フランスほのぼの暮らし
フランスママに学ぶ、安くて走れて人気の習いごと「サッカークラブ事情」
2017年 4月 17日 11:00
フランスの子どもの習いごとは、男の子ならサッカー、女の子ならバレエやダンスが人気です。今回は、我が家の子どもたちもフランスで通っている、人気の習いごと「サッカークラブ」事情をご紹介します。スポーツ系の習いごとは満4歳か満5歳から始める子どもが多く、サッカークラブもこのくらいの年齢から始める子が多いです。
男の子の1番人気が「サッカークラブ」
フランスで男の子に人気がある習いごとと言えば、ボール1つあれば楽しめるサッカーです。フランスの学校は水曜日が半日で終わるので、サッカークラブは水曜日の午後に開かれます。年齢ごとのチームに分かれて約90分、メインコーチ1人とアシスタント1~2人によるスパルタ練習で鍛えられます。多くのフランスの学校では、休憩時間も走り回ることが禁止されているので、広くて安全な場所を自由に走り回れるサッカーは男の子に大人気。女子チームは特にないので、まれに女の子が男の子に混じって、同じように練習しています。
1年ごとにユニフォームを貸し出してくれる
練習着は各自で用意しますが、チームの公式ユニフォームは年度初めに無料で、全員に貸し出してくれます。ユニフォームと同色の靴下も1足だけですが配布されます。スパイクもクラブハウスにあるものを自由に使うことができるので、お金を掛けなくてもサッカーを習わせることができます。用意する練習着も、体の成長が早い男の子はサイズアウトして着られなくなることも多いので、無料で譲り受けることもあります。我が子の着られなくなった練習着をクラブに寄付すると、女性限定でコーチから愛のこもったハグが頂けます。
習いごとの代金は、年間一括支払い
習いごとの代金は、月謝ではなく、年度初めに1年分を一括で納めます。始まってすぐに止めても、途中でやる気がなくなって止めても、一切返金はありません。態度や素行が悪くてチームを除籍されても同様です。ただフランスでは、子どもが複数いる家庭には世帯収入に合わせて、社会保険庁から習いごとなどに使える金券を、子どもが15歳になるまでもらえます。この金券を使って習いごとをさせる親も多く、我が家も利用しています。どこの家が金券を使っているかは、チームの会計担当以外は知らないので、子ども同士や保護者間での、差別などはありません。
チームの軍資金は、チームの全員+家族総出で稼ぐ
チームの備品などを購入するために、年に数回軍資金を稼ぐためのイベントがあります。1つは催事場を借りて、ロトや福引大会などを開くのですが、各家族で参加チケットを大量に購入して、家族や親戚、友人、知人、学校関係者やママ友などにガンガン売って回ります。また、縁起がよく人気のあるミモザやスズランなどのお花を用意して、地元の家々をシラミ潰しに訪問して、販売することもあります。地元のお年寄りや長く住んでいる住民だけでなく、商店街や各商業店舗にも購入してもらいます。訪問される側もクラブへの寄付金と考えていて毎年必ず買ってくれるので、それなりの売り上げになるんですよ。
試合のとき親の送迎は当たり前、車がなくても心配無用
我が子が試合に行くときは、会場まで親が自ら送迎する人が多く、事情によって車がない人はコーチの車に乗せてもらいます。コーチの車と現地入りする車が必ず数台あるので、もし送迎できなくても、適当に誰かの車に便乗できるので心配ありません。試合は土曜日が多く、パパによる送迎がほとんどです。
我が子のサッカー練習に、興味のないママが大半
フランスママは、試合の送迎はどんなに遠方でも意に介さない人が多いのに、練習にはほとんど興味を示しません。クラブハウスの駐車場までの送迎で帰ってしまうので、同じ習いごとでのママ友が少ないのも特徴です。試合の観戦に来るフランスママは、お弁当などを用意することなく手ぶらで来る人が多く、我が子の写真も撮る人もまばら。日焼け好きのフランスママは、紫外線を気にせずに日焼け目的で来ていたりします。ただし、目の癌になる人が多いので、サングラスだけは手放しません。
習いごとは1つ、子どもに選ばせるのがフランス流
今回は、我が家の子どもも習っている「サッカークラブ事情」をご紹介しました。習いごと事は1つか2つ、子どもが自分で本当にやりたいことだけをやらせるのがフランス流です。子どもが小さいうちの習いごとは1つだけの家が多く、いくつもやりたがる子どもにはどれか1つを選ばせています。いくつも習わせている親は、子どものことを考えていない親として非難されがちです。また子どもが高校生になると、子どもたちは勉強に力を入れるので、ほとんどの子が習いごとを止めてしまうのもフランスの特徴です。