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パナソニック、“明るいけど眩しくない”導光板採用のLEDライト「パネルミナ」
~きれいに調色する「シンクロ調色LEDライト」もラインナップ拡大
(2013/3/6 00:00)
パナソニック エコソリューションズは、導光板採用で“明るいけど眩しくない”家庭用LEDライト「パネルミナ」シリーズを4月21日より順次発売する。ダウンライトやペンダントライトなど全33品番が用意され、希望小売価格は15,540円~35,700円。取り付けには一部工事が必要で、販売は住宅設備ルートが中心になる。
「パネルミナ」は、面発光するLEDを光源に採用した、パナソニックの新しい家庭用照明シリーズ。同社が独自に開発した導光板技術により、LEDの光を横方向にも広げることで、まぶしさを抑えながら優しい光で照らせる点が特徴。
従来のLED照明では、光源がLEDの「点の光」だったが、エコルミナシリーズではまずLEDの光を独自の「反射板」によってリング状の光に変化させ、次にその外側の導光板に伝えて、光を下方向と横方向に広げる。さらに本体を覆う「拡散パネル」において、明るさを器具の端まで均一に広げて面で発光し、器具の眩しさを抑えるという。
またこの面発光によって、天井や壁面上部まで明かりを届け、空間内の明るさのムラを抑える効果がある。明るさのムラを軽減することで、視野内の明暗差を和らげ、空間を明るく見せるという。
さらに導光板の採用により、器具デザインや形状そのもののデザインの幅が広がり、薄型化に成功した。同社では、リビングやダイニング、寝室をはじめとしたさまざまなシーンに適しているとしている。
ダウンライトやダイニングペンダントまで、豊富にラインナップ
「パネルミナ」シリーズのラインナップには、ダウンライト拡散タイプ、ダウンライト集光タイプ、屋外用ダウンライト拡散タイプ、3種類のダイニングペンダント、ブラケット、ダウンシーリングが用意される。
ダウンライトは、従来のダウンライトで使用されていたフレームを省き、器具全体が面発光するという。天井や壁面上部も照らし、狭い場所を広く見せたり、天井と同化してすっきり設置できるという。
ダイニングペンダントは、光のパネルが宙に浮いたようなデザインを採用。取り付け方式は、調光可能な半埋め込み型のほか、直付型、ダクト型を用意。このほか、壁面用の半埋め込み型ブラケットや、ダウンシーリングもラインナップする。
明るさは全品番共通で、60W形電球相当。消費電力は調光機能付きが8W、ON/OFFスイッチタイプが7.1W。光源寿命は40,000時間。平均演色評価数はRa85。ダウンライトとダウンシーリングには、光色を電球色2,700Kと昼白色5,000Kの2パターンを用意する。
明るさに合わせて心地良い光色に変わる「シンクロ調色LED照明」
同時に、光色が明るさに合わせて最も心地よいと感じられる色に変わる「シンクロ調色LED照明」シリーズ計34品番を2013年4月21日より順次発売する。希望小売価格は20,790~70,350円。
シンクロ調色LED照明は、光の3原色である赤・緑・青のLEDを搭載したLEDユニットを光源とするLED照明で、パナソニックでは同シリーズの製品を2011年11月より発売している。新製品では、光色と明るさを簡単に変えられる点がユーザーから好評だったことを受けて、新たにLEDを中央に寄せて多重影を抑えた「シンクロ調色LEDユニット」を採用した。
光色は、明るさに合わせて電球色2,200Kから昼白色5,000Kまで変化する。朝と夜、団らんと学習など、暮らしのシーンに合わせて光色を変えることで、効果的に空間を演出するという。
ラインナップには、従来の明るさ60形電球相当タイプに加えて、100形電球相当タイプや新デザインなどを追加した。消費電力は100形タイプが10W、60形タイプが8W。既発売の8品番もリニューアルし、価格は従来品よりも安くしている。
同社では、用途としてリビングやダイニング、寝室、クローゼット、内玄関、洗面室など、さまざまな空間に合うとしている。
LEDは省エネや節電だけではない、上手に操って心理的に良い効果も
発表会では、パナソニック インテリアライティングセンターの崎山昌治氏が、これからの明かりのトレンドについて解説した。“住まいの明かりのプロ”である崎山氏によると、現在はLEDのエコや省エネだけでなく、住まいや暮らしの変化に合わせて明かりをどう変化させるかという点に注目しているという。
背景には、「住まいのバリエーションの多様化や、住まいにこだわる人が増えてきた」ことがある。例えばダイニングの使い方では、「調理や食事をとるだけでなく、家族でくつろいだり、子供の勉強空間にしている人も多い」という。
崎山氏は「目的ごとに合う明かりは異なる」と指摘。食事には電球色のような明かりを選ぶことでリラックスできたり、子供の勉強には昼白色のような明るい明かりを選ぶことでやる気を引き出したりと、明かりを上手に操ることで心理的に良い効果が生まれると提案していた。
新製品について、パナソニック エコソリューションズ社の武田学 事業役員 ライティンググループ インテリア照明ビジネスユニット長は「LEDはもはや必需品ではなく、必欲品へと価値転換する」と話す。必欲品とは、エコや省エネといった需要だけでなく、より上質な明かりを求める人向けの製品のこと。同社では、光の効用から人々の暮らし方まで多角的に研究しているという。
パナソニックのLEDの売上高は昨年度比約2倍に伸び、照明器具での構成比は70%を超えているという。面発光タイプの今後の展開について、武田氏は「現段階では答えられないが、導光板タイプのLEDライトは顧客の需要に応じて、いちから作って行こうと始めた取り組み。デザインや機能に自由度が高いので、今後展開を広げるうえで顧客目線を重視したい」と話す。
パナソニックがこの春発売する照明器具の新製品は約700品番にのぼり、住宅用LED全体では約1,800品番が揃うという。