藤原千秋の使ってわかった! 便利家事アイテム
洗濯物のニオイも汚れも根こそぎ落とす「アタックZERO 部屋干し」
2022年9月27日 07:05
この夏も暑かった。あまりに暑い日が続くので、猛暑にも身体が慣れてしまった。
と思っていたが、気のせいだった。湿度が高いと、ダメだ。気温36℃の猛暑日であっても湿度が40%台ならばカラリとした爽やかさすら感じるのに、31℃でも湿度70%近い日のダメージといったらない。
そしてそんな蒸す日が続いた後の電車の中は、必ずと言っていいほど独特の臭気に満ち満ちている。なんぞ菌由来のわらわらとした気配、見えないものらの跳梁跋扈している様子、醸されてもはや毒ガス、刺激臭。
ところで洗濯といえば9割9分9厘、洗濯機を用いているはずで、9割近くが手近な洗濯用合成洗剤を用いているはずで、それでいて世の中の衣類の仕上がりには、かなりの雲泥の差が生じるのは何故なのか? ということを筆者はよく考える。そしてその差はおそらく、多くの人が「これぞ洗濯」とイメージする「洗濯物を洗濯機に入れ、洗剤を入れて、スイッチを押す」というザックリとしたプロセス外にある細やかな工夫(干し方含む)に依拠しているのだろうというあたりはついている。
ある程度意識して家事(洗濯)に対峙している人なら、まともで持続的な洗濯が「洗濯物を洗濯機に入れ、洗剤を入れて、スイッチを押す」だけでは済まないことを知っているはずだが、世の中洗濯に気をまわしている人ばかりではない。
気を回している人が当たり前に行なっている定期的な洗濯槽清掃、あくまで適量を使用すべき洗剤計量、適宜適量を使用すべき柔軟剤や漂白剤の選定や判断、そして速やかに短時間で干し乾かすという天気と家電を組み合わせた工夫を施す、この一連の作業を滞りなく行なってなお「色褪せ」やら「伸び縮み」やら「毛玉」やらのトラブルが起こりうるのが洗濯だ。
しかしそもそもの洗濯の目的とは、「平素身につけている衣料品に付着した泥砂煤煙花粉塵汗血液体液皮脂排泄物細菌代謝物等による汚れを滞りなく落とし、可能な限り衛生的な状態に整える」ことにあり、それをほぼクリアできていれば洗濯としては及第であるはずなのであるが、「部屋干し臭」が強く出てしまっている状態というのはおよそ目指すべき「衛生的な状態」とはいえないから、問題なのだ。
「せっかく洗ったのに、まだ汚い」から臭い。身も蓋もない
従来品「アタックZERO」ドラム式用を筆者は2019年の発売当初より愛用しており、それで特に不満もなかったのだが「部屋干し Clean Dry」という新商品がこの夏、現れた。パターン化されたイメージ、「部屋干しといえば梅雨」というような時勢でも生活パターンでもなくなっている世情に合わせた商品である。
確かに冬は寒くて外では乾かない、春は花粉が付く、梅雨は雨だ、夏はゲリラ豪雨だ、秋は台風、秋雨だ……そしてその他防犯事情、外出事情等々、年間通して常時部屋干し、屋外に干すほうがもはやレア、といった時代になりつつあるのは体感としてある。
「アタックZERO 部屋干し Clean Dry」は、部屋干し臭の主原因である細菌の繁殖を抑えることに主眼を置いた商品だ。殺菌漂白剤の添加によるものではなく、独自性の強い非イオン性界面活性剤を用いて繊維内の細菌の巣(バイオフィルム)にリーチし、根こそぎ汚れをほじくり落とさんとする。
つまりあれこれ気を回せず、日々ザックリ洗濯せざるを得ない雑な部分を洗剤がカバーしてくれる仕組みなわけで、筆者が試用した限り、よっぽどへんてこなことをしない限りは失敗しようのない洗剤である。従来品からの移行に際しては違和感なく、不満も特にない。
近年、洗濯を「臭い服をいい匂いにすること」だと思っている人が増えている感があるのだが、洗濯の主目的はそこにはない。見えていようがいまいが衣料品の繊維の中には汚れに加えて菌が繁殖しており、それらを落とす(減らす)ことで洗濯物を無臭に近い、「衛生的な状態」に整えることが、洗濯。
という、洗濯の一丁目一番地、すなわちゼロポイントに、あらためて立ち返らせてくれる洗剤なのである。