていた期間、世間ではハンカチの出番が急増したのでは。もともと筆者はあまり出先のハンドドライヤーが好きではないので使わず、トイレの後はもっぱらハンカチ派であったのだが、この間、何となく足りない感じがして、買い足したりした。
そして時をほぼ同じくして社会の要請的に世の中からレジ袋が激減し、皆エコバッグを持つようになった。
エコバッグも、元々持ってはいたけれど、何だかんだで買ったり貰ったり増えていった。総じてほんとにエコなのかよくわからない部分はあるのだが、ないよりあったほうが良さそうなものの筆頭が、今時のエコバッグというものだ。
しかし空気は常に流れ、「当たり前」もどんどん変わっていく。
先日、急にものすごく冷え込んだ日に飛び込んだ新宿某ビルの女子トイレは長蛇の列でハンドドライヤーも稼働しっぱなしだった。例の小用音消しの水流音が一切聞こえない有様だ。
そして魚の汁が漏れてエコバッグに染みたのに懲りた家族は、3円や5円でレジ袋を買うことを躊躇わなくなり、わが家にはレジ袋が続々と溜まっていくのだった。
さてそんな昨今、一言でいえば「必要だけど、案外使わないもの」の双璧をまとめた商品がこれである。ハンカチエコバッグ。誰が考えたんだろう。天才かな。
そう、「必要だけど、案外使わないもの」でありつつ、「あればあったで役に立つ」。ハンカチも、エコバッグも。
「何だこれ」と手に取り、興味本位で使い出した筆者は何となくこの「ハンカチエコバッグ」をハンカチとしてポッケに入れて出かけた先で、片方の肩にかけたリュックのバランスの悪さと両手にバラバラに持った弁当と飲み物との狭間で二進も三進も行かなくなっていた。
その時にはっと気づいた。手提げ、あるじゃん。そういえば。
トイレで手を拭いた後だとやや抵抗があったかもしれないが、幸い乾いたままのハンカチだったので、ふらふら取り出して広げて飲み物を放り込み、手首にかけて弁当を平行に持ち直し、ことなきを得た。
このエコバッグがリュックの中にしまわれていたならばこのようにスムーズには事は運ばなかった。ポッケのハンカチだったからできたことだ。こんなことってある? って、あったな、今。
なんだかこういう、よくわからないドッキング発明品に謎めいたロマンを禁じ得ない筆者。願わくばこんな遊び心こそ、世界や社会の要請であれかし!
2024年師走のイルミネーションを見上げながら心から、そう、思った。