ダイソン、2層のサイクロンでより細かいゴミを取り除く掃除機「DC46」
■サイクロンが2倍になった「DC46」
ダイソンは、二層のサイクロン構造を搭載したサイクロン式掃除機「DC46 モーターヘッド」と、バッテリーを強化したコードレス掃除機「DC45 モーターヘッド」を発売した。ダイソンオンラインストアでの販売価格は順に92,800円、59,800円。
技術的に進歩した2モデル投入に当たり、ダイソン チーフエンジニアのジェームズダイソン氏が来日、自ら新製品のプレゼンテーションを行なった。
「DC46 モーターヘッド」を手に持つジェームズ ダイソン氏 | 製品を手に自らプレゼンテーションを行なった。写真は「DC45 モーターヘッド」を持ったところ |
キャニスター型の「DC46 モーターヘッド」はサイクロンを従来の12個から32個に倍増した点が最大の特徴。ジェームズ ダイソン氏はこの変更について「サイクロンは、直径が小さいほど遠心力が強くなり、より細かいゴミも分離できるようになる」と説明。サイクロンの数を増やしたことで、遠心力のパワーを示すGは従来の29万Gから36万Gに強化され、ダニの死がい(1ミクロン)よりも小さい0.5ミクロンのゴミまで集塵、しかもその吸引力を持続させることができるという。
「DC46 モーターヘッド」 | サイクロンの数を従来の12個から倍の32個に変更した | サイクロン機構を上から見たところ |
カットモデル | サイクロンが二重に配置されている | ダストボックスを本体から取り外したところ |
さらに今回はゴミや髪の毛がブラシに絡まるのを防ぐ替え用アタッチメント「タングルフリータービンツール」を新たに開発した。楕円形の2つのブラシをそれぞれ逆回転させることて、髪の毛の絡まりを防ぐ構造で、ソファーやカーペットに付着した髪の毛などを残さず吸引、しかもブラシに絡まることがないので、ヘッドの手入れが楽だという。このアタッチメントを採用したのは日本モデルが初めてで、ユーザーからの要望を反映したものだという。
今回新たに採用した「タングルフリータービンツール」。赤い円形の部分は空気の取り込み口 | 楕円形のブラシが2つ配置されている。これが逆回転することで、髪の毛やゴミの絡まりを抑える |
従来機種のDC36からは、360度方向転換可能な「ボールエンジニアリング」技術を継承。車輪としての役割も兼ねるボール型のボディにモーターや排気口、フィルター、電源コードなど主要部品の全て格納した技術で、本体重心が低くなり、狭いスペースでの方向転換も可能だという。
ヘッド部には、静電気により床に付着した微細なホコリまで取り除く「カーボンファイバー(炭素繊維)ブラシ」を採用。カーボンファイバーには帯電を抑える効果があり、ジェームズ ダイソンはわかりやすく「レコードの表面に付着した細かいホコリを掃除するのに使うのもカーボンファイバーブラシだ」と説明した。また、カーボンファイバーブラシの開発には「日本の雑誌からのアドバイスがあった」と明かした。
「(靴を脱ぐ習慣のある)日本の固い床(フローリング)には、細かいホコリがたくさん帯電している。という指摘を受け、開発を進めた。その雑誌には今でも感謝している」とコメントし、会場を沸かせた。
車輪としての役割も兼ねるボール型のボディを採用 | 会場で行われたカーボンファイバーブラシのデモンストレーション。プラスチック表面にベビーパウダーを巻き、ダイソンの製品と国内メーカーの製品で一往復する | 結果はこの通り。右は国内メーカー、左はダイソンのカーボンファイバーブラシで掃除したもの。国内メーカーのブラシで掃除したものは、パウダーが帯電してしまって吸い込みきれなかった |
本体サイズは221×448×292mm(幅×奥行き×高さ)で、本体重量は4.1kg。
ヘッドがモーター駆動ではない「DC46 タービンヘッド」も同時発売される。オンラインストアでの販売価格は87,800円。
「DC46 タービンヘッド」 | ヘッド以外の使用は同等で、サイクロンの数も従来の2倍になっている |
■バッテリー強化で、吸引力と連続運転時間が向上した「DC45」
コードレスのスティック型掃除機「DC45 モーターヘッド」については、バッテリーを強化した。「ニッケルコバルトマンガンバッテリー」を採用したことで、連続運転時間が通常時で15分から20分へ、強モード時で6分から8分に延長した。また、バッテリーを強化したことで、ゴミをかきあげる力「ヘッド性能」が、従来機種「DC35」の15Wから倍の30Wに向上している。そのほか、DC35からの変更点はサイクロン部やパイプの色が変更になった点が挙げられる。
バッテリーを強化した「DC45 モーターヘッド」 | アタッチメントを付け替えることで、ハンディクリーナーとしても使える | 運転モードの切替はハンドル上部にある「MAX」ボタンを押して行なう |
ジェームズ ダイソン氏はDC45について「最大の利点は小さくて軽いこと」と語り、その秘密は独自の「ダイソンデジタルモーター」にあると説明した。「従来のモーターはカーボンブラシを内蔵しているため、消耗が進むとカーボンブラシのホコリが出てきて、効率も落ちてきた。しかし、ダイソンデジタルモーターはデジタル制御とネオジウム磁石を使うことで、カーボンブラシを省略。従来のモーターが毎分3万回転なのに対して、デジタルモーターは毎分11万回転を実現している。モーターの回転数に関して言えば世界で一番早いモーターだろう。これにより、電力効率も87%を維持し続けることができる」と話し、ダイソンデジタルモーターは完全無人の生産ラインで作られていることも明かした。
また、操作性の良さには重心配置が関係していることも説明。ハンドル部に重心を配置することで、本体を持ち上げる時の負担が少なくなり、高い所や狭い車内の掃除も楽にできるという。会場ではジェームズ ダイソン氏自らが、様々な場所の掃除を行なうデモンストレーションを行なった。
ダイソンデジタルモーターを手に、説明を行なうジェームズ ダイソン氏 | 本体の操作性を説明するために、プレゼンテーション会場のエアコンの掃除を始めた | カメラマンのレンズを掃除するヒトコマも |
本体サイズは115×322×205mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は2.3kg。ヘッド部には、DC46と同様、カーボンファイバーブラシを採用する。
オンライン限定モデルの「DC45 モーターヘッド コンプリート」。パイプの色はピンク色が採用されている |
オンラインストア限定モデルとして、布団ツールとフレキシブルすき間ノズルがついた「DC45 モーターヘッド コンプリート」も同時発売する。オンラインストアでの販売価格は64,800円。パイプの色はピンクが採用されている。
(阿部 夏子)
2012年9月12日 12:35