藤原千秋の使ってわかった! 便利家事アイテム

気になる電気代、ホットカーペットの熱を逃がさない「省エネシート」

家事アイテムオタクなライター藤原千秋が、暮らしの不具合等々への現実的対処法とともに、忌憚ないアイテム使用感をご紹介していく連載記事です
省エネシート

2023年2月現在から振り返ると、昨年2022年の秋口はまだ、その先に来るだろう電気代の高騰を甘く見ていた。

それでもうすうす「なんか今年はちょっとやばそう」と思っていた筆者は、これまでとは異なる種類のなんかしらの防寒対策を講じねば……と考えていた。

そこで早々に買っておいたもののひとつが床に敷く「省エネシート」なるもので、その理由は手頃な値段で買いやすかったためだった。

約2畳用の省エネシート

これは床暖房のある自宅ではなく、ホットカーペット敷きの仕事場床に使うものである。床からの「底冷え」感というものはいつも季節を先取りしてくる。秋、既にして筆者はだいぶ寒がっていた。

さてこういった「省エネシート」とか「断熱シート」とか呼ばれる床敷き用のシート材という商品自体に、物珍しさは全くない。

だいぶん以前からあるものだし、出どころもいろいろだ。

要はごく簡易的な断熱材。だいたい発泡ポリエチレンにアルミが蒸着されているという単純シンプルな造りである。厚みや面積によって若干値段の高低はあるが、1,000円前後で買える。

筆者が購入したのは厚さ4mm、面積にして2畳といったものであり、小さい。だから正直これを敷いたからといっていきなり「ワッ、お部屋があったかい!」なんていうことには、全然ならない。

仕事場は6畳の部屋で、そこに3畳ほどのホットカーペットを敷いている。そのホットカーペット下の2畳分に、この省エネシートを敷いた。

使ってみてすぐに分かったのは、アルミ面を上にしてホットカーペットの熱を反射させている分、熱が逃げずに素直にあったかい、というごく当たり前な気づきだった。

省エネシートを敷いていない部分に座るとわかるが、ホットカーペットのせっかくのあたたかさは、容易に冷たい床に逃げてしまうのだ。なので、省エネシートの仕事は、すごくわかりやすかった。省エネシート、侮れない。

でもそんなの「道理だよね」とも思う。当たり前だよね。

しかしこういった「省エネシート」なるものを筆者はある意味、舐めてかかっており、これまで、使ったことがなかったのだった。

「そんな効果、当たり前だよね」という「当たり前」の効果が見込まれるものを、そこはかとなく侮って導入しなかった。その心様というのは不思議だ。いろいろとまあ言い訳はできるのだろうけど、なんとなくかっこ悪いから、しないでおこう。

これを敷いたおかげで何円電気代が節約できたか? といった数字は、残念ながらない。

しかしこういうシンプルで単純で道理にあった道具というのは、存外コッソリ試してみる価値がありますよ……と、来年の冬に向けてそっと耳打ちしておきたい(電気代、これ以上高くならないといいですね)。

藤原 千秋

主に住宅、家事、育児など住まい周りの記事を専門に執筆するライターとして21年目。リアルな暮らしに根ざした、地に足のついたスタンスで活動。現在は商品開発アドバイザリー等にも携わる。大手住宅メーカー営業職出身、大1、中3、小5の三女の母。『この一冊ですべてがわかる! 家事のきほん新事典』(朝日新聞出版)、『ズボラ主婦・フニワラさんの家事力アップでゆるゆるハッピー‼』(オレンジページ)など著監修書、マスコミ出演多数。