フランスほのぼの暮らし

フランスママに学ぶ「本場のイースター」の過ごし方・楽しみ方

近年、ハロウィン同様に日本でもよく聞くようになった「イースター」は、イエス・キリストの復活を祝う宗教行事で「復活祭」を指します。フランスではクリスマスと同じくらい大切な行事。無宗教の人でもチョコレートの日として楽しんでいるんですよ。またイースターの日は、春分の日以降、初めての満月あとの日曜日でお休みですが、フランスでは翌日の月曜日も祭日でお休みです。

 

自分好みの「イースターエッグ」を家族で手作り

復活祭に絶対になくてはならない卵型のオブジェが「イースターエッグ」。デコレーションされたものはお店で買えますが、フランスママは自宅で子どもと一緒に好みのものを作って飾るのが大好きです。作り方は、生卵の下に小さな穴を開けて中身を取り出し、空っぽになった殻をきれいに洗って色を塗ったり絵を描いたりします。卵は「生命」や「復活」を、イースターバニーは「子孫繁栄」を意味しています。またフランスでウサギは、幸運のシンボルで非常に縁起の良いものとして愛されています。

 

イースターに卵を食べて「無病息災」願う

フランスの古くからの言い伝えでは、イースターの卵を食べると「無病息災で過ごせる」とか「抱えている病気を追い払うことができる」とされ、縁起が良いとされています。フランスで人気なのは「ウフ・マヨネーズ」と呼ばれる卵にマヨネーズを付けただけのシンプルなものや、タンポポの葉っぱと一緒にサラダにしたものです。この日はどこの家庭でも茹で卵が食べられますが、食紅で色を付けてカラフルな茹で卵を作るフランスママもいます。

 

イースターを祝う「食事会」を家族みんなで開く

イースターはとても大切な宗教行事ですので、親族や家族が集まって、お祝いの食事会を開きます。イースターは日曜日で翌日の月曜日も祭日なので、土曜日から三連休という人も多く、遠方から実家へ戻る人もいます。食事会の伝統的なメニューは、イエス・キリストの復活のシンボルと言われている「子羊のロースト」や「ラム肉」を使った料理です。フランスでは、食事会の人数が13人になると「不吉」とされるので、1人が別テーブルで食べたり、大きなヌイグルミや人形を座らせて14人目に見立てて食事をします。キリスト教圏では「13」という数字は凶数とされ、有名な「最後の晩餐」の人数が13人だったからとも言われています。 

 

大人から子どもまで、卵探し「エッグハント」でハイキング

イースターで大人も子供も楽しめる遊びです。庭のある家では庭で、集合住宅の場合はベランダやリビングで、家族で作ったイースターエッグ、卵・ウサギ・鐘の形をしたチョコレートをあちこちに隠して子どもたちに探させる「エッグハンティング(または、エッグハント)」をします。ちょっとした宝探し感覚で、イースターには欠かせないイベントになっています。大人は見付けにくいように卵を隠すことを、子どもは1つでも多く探し出して食べることを楽しんでいます。

 

各市町村でも、「ランディ・パック(Lundi de Pâques、イースターの月曜日)」と呼ばれる、イースター翌日の祭日に、赤ちゃんからお年寄りまでが無料で参加できるエッグハンティングを開催します。イースターエッグを求めて、森の中や公園、野原などを数キロメートルにわたってハイキングします。家族全員で参加して、たくさんの卵やチョコレートを拾って回ります。私の地元では茹で卵がばら撒かれるのですが、夕飯のおかずにとママたちの気合がみなぎっています。

 

「イースターチョコレート」を贈り合って、チョコ食べ放題!

イースターが近くなると、毎年イースターに向けてウサギ・卵・鐘・ニワトリの形をしたチョコレートが、どこのパン屋さんでもお店でもたくさん売られるようになります。食事会のお土産にしたり、子どものために両親や祖父母、親戚が買ってプレゼントします。チョコレートがなくては生きていけないフランス人にとって、この日はチョコレート食べ放題です。子どもにとっては、普段は売られていない大きなサイズのチョコレートがもらる楽しいイベントになっています。大人同士でも互いにチョコレートを贈り合うこともあるんですよ。

 

イースターの特別なプレゼントをもらえることも

フランスのイースターは、クリスマス同様に大切な宗教行事なので、特別にプレゼントがもらえることもあります。子どもにはウサギやヒヨコのぬいぐるみや小物を、大人の場合は可愛らしいイースターのアレンジメントフラワーが贈られることが多いです。カラフルな鳥の羽やイースターエッグがデコレーションされていたり、花束の中にウサギやヒヨコの人形がアレンジされ、可愛らしいデザインのものが多いです。お花屋さんでは、鳥の巣の中にお花をアレンジしたものもあり、この時期しか見られないものなのでフランスママに人気です。

 

イースターの特別なミサが開かれる

キリスト教で、イースターは特別な日なので、ミサも特別です。と言っても通常のミサより30分ほど時間が長いだけで特に変わりはありませんが、子どもによるイエス・キリストの復活劇が見られることもあります。私の地元では、復活劇はイースターの数日前に地元のカトリック校の小学生によって行なわれています。また、イースターと春分の日の間にある満月の日に、月の光にお財布をかざすと「お金に困らない生活ができる」という真しやかな噂があり、我が子が必死にお財布をかざしていますが、さて効果は???

 

 

クレモンママ

在仏20年、田舎暮らしを満喫中の小・中・高校生の4児の母。趣味はお花を育てること&散歩。人生は楽しく生きたいタイプ。