2018年4月23日 06:00
キてるぞ電動アシスト! 電動アシストスポーツ自転車の現在
ここ数カ月、日本の自転車市場でも電動アシストのスポーツ自転車が熱い感じ。スポーツ走行向けの車体にスポーツ走行向けの電動アシスト・ユニットを搭載したアシスト自転車を「e-bike」と呼ぶようですが、筆者も最新のe-bikeの何台かで試走しました。
最新のe-bikeに乗ってみて、共通して感じる印象は「全然違う!」「凄い!」ということです。……って、何が?
たとえば、電動アシスト自転車の代表格であるシティサイクル/ミニサイクルタイプやママチャリタイプ。都内ではコミュニティサイクルや自転車シェアリングとして、電動アシスト自転車を利用できます。あるいはお子さんを2人くらい乗せても急坂をガンガン上がっちゃう電動アシスト自転車も身近です。快適ですよね~アレ。
そういった従来型電動アシスト自転車も、アシスト無し自転車と比べれば「全然違う」し「凄くラク」ではあります。ですが、走りも機構もスポーツ自転車として生まれた電動アシストスポーツ自転車ことe-bikeは、それを大きく超えた走りが可能なんです。速く力強い。高めの速度域で巡航してもラク。従来型の電動アシスト自転車とは別モノという印象です。
パナソニックのXM1は2017年9月1日発売で、ほかは2018年発売。大手メーカーが続々と本格的なe-bikeを発売! 試走すると速いわ力強いわで「電動アシスト自転車の新ジャンルが動き始めた!」ということを実感させられます。自転車に興味がある方が乗れば、た~ぶ~ん~、一発で魅了されるハズ。機会があればゼヒ試乗を!
さておき、ここでは現在注目度の高いe-bikeをザザッとご紹介。「これいいな~」と思える車種があったら、ぜひ試乗して、思わず買っちゃって、最新e-bikeとともに新しい生活を!
どっちもイイぞ! MIYATAの「CRUISE」と「RIDGE-RUNNER」
まずはMIYATA自転車の最新e-bike×2車種から。クロスバイクタイプの「CRUISE(クルーズ)」とMTBタイプの「RIDGE-RUNNER(リッジランナー)」です。
筆者は両方とも試乗済み。どちらも非常に完成度の高いe-bikeという印象です。
どちらもシマノのSTEPS E8080という電動アシストコンポーネントを搭載しているんですが、共通するのは非常に自然なアシスト感です。走り始めにペダルを踏み始めるとスッとアシストが始まり、そのまま巡航スピードまで一気に加速。日本の法律上、速度24km/h超えるとそれ以上はアシストが加わりませんが、そのアシストオフの瞬間も「いつアシストが終わったの?」という感じで極めてスムーズです。
走ってみた感じですが、どちらもスポーツ自転車として十分な剛性と走行時の安定性がありました。ダンシング(立ちこぎ)するような走り方をしても車体の剛性不足を感じませんし、急坂を下りつつスピードを抑えるときも前後輪のディスクブレーキにより安心感のある制動が可能。
また、どちらの車種とも「電動アシスト自転車なので重量がけっこうある」わけですが、同時に「重いはずなのに速い」という感覚。筆者の体感ですと、CRUISEなら25km/h~30km/hの巡航も現実的ですし、RIDGE-RUNNERなら気持ち良く25km/h巡航できる印象です。
試走してみた感じですと、CRUISEは「ポタリング最強!」でありかつ「通勤通学最速!」みたいな。ストップアンドゴーを繰り返す走り方をしても、アシストにより踏み始めがとても軽快。ペダルを2、3、4回と踏むと間もなく25km/hくらいの速度に達します。ポタリング(散歩感覚のサイクリング)で寄り道しながらでも、通勤通学で信号待ちを繰り返しながらでも、走り出しの重さがないですし、すぐスピードに乗ります。ですので、ラクにキビキビ&スピーディーに走れて気持ちいいんですね~♪
RIDGE-RUNNERも同様に、走り始めがラクでスピードにも乗りやすいんですが、何よりイイのは激坂やトレイルの上りにメチャ強いこと。フロント34T×リア11-42Tという「上れるギア」があるのに加えて、低速域でのアシストも強力。これまで頭クラクラ大汗カキカキで上っていた傾斜でも、鼻歌交じりでクリアできちゃってスッゴ~い! 的な。
