長期レビュー
東芝「VEGETA GR-F56FXV」
東芝「VEGETA GR-F56FXV」 後編
~ベジータのおかげでわが家の野菜摂取率はますます向上!
(2012/12/17 00:00)
東芝の冷蔵庫「ベジータGR-E62FX」を愛用中のわが家に、新モデルのモニター依頼が舞い込み、1カ月間お借りして実際に自宅で使っている。前編では、デザインが刷新されてプレミアム感が増した様子や、進化した節電性、そして「保存したほうがおいしくなる野菜室」の威力について紹介した。後編では、ベジータならではのもう1つの大きな特徴「野菜そのまま冷凍」について、おすすめメニューや日々の活用の仕方についてお話ししよう。
セロリもジャガイモも生のままで冷凍できる!
野菜室のすぐ下、製氷室の右側にあるのが「上段冷凍室」だ。ここでは手前にアルミプレートを置いて、炊きたてのごはんや焼き立てのハンバーグ、多めに作った離乳食などを熱々のまま冷凍できる「熱もの冷凍」ができるほか、グリーンのマットを利用しての「野菜そのまま冷凍」ができる。
野菜冷凍できるものは、大根や人参、玉ねぎ、パプリカ、ズッキーニ、キノコ類と幅広い。なすやほうれん草、ごぼうなどのようにアクの強い野菜や、レタスやキュウリなどのように生で食べる野菜以外はOKだ。いずれも、食べやすい大きさに切って、チャック付きの保存袋などに入れて密封して冷凍し、料理する際には凍った状態のまま一気に加熱する。
今の季節のおすすめは、丸ごと買ったほうがお得だけれど、使い残してしまうこともある大根やキャベツ、白菜など。みそ汁やスープ用、鍋用など使う用途に応じて切り方を変えて野菜冷凍しておくと、とても便利。
また、これまで冷凍すると、歯触りなどが悪くなってしまっていたジャガイモやセロリなども、ベジータならとてもおいしく冷凍できる。
ジャガイモだけはちょっと下ごしらえが必要。皮をむいてから塩水につけ、水分を十分に拭き取ってから冷凍する。これはすぐに使う場合でも必要な作業なので、「時間のあるときにこの下ごしらえをして、後から楽をする」と思えばいいだろう。忙しいときのジャガイモの皮むきは案外、面倒なもの。ポテトサラダを作りたい、シチューに入れたいというときにも冷凍室にストックされていると本当に便利に使える。
今回、ベジータのホームページでも紹介されている「豚と野菜のマスタードマヨ和え」を作ってみたが、1つの鍋に順番に材料を入れて、取り出し、マスタードとマヨネーズ、ハチミツを合わせて作ったソースで和えるだけで、簡単に風味豊かな一品が出来上がった。生のまま冷凍しておいたジャガイモは、茹でてもいつもどおりのホクホクした食感。冷凍したキャベツはわずか10~20秒でシャッキリと色鮮やかに茹であがる。
また、冷凍しておいたセロリや人参、大根を使った野菜スープもぜひおすすめしたいメニューの1つ。ベーコンやニンニクと一緒に次々に炒め合わせ、水を加えて20分程度煮込むだけで、長時間コトコト煮込んだようなスープが出来上がる。冷凍しておいた野菜は、加熱した際に火のとおりが早く、スピーディに調理できるのがうれしい。
風味が増して味の染み込みがよくなるドライモード
「野菜そのまま冷凍」は密封して冷気を当てないように冷凍する機能だが、もう1つ「野菜そのまま冷凍ドライ」機能というものもある。これは、野菜を浅い容器などに入れ、ふたをしないでじっくり水分を抜きながら冷凍するというもので、冷凍時間はだいたい8時間ほどかかる。
2011年モデルのベジータのレビュー記事では、ドライモードで冷凍した玉ねぎを使うと、通常なら30分以上も時間のかかる“アメ色玉ねぎ”が、わずか5分程度で出来てしまい、カレー作りにも便利だと紹介したが、秋から冬にかけて品数が豊富なキノコ類もドライモードにしておくとおいしくなる。ベジータの野菜室は鮮度保持能力が高いので、冷凍しなくても週末に購入したキノコは優に一週間持つが、ドライモードで冷凍すると、まるで天日干しした「干しシイタケ」のように味が濃くなるのだ。
