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長期レビュー

東芝「E-CORE マルチカラーLEDシーリングライト」最終回

〜青い光で仕事に集中する空間を演出。革命的シーリングライト
by 藤原 大蔵

 
「長期レビュー」は1つの製品についてじっくりと使用し、1カ月にわたってお届けする記事です。(編集部)



東芝「E-CORE (イー・コア) マルチカラーLEDシーリングライト LEDH95004YX-LC」

 「光の三原色」のRGB(赤・緑・青)のLED光源を搭載した、東芝の「マルチカラーLEDシーリングライト」の連載も、いよいよ最終回。第1回目では、初回は取り付けや設定、RGBと配光性を活かしたさまざまな明かりのモードとその変化、2回目は各モードにおける使い勝手と消費電力について紹介した。

[第1回目はこちら] [第2回目はこちら]

 最終回は、RGBを使ったビビッドな7色の「カラーモード」の活用例と、日中の外光に応じてライトの明るさを自動で調光し、節電してくれる「楽エコ」を紹介しよう。


最初は使い方に迷った「カラーモード」、今では仕事に欠かせない明かりに

 「カラーモード」については初回でも触れたが、もう一度おさらいしておこう。リモコン下部の「カラー」ボタンを押すだけで、光が「青」→「青緑」→「緑」→「黄」→「橙」→「赤」→「紫」→「青」……の順で変化し、約12秒で一巡する。好みの色になった時、再び「カラー」ボタンを押せば、光色が固定できる。無段階で色が変化するので、各色の中間色の選択も可能。「明・暗」ボタンで10段階の調光もできる。

 しかし設置した当初は、このカラーモードの使い道について、かなり戸惑ってしまった。カタログでは“7色のカラーでくらしにあそびごころを”と謳われているが、青や緑、赤やピンクといったビビッドな色合いの光は、日常の明かりからあまりにもかけ離れ過ぎて、どのように使っていいのか、すぐにはわからなかった。正直、この機能って必要かなぁ? とさえ思ったほどだった。

部屋全体が7色包まれるカラーモード。初めて目の当たりにした時は、いったいどのように使うのか戸惑った 光源のLEDは、写真のように「RGB」の明るさを切り替えて色を演出している カラーモードはリモコンの下部をスライドし、「カラー」ボタンを押して選ぶ。連続で光色が変わるが、もう一度ボタンを押せば、好みの色が固定できる

カラーモードをスタートすると、電球色、昼光色のLEDが抑えられ、RGBの成分が入れ替わり、それぞれの色を作り出す。各色は、1色、または2色のLEDの明るさの組み合わせで作られる

 ところが、試行錯誤しながら使ってみると、コレが意外と使える。単体では明るさが弱めで、直下照度は最大でも65〜22lx(色によって異なる)程度だが、それぞれの色を補助光として扱い、他の照明器具や自然光と組み合わせると、今までのシーリングライトでは味わえなかった雰囲気、色による心理的な効果が演出できる。楽しいだけでなく、かなり効果的に使える。

 実例を紹介しよう。最初は、青色の光を仕事場で活用する方法だ。少し暗めに調光した青色で部屋全体を照らし、視界に入る手元や机の上は白色のデスクスタンドを使った。

 部屋全体が青色に染まると、こまごまとした物が目立たなくなるため、視線が白色のスタンドで照らされたデスク上に自然に集中する。青色は、心理的なリラックス効果や集中力を高めるといわれているが、確かに、普通の明かりよりも集中しやすかった。結果的に、仕事が捗ったのだ。この組み合わせは、家で仕事をする際の定番の明かりとして、本当に気に入ってしまった。

仕事場を青色のカラーモードにした状態。青色は冷静さが保ちやすく、集中力を高める色といわれている。室内のこまごまとした物も目に入らなくなり、PC画面や手元に集中しやすくなった。時間の感覚も短く感じられるようになるという 全光の明るさを落とした様子。画面に集中しやすい明るさでも、気持ちがどうしても散漫になりやすい 電球色は落ち着いた雰囲気が演出できるが、明るさを抑えると眠りも誘ってしまう光色だ

 また色を変えれば、くつろぎの時間を目的別に演出するのにも応用できる。じっくり本を読みたい時は青系(リラックス&集中)、ストレスを和らげたいなら緑系(リラクゼーション&安定)、元気になりたいなら思い切って赤系(生命力&情熱)…など。この場合も、普段の明かりの色のスタンドを組み合わせ、手元付近や部屋の一部を照らせば、普段の生活にも取り入れやすいと感じた。