あとRIDGE-RUNNERはMTBとしての装備もちょっとゴージャスです。手元の操作でシートを上げ下げできるドロッパーシートポストがあるので、トレイルでの下りでシートを一時的に下げて姿勢を低くしたり、あるいは信号待ちで座ったまま両足を地面にベタリと着けることができます。また、手元の操作でフロントサスペンションの動作を固定するロックアウト機構も搭載しているので、悪路やトレイルではサスペンションを使い、スピードを出したい舗装路ではサスペンションをオフにしたフロント&リア・リジッド状態で走ることができます。
どちらの車種も、アシスト距離が長いのも大きな魅力です。そこそこ強いアシスト力を発揮するノーマルモードで100km以上走行可能。ロングライドに使える性能ですが、一方では通勤通学に使っても充電回数が少なくて済むという実用性もありますネ♪
オンもオフも楽しめるハイコスパe-bike、パナソニック「XM1」
それからパナソニックの「XM1(エックスエムワン)」。MTBタイプのe-bikeですが、コンセプト的には「トレイルまでの舗装路を軽快に走っていって、山に入ったらグイグイ上ってスイスイ下る」みたいなイメージです。細かく見ていくと、やや高級なパーツが使われつつも、価格が抑えられているあたりもイイ感じです。
これも試走しました。XM1の試走についてはこちらの記事に詳しくレポートしたのでお読みいただければと思いますが、このe-bikeもイカシてます!
イメージとしては、MTBとクロスバイクの中間みたいな感じ。クロスバイク的に街中をスイスイ走ることもできますし、トレイルの急坂をグイグイ上るのも得意。ロードバイクについていくようなギア比ではないですが、25km/h以上で巡航できるあたりアスファルト上での走行も爽快感があります。
2017年9月1日発売ということですが、発売後かなり売れ行きを伸ばしているそうです。なので、市場に流通している車体も多め。試走できるショップなども少なくありませんし、e-bikeの良さを多々持つ車体なので、興味があればぜひ試乗してみてください♪
ヤマハからは4車種も発売されるッ!!!
電動アシスト自転車メーカーとしてもお馴染みのヤマハからは、e-bikeが4車種も新発売されます。具体的にはヤマハ「YPJシリーズ」で、従来からの2車種に加えて、新たに「YPJ-XC」、「YPJ-TC」、「YPJ-ER」、「YPJ-EC」が加わりました。2018年6月11日(月)から発売予定です(YPJ-XCのみ2018年7月18日(水)発売予定)。
詳細は各リンク先をご覧いただきたいと思いますが、共通点はヤマハ独自の「オイシイ仕様」です。たとえば、どのe-bikeも標準走行モードのスタンダードモードでのアシスト距離が100km以上。あるいは、給電用USBポートがあり、アシスト用バッテリーからスマートフォンなど一般的なUSB充電対応機器への充電が可能です。MTBタイプを除く3車種は、アシスト用バッテリーを利用したLEDライトを搭載。自転車として、4車種とも3サイズ展開で、小柄な女性から背の高い男性までに対応しているのもナイスです♪
しかしまあ、細かく見れば見るほど「ヤマハの本気度」が感じられる新型×4車種です。以下、4つの新車種をザッと見ていきましょう。
やべえ! 4台のスペックを見つつ記事書いてたら、「YPJ-XC」が急激に欲しくなった! さらに「YPJ-ER」も欲しい! アシストなロードって乗ってみたい! いやいや日常遣いに現実的なのはやっぱりクロスバイクタイプの「YPJ-EC」あるいはキャリアも泥よけも使える旅仕様バイク「YPJ-TC」か!? と、どの車種も非常に魅力的です。
ともあれ、今年2018年は日本のe-bikeが「キてる」感じ。試乗すると「すでに完成度が十分高い」と感じられる「走り」をします。一度乗ると急激に欲しくなるe-bikeですが、ホントにイイので機会があればぜひ試乗してみてください♪