そのほか、大根もドライモードで冷凍しておくと、煮物やおでんを作る際に短時間で味が染み込むのでおすすめ。生のままの大根の場合、下ゆでをしたほうがえぐみが抜けて、味の染み込みがよくなるが、そうした下ごしらえなしでも、出汁をどんどん吸い込んで甘くおいしく煮える。レビュー記事用にと鶏肉と大根の煮物を作ったが、鶏肉に比べ大根のほうがあまりに早く煮えてしまい、「もっと大きめに切って冷凍しておいてもよかった」と思ったくらいだ。
「野菜そのまま冷凍ドライ」は揚げ物の際にも威力を発揮する。天ぷらやフリッターなどの揚げ物をする際には、水分を多く含む野菜では油ハネが気になるが、乾燥させているのでその心配がないのだ。しかも、凍ったまま揚げるため、天ぷらの衣が冷やされ、夏場でも衣に氷を入れたり冷水を使ったりという手間要らず。つまり、天ぷらが苦手な人でもカラリと揚げることができるのはうれしい。
ちなみに冷凍してあるサツマイモやカボチャの揚げ物だからと、調理時間が余計にかかることはない。生のままで揚げるのとほとんど同じ感覚でOKだ。
どんなに忙しくてもベジータがあれば野菜たっぷりのメニューが実現
先日、厚生労働省が公表した平成23年の国民健康・栄養調査によると、日本人の成人が1日に食べる野菜類と果物類、魚介類の量が10年前に比べると減る一方、肉類が増えて「肉食化」が進んだのだという。厚労省は「野菜や果物の摂取量が少ないと生活習慣病の発症リスクが高まる」として栄養のバランスのよい食事を心がけるように呼びかけている。野菜の購入を控えている理由の1つに「買い物をできる時間に店が開いていない」というものもあったという。
そんな調査結果とは裏腹に、わが家の野菜摂取率はますます高くなっているように感じるのは、やっぱり「ベジータ」という心強い味方がいるからだろう。平日は買い物をしている時間がほとんど取れないし、遅い時間に買い物をしたくても生鮮を扱っているスーパーなどはすでに閉店していることも多い。そのため、週末のまとめ買いが習慣になっている。買い物かご2個分以上が野菜や果物で占められるが、それだけの分量でも楽々収まる野菜室。次の買い物まで、葉物野菜でも鮮度を保ったままでいてくれる“鮮度保持力”の高さ。さらには、野菜の下ごしらえに大活躍する「野菜そのまま冷凍」や「野菜そのまま冷凍ドライ」といった便利機能など、野菜をおいしく食べるための機能が本当に充実しているのだ。
帰宅時間が21時、22時となれば、大急ぎで食事の支度をしなければならず、食材の品数が減ったり、時間のかかる煮物などは敬遠したりしがちだが、ベジータがあればそんな心配はない。すでに切ってある野菜、皮のむいてある野菜、短時間でも味のしみ込む野菜が冷凍室にスタンバイされているのだから、煮物だろうが、ポテトサラダだろうが、温野菜のサラダだろうが、野菜たっぷりの具だくさんスープだろうが、あっという間に完成してしまう。
こうした“下ごしらえ”も、週末に時間をたくさん使って行なっているわけではなく、せいぜい、ジャガイモを皮をむいて切り、塩水につけてから、水気をふいて野菜冷凍するといった「ひと手間かかる」作業くらいだ。後は、食事の支度をしながら余ったものや多めに刻んでおいたものをチャック付きの保存袋に入れて冷凍しておいたり、その週の献立に合わせて大根をドライモードで冷凍しておいたりという、おまけのような準備で済む。
また、帰宅時間がとことん遅くなり、疲れてしまって何もしたくない…という時なら、究極のお助けメニューとして、“そのまま冷凍しておいた野菜を使ったなべ”という手もある。つい先日も肉と豆腐以外は、野菜もキノコ類もすべて冷凍室のストックを使ったなべという奥の手を使ったが、家族からは「早く煮えるし、キノコも味が濃くてうまい!」と大好評だった。
ベジータは共働きなど働く女性におすすめしたいが、赤ちゃんのいるお母さんにもきっと便利なことだろう。お昼寝中にちょっと準備しておいたり、買い物に行けない時には、そのまま冷凍の野菜を使ったり。それに新しいベジータには「雪下野菜のように“保存したほうがおいしくなる」といううれしい機能まで加わっている。甘みのある野菜なら、野菜嫌いの子ども(もちろん大人も)も野菜好きになるかもしれない。だから、野菜好きはもちろんのこと、野菜の摂取量が減りがちな人にもぜひベジータをおすすめしたいと思うのだ。