フランスほのぼの暮らし
フランスママに学ぶ、親子一緒に楽しむ「ハロウィンの過ごし方」
2017年 10月 2日 07:00
近年、日本でも盛り上がっているハロウィンですが、フランスでも秋のイベントとして楽しまれています。今回は、ハロウィンを親子で一緒に楽しむ、フランスでの過ごし方をご紹介します。ハロウィンの意味も理解すると、より一層楽しめますよ。
ハロウィンは、宗教行事
もともとはアイルランド発祥の宗教行事で、ご先祖様の供養と、秋の収穫祭が一緒になったものと、フランスでは言われています。日本のハロウィンは、アメリカから伝わり、イベントとして広まりました。もとは山手線の車内に、外国人が仮装をして乗り込んでいたのだそうです。仮装好きな人や、子どもとのイベント好きな人に愛され、知名度がアップしていったのですね。フランスでは、ハロウィンは10月31日の午後から夜9時までが定番で、それ以外の日や時間にはあり得ません。それでは、フランスのハロウィンの楽しみ方をご紹介していきましょう。
オレンジ色のカボチャで、ランタンを作る
フランスでは親子で楽しく、ハロウィンには欠かせない、オレンジ色のカボチャで「ジャック・オ・ランタン」を作ります。発祥地のアイルランドでは実はカブで作るので、カブでもOKですが、小さいのでかぼちゃの方が作りやすく、存在感があるでしょう。子どもに中身をくり抜いてもらって、大人が顔を切り抜いて、中へロウソクを入れます。玄関前へ灯すことで、悪霊が家の中に入るのを防ぐ役割があります。同時にハロウィンのお菓子があるよという目印でもあるので、雰囲気だけを楽しんで、お菓子を子どもにあげたくない人は、玄関の中へ飾ります。フランスでは、ハロウィンの前日か、当日に作る家庭が多く、翌朝にはゴミとして処分してしまいます。
親子で一緒にハロウィンのお菓子作り
ハロウィン発祥地のアイルランドで、ハロウィンに欠かせないのが「ソウルケーキ」と呼ばれる、干しブドウ入りのお菓子です。このお菓子は、食べると1年間無病息災で過ごせると言われる、縁起の良いお菓子です。丸くて平らなクッキーのような形をしていることが多いのですが、クッキーでもサブレでも、パウンドケーキでもパンでも、自分の作りやすいものでOKです。表面にナイフで十字のマークを刻み込むか、干しブドウを十字形に並べて焼くのが特徴です。お菓子をもらいに家々を尋ねて来る子どもたちへあげています。またリンゴの収穫時期でもあるので、リンゴ飴を作ったり、リンゴのケーキを作る家庭も多くあります。
子どもたちはお化けに仮装して、訪ね歩く
フランスのチビッ子に人気のハロウィン仮装は、男の子はドラキュラ、女の子は魔女です。ドレスはプリンセスなのに、お顔はゾンビメイクを施している子も多く、当日の午後2時過ぎから、頻繁に可愛いお化けたちが、お菓子を求めて突撃訪問してきます。庭先や玄関周りにハロウィン飾りのある家、お友だちの家のほか、片っ端から無差別で訪問したりと、襲撃方法はさまざまです。チビッ子には保護者が同伴して、必ず挨拶とお礼をさせるのが常識。もらえなくても、お礼を言うのは絶対に欠かしません。小学校高学年からは、友だち同士で訪問を 楽しむようになりますが、必ず1人は保護者が近くに付いています。
ばら撒き用の安いお菓子を準備する
子どものいるママは、ハロウィンが近づくと、キャンディーやお菓子の準備をします。大袋に入った、安いプライベートブランドのキャンディーが一般的で、見栄を張って高いお菓子やキャンディーを準備しないのがフランスママです。焼き菓子を配る人もいれば、庭で採れたリンゴやクルミを配る人などさまざまです。子どものお友だち、顔見知り、知らない子どもで巧みに分けている家庭も多くあります。我が家も、仲良しの子どもと、一般の徘徊している子どもと区別しています。お菓子が余ると、自分たちで食べ尽すので、たくさん買ったり、作ったりしても問題ありません。
他人のアレルギーなんて気にしない
フランスママは、よその子どものアレルギーなんて一切気にせず、お菓子を振る舞います。小さい子どもには、必ず保護者が付いていて、子どもだけで訪問することがないので、あげたお菓子を食べるかどうかの判断は、親にゆだねます。見ず知らずの家を訪問してもらって来たお菓子でも、気にせず食べさせるのがフランスママです。
ハロウィンは仮装大会ではない?
ハロウィンをコスプレや仮装パーティーと勘違いする人も多いのですが、フランスのハロウィンの仮装は、お化けに変身することで、自分をお化けの仲間だと悪霊に認識させ、あの世に連れて行かれないようにするためだとされています。我が子を可愛くコスプレさせるのでなく、ゾンビやドラキュラなどのお化けや、魔女に仕立てて、ぜひ悪霊退治に励んでください。目の周りに貼るタトゥーシールを使うと、可愛いゾンビが出来上がります。日本のハロウィンならば、死に装束を着て、頭に三角巾を着けて路上を徘徊するのも、ハロウィンらしさ満点でおすすめです。ちなみに、大人は家に来る子どもを脅かす以外は仮装しませんよ。