あってよかった
クレンザー侮るなかれ。コンロもシンクもピカピカにするカネヨの逸品
2023年11月24日 11:05
「クレンザー」について、改めて当媒体で触れたのは割と最近のことである。長年個人的に愛用しつつも、同居して四半世紀にもなる家人にすら認識されることなく、台所にあり続けた「クレンザー」なるものを再見した記事だが、その後も結局我が家では、筆者によってのみ使用され続けている。
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そもそも鍋だの五徳だのの焦げ汚れを地味に磨いたり、ヘアピンの管理が怪しい娘たちが多いが故にそこらにつく貰い錆汚れをヒッソリ落とす人がわが家では筆者しかいないというゆえでもあるのだけれど、いささか忸怩たる思いがないわけではない。
家人のみならず子供たちも炊事や洗濯等の家事をしないわけではないのだが、彼らは、より地味かつ急を要するわけではないがやらないと生活がくすんでくる「家事の後始末」系の家事には手をつけないのだ。
そう、そもそも生活の後始末である家事の、更なる後始末となる家事……に付き物である錆落とし、焦げ落とし、くすみ落とし、つまり「研磨」。
生活している限り、まるでやらないわけにはいかないのだが……。ハテ……、研磨なんてやった覚えはないという人も結構いるのではないだろうか。
まあその場合は、実は誰かがこっそりやっているはずなのだが。汝、研磨侮るなかれ。
今回はそんな家庭内でも地味中の地味作業である「研磨」に必ず役立つ、しかしほとんど誰も知らなさそうな「カネヨ」の逸品を3つご紹介したい。というか筆者自身も先般「カネヨ」にお伺いして取材をし初めて知った商品ばかりであった。
油汚れもこびりつきもピカピカになるキッチンクリーナー
「クリームクレンザー」なるものが編み出されて50年になるというが、「カネヨン IHキッチンクリーナー」はそんなクリームクレンザー界(?)における最新の一品、IHなどのガラストップ清掃に特化した商品である。
平たく言えば「アルカリ剤」と「油溶解剤」に「微粒子スクラブ剤」(つまりクレンザー)が合体したもので、吹きこぼれなどでゴリゴリに固まった汚れに、あの手この手でアクセスする仕組みだ。
一般的3口コンロに、500円玉大のこのクリームクレンザーを落とし、クルクル円を描くように薄く塗り広げると油汚れの乳化と研磨が同時進行で行なわれていく。一周したところで2~3分置き、その上で濡らしたマイクロファイバークロスで拭き取る。
驚くべきはこの拭き取りの際の泡切れ、洗剤残りの無さだ。さもなくピカピカになった。ひどい汚れには20~30分、塗っておくといいらしい。次回換気扇での実験を誓う。
水回り全般で使えるクリームクレンザー
「ステンライトクリームクレンザー」も界面活性剤を合わせた弱アルカリ性のクリームクレンザーである。これでは22年もののキッチンのステンレスシンクを心置きなく磨かせてもらった。
「もうそう竹エキス」の除菌効果を配合してあるらしい。やはりクルクル円を描くように薄く塗り広げ磨いて、水で濯いだステンレスは期待通りにピカピカになり、一晩置いてもなお清潔感を留めていた。キッチン調理器具のみならず浴室や洗面所での使用も用途内なので存外にマルチパーパスだ。
ところでガラストップでもステンレスシンクでも、このクリームクレンザーに合わせる掃除用具は「丸めたラップ」がベストで、なぜかというとたわしやスポンジではせっかくの研磨成分がたわしやスポンジに逃げてしまって、汚れと対峙できないからだ!
もしこれまで「クレンザーって案外使えないよね」などと思っていた諸氏がいたら、道具を丸めたラップに持ち替えて騙されたと思って使い直してみて欲しい。絶対に違う。
今までの使い方はなんだったんだ……と唖然とすること請け合いなのだ。筆者がそうだった。
子供の肌にも安心な上履き用洗剤
筆者が当媒体の記事などで、子供の上履き洗いについて言及すると、配信先媒体のコメント欄などで必ずと言っていいほど「上履きなんて子供自身に洗わせるべき」といった意見が書かれる。
筆者自身も40年前、自分で上履き洗いをしていたのでその意見もわかる。しかし筆者はアトピーなどを持っている子供たちにいささか強めの洗剤(よく落ちる、を標榜するというのはそういうことだ)を使用しての上履き洗いをどうもさせる気になれなかった。
学校トイレに専用下駄でなく上履きのまま進入するスタイルの近年の近隣学校の衛生状態にあまり信用がなかったこともあるが、正直なところ、多分に「なんとなく気が進まず避けていた」感は否めなかった。
一方「ちびっ子」という商品名からうかがえる通り、この上履き洗い洗剤は子供自身の使用を想定している。漂白剤や溶剤は添加されておらず、基本的に天然シリカの研磨剤と界面活性剤でできていて安全だ。ブラシでゴシゴシとやりがいがあり、漂白剤が入っていないので見違えるほど真っ白に! という仕上がりではないにしろ、皮脂的なぬめりなどはスッキリ落とせてかつ安価なので長年のリピーターも多いのだという。
惜しむらくは筆者が張り切って毎週上履き洗いをしていた全盛期にこの商品に出会えなかったことである。まだ学齢である子供たちはいるのだが、前例に従えば彼女らはほとんど上履きをもう持ち帰ることはない……(なのでどなたか試して感想を教えてください)。
子供の頃、田舎の渓流でキャンプをした際、飯盒の汚れを川砂で擦って落とせと指導された。天然のクレンザーだからだと言われて「砂が?!」と思ったものだが、実際の商品たるクレンザーの研磨成分もシリカ。ケイ素ともいう鉱物、まあ広義の砂だ。同じだ。
ともあれクレンザーを使ったことがある人もない人も、とりあえず靴以外は「丸めたラップ」で、試してみて欲しい。90年だの50年だのという超長期にわたり残ってきた意味を改めて見出し、体感できるはずである。