フランスほのぼの暮らし

フランスママに学ぶ「子どもの発表会のパパママ事情」日本との違いに注目

年に数回、幼稚園や学校、習い事などで発表会があり、両親揃って参加する人が多くいます。今回は、フランスの「お遊戯会でのパパママ事情」をご紹介します。フランスと日本のパパママ事情を比べてみると、いろいろな違いが見えてくるはずです。

 

フランスでは、発表会もお遊戯会も保護者のために夜に開催

フランスでは、幼稚園といえども、発表会やお遊戯会は、保護者のため夕方遅くや夜から始まることが多く、金曜日や土曜日の夜が一般的です。夜の開催でも、下に小さい子どもがいる家庭では、赤ちゃんを連れて見に来る人が多くいます。平日の昼間に発表会が行なわれることはなく、また週末の夜なので、ダラダラとお酒を飲みながら、周囲のママやパパとおしゃべりし、我が子の晴れ姿を堪能します。

 

発表会やお遊戯会には、夫婦で参加

ヨーロッパはカップル社会なので、子どもの発表会やお遊戯会には、会社を休んででも夫婦で参加します。離婚していても、子どもの行事には、元夫婦が新しいパートナーや異父母兄弟姉妹を連れて来る人が多くいます。おまけに、夫婦の義両親や実両親も来ることが多いので、小さな子どもがいれば両親に任せて、自分たちは発表会での子どもの出番に集中します。めったにない機会なので、風邪やインフルエンザでも関係なく出席するので、特にクリスマスの発表会では運悪く病気をもらってしまうこともあります。不思議と「うつるから来ないで」という人はいませんが、実際に自分や我が子が病気になると、陰口を叩きまくるのがフランス人です。

 

幼稚園や学校での発表会は、親が準備や片付けをする

会場準備は、前日や当日の朝から、PTAや手伝える保護者が行ないます。フランスで特に大きな発表会は、幼稚園と小学校で6月に行われる「ケルメス」と呼ばれる学園祭で、学校関係者だけでなく、地域住民も参加できます。前日から、野外ステージやスタンドを組み立てたり、会場の設置や飾り付けを手作業で行なうのです。発表会後の後片付けも同様で、深夜の3時ごろまで及びます。また発表会では、手作りおやつを販売する習慣があり、ボランティアが自宅で作ったケーキやお菓子を販売します。収益は幼稚園や学校の運営資金の1部になります。

 

発表会やお遊戯会では撮影しまくり

フランスのパパママも、我が子の晴れ姿を記念に納めようと、カメラや携帯電話を握りしめて撮影に大忙し。我が子の姿をカメラ越しにしか見ていない人が多いので、撮影せずに我が子を見られるようにと、同じ演目を2度行なうこともあるので、1度目は撮影しまくりでも、2度目は余裕をもって我が子の姿を見られるのも嬉しいところ。フランス人は、我が子以外には興味がなく、自分の子どもを撮れれば満足なので、良い場所にこだわらない人も多く、撮影場所で揉めることもありません。実は、意外にもカメラを忘れる人もいるのです。

 

発表会やお遊戯会では、子どものお化粧もOK

主役・脇役・立ち位置など一切関係なしに、発表会やお遊戯会のときには、子どももお化粧OK。ママが娘にバッチリメイクをしたり、美容院へ連れて行ってヘアセットやメイクをして、気合十分に我が子への愛情度を見せつける人もいます。特に幼稚園の女児は、親が競うために、どの子もプチホステス状態です。単なる歌の発表会で、結婚式用のミニドレスまで着せる親がいますが、周囲に失笑されようが、我が子Loveなので、気にしません。男児の場合はヘアセットしたり、カッコいい服を着せたりします。そんななか、親の服装は普段着の人がほとんどです。

 

ヤジは飛ばさないが、叱咤激励は欠かさない

発表会やお遊戯会でのフランスのパパママは、我が子が出ていないときは興味ないので、静かに見ている人がほとんどです。でも演劇などでは、声が小さい子どもに対して「頑張れ!」「もっと大きい声で!」などの激励を激しく飛ばします。詩の発表会では、言いにくい単語を噛みまくりの子どもに対して、「ゆっくりで良いよ!」とか、正しい単語を客席から教えてくれる親切な人などが、必ず一定数存在します。ダンスが上手にできなかろうが、演劇が下手くそであろうが、コソコソ言うような人はいないのです。

 

フランスでは「賢い子ども」が人気

発表会やお遊戯会で、パパとママの人気を集める子どもは、お顔のかわいさやイケメンさ、お召し物などではなく、賢そうな子どもです。先生の言うことをきちんと理解しているかなどの行動に、3歳児から注目が集まるのが特徴的。というのもフランス人は、お顔については「我が子が一番かわいい」ので、容姿で比べることがないのです。 

 

 

クレモンママ

在仏20年、田舎暮らしを満喫中の小・中・高校生の4児の母。趣味はお花を育てること&散歩。人生は楽しく生きたいタイプ。