“人ができる節電には限界”自動で節電する家電に関心が集まる
――パナソニック調査

 パナソニックは、冬の節電に対する意識調査を実施。この結果、「人にできる節電に限界がある」という意見が8割と高く、家電自体に節電を求める傾向があると分析している。

 この調査は、28歳以上の男女6,401名に対して、インターネット調査にて行なわれた。調査地域の内訳は、都心部(東京/埼玉/千葉/神奈川/愛知/大阪)が3,206名、寒冷地区(北海道/秋田/山形/新潟/富山/長野)が3,195名。


節電のターゲットとなる家電は「照明機器」「エアコン」

家電製品別の節電への取り組み状況

 まず、「この夏の深刻な電力不足により『節電』を意識するようになったか」という問いでは、88%が「意識するようになった」と回答。同社が7月に実施した調査でも、90%が「(節電を)意識するようになった」と答えており、夏に引き続いて、冬も節電意識の高さが伺える結果となった。

 節電に取り組む機器としては、照明機器が93%と最も高く、次いでエアコン(81%)、テレビ(76%)、冷蔵庫(66%)、温水洗浄便座(62%)と続いた。いずれも夏の調査と順位は同じだが、エアコンは夏の91%から81%に下がっている。なおエアコンについては、寒冷地区は71%と節電意識が低い一方、都心部は92%と高く、地域によって意識に差が出ている。

「照明機器で取り組んでいる節電方法」の回答

 具体的な家電の節電対策としては、照明器具が「ムダな照明はこまめに消す」が98%でトップ。以降、「明るさを控えめにする」(70%)、「家族が一部屋で過ごす時間を長くする」(68%)、「ピーク時間帯の使用を控える」(54%)と続く。

 エアコンは、「設定温度を控えめにし、なるべく使用しない」(93%)、「ピーク時間帯の使用を控える」(69%)、「(扇風機などで)気流を部屋の中で効率的に循環させる」(68%)、「フィルターをこまめに掃除する」(63%)が上位となる。

 なお、「節電・省エネタイプに買い換える」など、省エネ製品を購入する項目については、夏と比較してLED電球で3~4%アップ、エアコンで2%アップしている。


寒冷地区でもエアコンの需要は高まっている

エアコンを暖房機器として使用する理由に対する回答。「手軽に節電しやすい」が1位だった

 「冬の暖房機として普段使っているもの」に関しては、エアコンが63%で1位だった。その理由としては、「設定温度や風量を調節するなどで、手軽に節電しやすい」(37%)、「エアコン暖房で十分暖かい」(35%)、「火を使う暖房器具は、できれば使いたくない」(30%)が上位となる。

 寒冷地区では、普段使っている暖房器具の1位は石油ファンヒーター(59%)で、エアコンは46%の2位だった。しかし寒冷地区では「冬の住まいの困りごと」という設問で、「灯油の価格高騰が気になる」「暖房代が掛かる」という回答が上位になっているという。同社では、節電や安全性、暖房代の節約から、この冬は節電効果の高いエアコンの需要がますます高まるとしている。


人にできる節電には限界があると思う」84%。家電に節電を求める傾向が強まる

「人にできる節電には限界がある」が84%と非常に高かい結果となった

 最後の「今後の節電に関する意識」に対する問いでは、「電力不足に関わらず、節電に取り組みたい」が98%と、7月の97%と同様に高い割合となった。さらに「家にはまだ省ける電気のムダがあると思う」という回答が85%を占めるなど、これからも節電を続けようという意識の高さが伺える結果となった。

 しかし、その一方で「人にできる節電には限界があると思う」という回答が84%を越えた。パナソニックではこの結果について、自分の努力による節電には限界があるという本音が垣間見えたと分析、家電製品の節電機能を求める傾向が現れているとしている。

 また、別の設問でも、「家電が自動的に節電してくれる機能への関心が高まった」(72%)、「自分も節電しているので、家電にも節電してほしい」(66%)、「家電選びの一番のポイントは『節電・省エネタイプ』」(61%)という回答があり、自動で節電する家電の利用意向が高まっているとしている。






(正藤 慶一)

2011年12月19日 15:39