シーメンス、聞き取りやすくなったコンパクトな補聴器
D7シリーズ |
シーメンス ヒヤリング インスツルメンツ株式会社は、新たな技術を搭載した補聴器「D7シリーズ」2製品を7月1日より発売する。製品の詳細は以下の表の通り。
モデル | 型番 | 希望小売価格 片耳 | 両耳 | 対応チャンネル数 | リモコン対応 |
Pure | 701 | 420,000円 | 714,000円 | 16ch | ○ |
501 | 320,000円 | 544,000円 | 12ch | ||
301 | 220,000円 | 374,000円 | 8ch | ||
101 | 170,000円 | 289,000円 | 6ch | × | |
Life | 701 | 420,000円 | 714,000円 | 16ch | ○ |
501 | 320,000円 | 544,000円 | 12ch | ||
301 | 220,000円 | 374,000円 | 8ch | ||
101 | 170,000円 | 289,000円 | 6ch | × |
Life | Pure | それぞれ10色以上のカラーラインナップを用意する |
ドイツの補聴器メーカー、シーメンスの新モデル。シーメンスは130年以上にわたって補聴器の開発・販売を行なってきたメーカーで、時代やその時のニーズに合わせて様々な製品を開発してきたという。同社によると、日本の難聴者人口は1,900万人だが、そのうち補聴器を装用しているのは全体の24%となる約470万人だという。また、難聴度が重度の人は補聴器に対してポジティブなイメージを持っているのに対して、軽度の人はネガティブなイメージを持っている傾向が強いとする。
日本の難聴人口のうち、補聴器を使っているのは全体の24%だけだという | 難聴が重度の人ほど、補聴器を使っている割合が高く、補聴器に対してのイメージもポジティブなものが多かった | 新モデルでは、聞き取りや快適性に関する新たな機能を搭載した |
今回発表したD7シリーズでは、聞き取りやすさ、使いやすさをさらに向上させるために新たな技術を3つ搭載したほか、補聴器に対するイメージを払拭するためにデザインやカラーリング、ポロモーションを一新したという。
機能面では、正面からだけでなく、後方や横方向からの音も聞き取りやすくする「スピーチフォーカス」機能、使用中のハウリング音を防止する「ハウリングストッパー」機能、さらにあらかじめ音量や音質を調節しておくことで、装用者が今いる環境を感知し、自動的に環境を切り替える「サウンドラーニング」機能の3つを新たに採用。同社ではこれらの技術を総称し「BestSound Technology(ベストサウンドテクノロジー)」技術としている。
正面からだけでなく後方や横方向の音も聞き取りやすくしたスピーチフォーカス機能 | 周波数をシフトさせることで使用時のハウリングをおさえるハウリングストッパー機能 | 事前に調節した自分好みの音量や音質を自動で切り替えるサウンドラーニング機能 |
今回D7シリーズでは、スピーカーを耳栓と一体化して、直接耳に入れるタイプの「Pure」と、スピーカーを耳せんに内蔵しない「Life」の2モデルを用意。Pureは、鼓膜に近い場所で音を出すことができるため、より聞き取りやすいモデル。Lifeは、耳栓がPureに比べてコンパクトなため、耳が小さい人や耳の内部形状が複雑な人向きのモデルだとする。
いずれのモデルも、上位3機種は専用のリモコン(別売り)「Tek(テック)」と「ePen(イーペン)」に対応する。Tekは、補聴器の調節を行なえるほか、ブルートゥース対応の携帯電話、テレビ、オーディオなどを音声を直接つなげ、音をダイレクトに補聴器に送ることができるリモコン。価格は5万円。ePenは、外出先にも手軽に持ち運びできるペン型のリモコン。価格は3万円。
ブルートゥース対応の携帯電話、テレビ、オーディオなどを音声を直接つなげ、音をダイレクトに補聴器に送ることができるリモコン「Tek(テック)」 | 本体にデザインを施したモデルも用意する |
1998年のミス・USAのShawnae Jebbiaさん |
本体デザインでは、「Pure」には10色、「Life」には13色のカラーラインナップをそれぞれ用意したほか、外から気付かれにくいコンパクトな本体を採用。また、従来の補聴器メーカーのイメージを取り払うためにCMキャラクターには1998年のミス・USAのShawnae Jebbia(シャーニー・ジェビア)さんを起用した。
Shawnae Jebbiaさんは、ミス・USAに選出された年にメニエール病による難聴であると診断されながらも、タレント業をエネルギッシュにこなしており、全米の難聴者の代表的な存在だという。
相田翔子さん |
会場にはCMのナレーションを担当した元Winkの相田翔子さんも登場した。相田さん自身、15年まえに突発性難聴、1年半前にメニエール病により難聴になったという。現在では聴力は回復しているが、この経験は自身のキャリアの中で大きな経験になったという。会場では、CM撮影の時の様子やお互いの経験についてトークセッションが行なわれた。
現在、自身も補聴器のユーザーであるShawnae Jebbiaさんは、補聴器を付けるメリットについて「補聴器を付けてから聞いたことのない音や忘れていた音をきくことができるようになった」と語った。また聞こえるようになって聞いた音の中で嬉しかったものは? という質問には「まずは、自分の声がきちんと聞こえるようになったことです。耳が聞こえないと自分の話している声が聞こえないので、自信を持って話すことができなかった。今はきちんと聞こえるので話すのが上手になりました」と話した。
シーメンス ヒヤリング インスツルメンツ 代表取締役社長ベルント・ウィバー氏 |
シーメンス ヒヤリング インスツルメンツ 代表取締役社長ベルント・ウィバー氏はD7シリーズについて「目立たない補聴器があるのに、それを知らずに補聴器を使っていない人が多い。補聴器に対するネガティブなイメージを解消するために、今後も啓蒙活動やポジティブなイメージのプロモーションを積極的に行なっていきたい」と話した。
(阿部 夏子)
2010年6月4日 00:00