フランスほのぼの暮らし
フランスママに学ぶ「子どもがなりたい職業」に口出ししない子育て術
2017年 5月 29日 11:00
フランスママは、子どもがなりたい職業について、あれこれ口出ししません。今回は、子どものためを思ってつい口出ししてしまうママ必見の、子どもが将来なりたい職業を静かに応援する方法をお伝えします。また、フランスの子どもが憧れる職業も一緒にご紹介します。
フランスでは、将来の職業は中学時代までに決める
フランスの子どもたちは、「将来は何になりたいのか」を、日本の子どもよりも早いうちに考え、中学生のうちに将来進む道を選択しなければなりません。中学の最終学年では職業研修もあるので、子どもたちは自分のなりたい職業を絞り、大学進学を目指す一般高校か、専門知識を身につける工業・職業高校のどちらかに歩みを進めます。
子どもであっても、自分に関することは自分で決定
フランスでは、自分に関するすべての決定権をもつのは、自分以外にはありません。職業だけでなく、子どもの交際相手や結婚相手に対しても、親が口出しすることはありません。幼稚園に入る年齢である3歳児になったときから、ママは手をかけても口を出さないのがフランス流。パパとママが、子どもの決断力を問うときの口癖は「あなたはどうしたいの?」、決断に対する返答は「良いんじゃない?」です。両親や親戚、兄弟姉妹、友人へ相談すれば、みんなじっくり気の済むまで時間を費やして聞いてくれますが、最後に決めるのは自分です。
フランスママの我が子への信用は絶大
フランスママとフランスパパの我が子への信用度は絶大です。「我が子の決めることに間違いはナシ!」と信じているので、どんな職業を選択しようと応援します。なりたいものが決められない子は、中学最終学年で行なわれる職業体験に参加して、自分に適した職業を探します。職業体験では、自分が就きたい職業の会社や店舗へ、学校長からの正式な職業研修依頼書に自分の履歴書と志望動機書を添えて持参し、申込みます。責任者の承諾が得られれば、実際の会社や店舗、病院などで1週間から1カ月間ほど働かせてもらえるのです。
さまざまな職業のメリットを伝授するのがフランスママの役割
フランスママは、子どもがなりたい職業に対して口出しはしませんが、アドバイスはします。女の子に人気の職業「教師」になりたいという子どもには、「国中の美術館や博物館が無料で見られるわよ」とか、建築家になりたいという子には「自分で好きなように家が建てられるわよ」といった具合です。フランス人は、成人した子どもに対して金銭を援助することがありません。ですので、子どもが興味をもったさまざまな職業が、どのくらい稼げる職業なのか、どのようなメリットがあるのかを親が伝授し、子どもが悔いのない選択をできるようアドバイスします。
フランスの子どもが将来なりたい人気の職業は?
フランスで、幼稚園児から小学校低学年までの子どもに、男女を問わず人気なのが「ブランジュリー」です。「ブランジュリー」は、ケーキも売っているパン屋さんのこと。子どもたちの夢は、このお店で働くのではなく、将来の旦那さんやお嫁さんと一緒に、自分のお店を持ちたいという夢なんです。小学校中学年から高学年男子に人気なのは、消防士、建築家、料理人。女の子に人気なのは、獣医、幼稚園や学校の先生、考古学者、医者、看護師、助産師です。これが中学生になると「麻酔科医になりたい」「外科医になりたい」と、さらに具体化していきます。
都会と田舎でなりたい職業が違う
子どもたちは、自分たちが知っている身近な職業に憧れるので、都会と田舎では、なりたい職業が若干異なります。田舎の子どもは、日常的に目にする農業や牧場などの仕事に興味があるので、男の子には広大な畑でトラクターを乗り回すのが憧れで、女の子には、馬や羊、ヤギなどの家畜専門の獣医が憧れの的になっています。都会では、男女ともに弁護士や通訳・翻訳業、警察官などの人気が高いです。面白いところでは、男の子に人気の消防士のなかでも「パリの消防士」は国のヒーロー扱いで、大人気です。
フランスママは子どもの職業を自慢しない
フランスママは、子どもがどんなに高給な職業に就いても、周囲の人間に対して自慢することがありません。子どもの給料はあくまで子どものもの。フランスでは、親と子どもが同居する習慣がないため、子どもの収入をアテにして家を建て替えたる、住宅ローンを共同で支払うことがありません。成人して働くようになれば、親は一切の干渉をしなくなります。子どもの自慢はしませんが、我が子を誇りに思うのがフランスママなんですよ。