フランスほのぼの暮らし

フランスママに学ぶ、思春期の子どもとの関係で大切な「適度な距離感」

小さいと思っていた子どもたちも、中学生や高校生にもなると体が大きくなり、大人ぶった発言や行動が増えてきますね。今回は何かと親に反抗しがちな、「思春期の子どもの扱い方」をご紹介します。大学生になれば大人扱いもいいですが、その前段階である中学・高校時代の子どもと良い関係を築くために、フランスママは「適度な距離」を大切にしています。

 

子どもが中学生になったら「構い過ぎない」

フランスママは、子どもが中学生になったら、男女問わずあまり構い過ぎないようにします。あれこれ口を出さずに、本人が自分でやるように仕向けて、子どもができないことだけを手伝います。勉強面でも、「宿題をしろ」とか「勉強をしろ」と口出しはしません。そこは自己責任です。また用事があって子どもの部屋に入ることはあっても、掃除や片付けは絶対にしません。子どもの交友関係にももちろん口出しはしないのですが、「相手はどこの誰だ」と興信所なみに確認することは怠らないのもフランスママならではです。

 

お金はむやみに与えず、お手伝いで「子どもが稼ぐ」

子どもが友達と遊びに行くためのお金を要求してきても、フランスママはお金を渡すことはありません。フランスの子どもたちは基本的に、自分で働いて遊ぶためのお金を工面します。働くといっても、場所は家の中や親戚の家など。家の手伝いや、親戚や祖父母の家で手伝い、ベビーシッターなどをして、お小遣いを稼ぎます。お手伝いの内容は、男の子なら家のリフォームや庭仕事などの手伝いや、近所に住む高齢者のお宅の犬の散歩など。女の子なら、家の大掃除や模様替え、ベビーシッターなどが主流です。

 

叱るときは「キッチリ」、親の強さを理解させる

子どもが思春期であろうが、反抗期であろうが、親に悪態をついたり、暴言を放つことは許しません。フランスママは、「誰に向かって言っているんだ!」と、叱るときにはキッチリ叱ることで、親の強さを子どもに理解させます。どんなに子どもの機嫌が悪かろうと、親が子どものご機嫌をとるようなことは絶対にしません。 

 

家族ぐるみで「愚痴大会」、自分の子どもへ直接口出ししない

子どものやることに、つい口を出したくなっても、フランスママは口出しません。子どもに対する不満や愚痴は、ママ友や友人家族を食事に招待して、親子一緒に愚痴大会を開催して発散するのです。自分の子どもの愚痴を言いまくり、ママ友の愚痴も聞きつつ、ついでに相手の子どもの言う愚痴も聞きます。自分の子どもの愚痴は、ママ友が聞いてくれるので、親子ゲンカにならずに済みます。親子一緒に愚痴大会をするので、これがなかなかフェア。お互いにスッキリするんです。フランスでは、定期的にこんな食事会が開催されています。ちなみに子どもが大学生になると、大人と同じ扱いをするので、子どもの扱いに悩むことはなくなります。 

 

子どもの彼氏や彼女、友人は「しっかり確認」

フランスの子どもは、誰かと遊びに行ったり、デートをするとき、必ず相手の名前を親に伝えます。そのため、子どもが誰とどこへ行ったのか分からないことはなく、逆に、親が子どもへしつこく問いただすこともありません。子どもの友だちは名前で認識しているので、SNSで我が子から友人関係をたどって状況を把握するママ率も高いのです。ときには、我が子の友人をFacebook経由で家に招待するメッセージを送り付けることもあり、非常にオープンな関係です。

 

「タバコとお酒」は親に教えてもらう?

我が家の娘も、16歳になりタバコとお酒がOKな年齢になりました。フランスの法定成人年齢は18歳ですが、飲酒は16歳以上OK、喫煙に関しては特に決まりがありません。18歳以下は、お酒やタバコを購入できませんが、親や成人年齢に達した友人が買い与えることは問題ありません。フランスの高校の校門前には、灰皿が設置されていて、休憩時間に喫煙する生徒もいますが、飲食店内は法律で全店舗禁煙ですし、吸い殻の投げ捨てには高額な罰金があるため、フランスの子どもは外よりも家の中でタバコを吸うことが多いです。家での食事会でお酒を飲んだり、親からタバコをもらったりしています。タバコとお酒は、自分の親に教えてもらうのがフランス流です。

 

フランスの子どもは「反抗期がない?」

フランスママは、あまり子どもに干渉しないので、子どもが過度に反抗心を抱くこともあまりありません。また働くママが多く、子どもにベッタリし過ぎることがないので、子どもが思春期で反抗期の最中でも、相手にしないことが多いのです。自分の親に対して腹を立てている場合は、友人の親に愚痴を聞いてもらうことも多く、他人の言うことは意外と素直に聞けたりするから不思議です。フランスでは、夫婦折半で家計が成り立っている家庭が多く、親をバカにしたり反抗したりすると、お小遣いがもらえなくなることが普通にあります。なので、子どもも度を越した悪態をついてこないのが特徴です。

 

子どもが思春期であろうが「夫婦メインの生活」をする

思春期や反抗期の子どもをもつフランスママが、子どもをうっとうしく感じると、会話もせずに、必要最低限のことだけをして、空気のように扱うことが多いです。そして子どもに手を掛けず、夫婦2人でお出掛けしたり、食事に行ったり、旅行に行ったりして夫婦の生活を楽しんでいます。 

 

 

クレモンママ

在仏20年、田舎暮らしを満喫中の小・中・高校生の4児の母。趣味はお花を育てること&散歩。人生は楽しく生きたいタイプ。