東京電力、供給予備率は7月が3.3%、8月は1.1%と予測

~火力発電所復旧も、60Hz地域から電力を融通できず
7月、8月の各週の需給見通し

 東京電力は、同社管内の7月、8月の電力需給見通しを発表。需要は7月、8月とも5,500万kWに対し、供給力は7月末で5,680万kW、8月末で5,560万kWの予想となった。この結果、供給の余力を表す数値「予備率」は、7月末で約3.3%、8月末で約1.1%となる。

 東京電力では5月13日に、7月末、8月末の需給予想を発表していたが、当時はそれぞれ5,520万kW、5,620万kWだった。5月時の予想から増減した理由は、広野火力発電所の復旧により7月が220万kWのプラス、自家発電の余剰電力の購入増で40万kWのプラスとなったものの、60Hz地域の電力不足により、同地域からの電力融通ができないことから、100万kWのマイナスとなっている。

 同社ではまた、震災で甚大な被害を受けた東北地方の電力需給バランスの緩和のために、東北電力に最大140万kWの電力融通を行ないたいとしている。実行された場合、東京電力管内の電力需給は、7月末で5,540万kW、8月末で5,420万kWに減るという。この場合、8月末は需要が供給力を上回ることになる。

 なお、60Hz地域の電力需給バランスが緩和された場合には、最大100万kWの電力融通を受けるとしている。

5月13日に発表された需給見通しとの比較予備率の計算方法(7月末の場合)

 東京電力ではまた、古い火力発電所の連続稼働による計画外の運転停止や、異常な猛暑による需要の急増などで、需給の安定確保に支障をきたす可能性があるとしている。そのうえで、計画停電の原則不実施を継続していくために、供給力の確保と電力設備の確実な運転・保守に努めるとしている。

 政府は、東京/東北電力管内で翌日の供給力が逼迫する場合、計画停電の実施の可能性を知らせる「電力需給逼迫警報」を発出することを明らかにしている。同警報では、予備率が3%を切った場合、前日18時までに、テレビや防災無線などで、計画停電の実施の可能性について警報を出す。また、予備率が1%を切った場合は、大規模停電を避けるために計画停電を実施する旨を知らせる。予備率が3%を上回った場合、同警報は解除される。






(正藤 慶一)

2011年7月1日 17:08