フランスほのぼの暮らし

フランスママに学ぶ「何もしないを楽しむ」夏のバカンスの過ごし方

フランス人が1年間働くのは「夏のバカンスのため」と言っても過言ではありません。今回は、家事や育児に追われずのんびり過ごすための、フランス流「夏のバカンスの過ごし方」をご紹介します。フランスの夏は日照時間が長く、気候も良いため、過ごしやすいのが特徴です。バカンス中は家族でのんびり過ごすほか、遠方に住んでいて普段は会うことが難しい家族や親戚との交流期間になっています。

 

バカンス旅行では何もしない&家でものんびり過ごす

フランス人のバカンスは、1カ月あれば半分は家でのんびり過ごし、あとの半分は旅行へ出掛けて何もしないというのが一般的です。なかには、家や庭、外壁などのリフォームをするパパもいますが、必要最低限のことしかしないのが普通で、昼夜逆転型の生活を送るパパやママもいます。また旅行は、1カ所滞在型で、あちこち動き回らずに何もしないのが最高の贅沢とされています。

 

ママの家事は最低限、バカンス中の食事はバーベキュー中心

バカンス中のフランスママは、家事も料理も必要最低限にして、なるべく動かないようにします。食事はバーベキューが多く、火を起こして食材を焼くのはパパや息子たちの仕事。ママはキッチン掃除をしなくて済むので楽ちんです。日本のように炭を使わず、森や林の中に落ちている、松ぼっくりや木の枝を拾って来て火を起こすので、炭代もかからず経済的なうえ、後始末も楽ちんです。

 

フランス人のバカンス旅行は、1カ所滞在型が人気

バカンス旅行では、あちこち動き回らずに、キャンプ場など、1カ所に滞在するのが人気です。小さな子どもがいる場合は公園やプール付きの施設、小学生以上の子どもがいる場合は子どもだけで参加できるアクティビティがある施設を選んで、親は子どものいない時間を夫婦2人で観光に出掛けたりして過ごします。また、食事はバーベキューか、テイクアウトが多く、ママが気合いを入れて料理をすることはありません。

 

子どもはテレビもゲームもやりたい放題、でもケンカは禁物

とにかくダラダラ過ごすのが、フランス人流のバカンスです。親がダラけているので、もちろん子どももダラけて過ごします。フランスには夏休みの宿題が一切ないので、子どもたちはテレビもゲームも、遊びもやりたい放題。自主勉強用の教材を購入する家庭も多いのですが、実際には子どもが勉強しなくても怒る親はいないので、子どもたちはとにかく1日中遊んで過ごしています。ですが、家庭内で兄弟ゲンカばかりしていると、林間学校や祖父母の家へ強制送還されることも。

 

パパは、バカンス中にまとめて自宅のリフォームを

フランスでは、バカンス期間が最低でも数週間程度あるので、旅行以外の余った時間を、家の工事やリフォームをする時間に充てパパたちも多いです。庭の手入れや、気になる箇所のリフォーム、家の中の工事などを、父親や兄弟、友人などに手伝ってもらいながら完成させます。男の子たちは、この機会にパパや周囲の人に土木作業を仕込まれるので、中学生になると、家の中の簡単な日曜大工やリフォーム作業、庭仕事などができるようになっています。

 

ママのバカンス中の楽しみは、やたらと人の家へ行くこと

バカンス中、暇ですることがないママたちは、子どもを連れて、近所の友だちやママ友のお家をアポなしで訪問をして、一緒にお茶を飲んだり、おしゃべりをすることが多くなります。気軽に訪ねることができる間柄なので、家の中が工事中で散らかっていようが、汚部屋でも関係なしにおしゃべり三昧。一緒にアペリティフ(食前酒)や食事を楽しむことも多く、バカンス中、フランスママたちの食材やお酒の買い出し量は、いつもの倍以上なんていうことも多くあります。

 

フランスママは他人のバカンスに興味がない

フランスママには、「バカンスだから旅行に行かないと」とか、「出掛けないと子どもがかわいそう」という概念が一切ありません。ママ友の家族が旅行やテーマパークに行っても「うちも行かなきゃ!」とか「悔しい!」と思うことがありません。子育て同様に、「うちはうち」という考え方が根付いているので、バカンス中の過ごし方も家族ごとのペースでのんびりしています。

 

 

クレモンママ

在仏20年、田舎暮らしを満喫中の小・中・高校生の4児の母。趣味はお花を育てること&散歩。人生は楽しく生きたいタイプ。