関西電力でも夏の電力が不足、“15%節電”を呼びかけ
関西電力は、夏の電力供給不足による停電を回避するために、同社管内のすべての利用者に対し、7月1日から9月22日の間、平日9時から20時の時間帯に、昨夏比で15%程度の節電への協力を呼びかけている。
同社では現在、福井県の美浜・高浜・大飯原子力発電所の一部が定期点検中となっており、このまま停止が続く場合、十分な供給力を確保できず、電力需給が「極めて厳しい状況」になるとしている。さらに、日本原子力発電の敦賀発電所2号機も停止中で受電できない状況にあり、火力発電や水力発電を最大限に活用しても、7月以降に需要が供給力を大幅に上回る見通しという。
同社では供給力不足の追加対策として、揚水発電所の高水位運用や、火力発電所の出力向上などを検討しているものの、これらの対策を実施しても、需給状況は依然厳しい状況にあるという。現在は、定期点検中の同社原子力発電所の再起動に全力を尽くしているとのことだが、利用者からの「節電が必要であれば、早期にかつ具体的に示して欲しい」という声を受け、今回の15%の節電の呼びかけに至った。
関西電力の今夏の需給見通し |
具体的な節電期間は、7月1日から9月22日までの平日、9時から20時までの時間帯。ただし、8月12日から16日までのお盆期間は除外される。
法人に対しては、空調や照明、エレベーターといった機器の使用抑制、操業日の振り替えや機器稼働時間のピークシフトといった操業形態の調整、ピーク時間帯における自家発電設備の活用などを呼びかけている。
家庭に対しては、特に13~16時の時間帯について、エアコンを高めの温度設定にすること、不必要な照明を消すことを呼びかけている。
関西電力では10日、さらなる供給力確保やユーザーに対する節電の周知・徹底を行なう「電力需給非常対策本部」を設置。停電を防ぐため、定期検査中の原子力発電所の再起動などで、供給力の確保に最大限の努力を尽くすとしている。
関西電力が発表した、節電期間と節電の具体的な対策 |
(正藤 慶一)
2011年6月10日 19:00