藤原千秋の使ってわかった! 便利家事アイテム
心配性の災害対策グッズその7「激落ちくん 歯みがきシート」
2019年4月16日 06:00
体力低下、老化のせいか。深夜の高速バスに乗れなくなって幾星霜。
そんな私もかつて若かった頃、まだ20代だった時分には、これらの乗り物はもっと身近だった。青春18きっぷでの移動より、はるかにラクだと思っていた。バスは座席のリクライニングができ、よく眠れたからだ。
ただ、その手の夜間移動中「イケてない」とその頃から思っていたのが、寝入る前の口中の不衛生感だった。私はどうも出先の公衆トイレで歯みがきやうがいを行なうことに抵抗がある。
人によってはトイレ休憩のサービスエリアなどで、素早く歯みがきを済ませてしまうのだろうが、自分にはできない。
眠る前に歯みがきを済ませるという幼い頃から身についてしまった習慣は、なかなか身体的に強固で、不愉快な酸臭がある状態では気持ちが悪くて寝るに寝られないのである。
最近、インフルエンザで病臥したときに改めて、ありありとその感じを思い知った。あまりの熱、頭痛やだるさで、同じ家の中の洗面所まで行くのもしんどいのだが、口の中が嫌で、うかうか寝落ちもできなかった。
そんなときだった。災害対策用品として買い置いていたこの「歯みがきシート」が活躍したのである。
メーカー名 | レック |
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製品名 | 【激落ちくん】歯みがきシート 15枚入 |
価格(編集部調べ) | 242円 |
シートは普通の携帯用ウエットティッシュのようなパッケージに入っている。取り出してもウエットティッシュと寸分変わりない感があるが、これを利き手の人差し指などに巻きつけて口中に入れる。
普段からデンタルフロスに馴染んでいるなら、結構似た感じかも、と思うだろう。指とシートでこしこしと歯の裏表をこすると、ほどよい爽快感が歯を伝いくるのがわかる。こすったところを舌でなぞれば、歯の表面が予想以上にツルツルしているのに気付くだろう。これは、想像しているより、ずっと気持ち良い。
残味が強くないのもいい。要は変な味が唾液に残らないので、「うがいが済んだ、ふつうの歯みがき後」といった使用感で、まったく違和感がないのだ。
実は過日、深夜バスによく乗っていた頃にも類似の商品を使ったことがあったのだが、もっと粉っぽい味で残るものが強く、比較的不愉快な思い出だったために、何十年もこの手のシートを避けて通ってきてしまっていた。
この商品、「激落ちくん」ブランドのメーカーLECは、まさにメラミンスポンジの「激落ちくん」など生活雑貨がラインナップに多く、こういったオーラルケア用品を扱っていることに当初は若干の驚きがあった。
シートはマイクロファイバーによるものらしく、なるほど掃除道具の開発で培われた技術が投入されているのかもしれないと思ったが、使用感はすこぶる繊細で、「道具」感はなかった。
春先は、東日本大震災の記憶が強く、9月と同じくらい災害対策、防災用品の補充などに、私ならずとも気持ちが動く時期だろうと思う。「もしも」のとき、なるべく違和感なくそれらのものを使うためには、日常的にいかに慣れておくかではないかと、食品の備蓄などを含めて考えている。
普段の歯みがきにも、この「シート」の活用を、少し含めてみても良いのかもしれない。