 色の印象による心理的な演出は、日中でも有効。具体的には、曇りや雨の日の補助光として活用する方法だ。冬なら赤や橙の光で暖かな雰囲気、温度と湿度の高い夏なら、青や緑系の光でスッキリとした涼しげな雰囲気が演出できる。

非日常的なカラーモードも、普通の照明器具と組み合わせると使いやすい。青色は集中力を高めるだけでなく、リラックスできる色でもある 緑は瞳への刺激が少なく、気持ちに安定感をもたらすと言われている 赤系は生命力にあふれ、明るく元気さを演出する色と言われている。時にはこのような非日常的な色空間で過ごすのも面白いだろう
どんよりと曇った日や雨の日は明かりが欲しくなる 底冷えのする寒い冬の曇りの日、暖かみが感じられる赤系の光を自然光に足すと暖かみが増す 重苦しい蒸し暑い梅雨の時期は夏なら、青色の光でスッキリ感を演出するのも効果的だ

 上記の「カラーモード」の実例は、あくまでも筆者の好みやアイデアによるものではあるが、「色彩心理学」という学問が確立されているように、色の違いは、人の心理や生理面に影響をもたらす。また、単純に電球色や白色の照明と違う演出が、自宅で気軽にできるのは楽しい。ボタンを押すだけで部屋の雰囲気がガラリと変わるので、手軽な気分転換としても効果的だろう。

 ちなみに、カラーモードの消費電力はとても少ない。最大でも18W、調光時の最小は6W程度だった。

センサーが外光を検知し、自動で省エネしてくれる「楽エコ」

 消費電力の話が出たところで、次は省エネ機能について紹介しよう。本製品には「明るさセンサー」が内蔵されており、外光や他の照明器具の明るさを検知し、器具の明るさを自動で調光してくれる「楽エコ」モードが搭載されている。

 例えば昼間、楽エコモードで点灯すれば、刻々と変化する外光をセンサーが見張り、室内が十分に明るければ明るさを落とし、暗くなれば明るくしてくれる。つまり、無駄な明るさを自動で抑えて、文字通り楽に省エネしてくれる機能だ。

外光が明るいと、照明を自動で抑えて省エネしてくれる「楽エコ」機能も搭載 外光の明るさをセンサーが検知して、自動で照明の明るさを調光し節電してくれる(カタログより抜粋)

 「楽エコ」の操作はいたって簡単。点灯・消灯・セレクトモードに関係なく、リモコンの緑色の「楽エコ」ボタンを押すと、本体の緑色のLEDが灯り、楽エコモードがスタートする。楽エコモードの最大の明るさは、初回で紹介した「環境設定」の時の“ちょうどいい”と思う明るさが基準となる。

 環境設定の詳しい説明については初回を見ていただきたいが、この設定時の明るさを少し抑え目にしておくほど、より高い省エネ効果が得られることになる。なお、楽エコボタンを押したときの光は、全光の白色が基本だが、最後の点灯が「普段モード」だった場合のみ、その時の光色で点灯する。

楽エコを機能させるために、“ちょうどいい”と思える明るさを器具に記憶させる「環境設定」をしておく必要がある。明るさを調節した後、「メモリ」ボタンを押しながら「楽エコ」ボタンを押すだけで設定できる 仕事部屋兼寝室は、200lxもあれば十分に明るいと感じられた 楽エコ運転時、明るさセンサーの脇にある緑色のLEDが点灯し、知らせてくれる

 それでは実際の部屋で使った「楽エコ」の働きぶりをレポートしよう。器具を設置した場所は、東南に面した6畳の「寝室兼仕事部屋」だ。基準となる明るさは、机の上で約210lxになるように調光し、環境設定した。

【スタート時】
 日の出から30分後の朝7時に測定を開始。楽エコ点灯開始時の明るさは207lxだった。太陽光はまだ無いが、外は明るい。センサーはしっかり外光を検知しているようで、室内は夜中に環境設定した明るさとほぼ変わらない。既に調光はスタートしているようだ。

【早朝〜昼】
 7時半頃から、部屋に太陽光が徐々に差し込み始め、この頃から、照明は徐々に暗くなっていく。明るさを示す数値が落ちはじめるが、太陽光が部屋を直接照らすため、どんどん明るくなっていった。7時45分の時点で、既に器具の明るさは最小まで絞り込まれ、その状態は12時過ぎまで続いた。

【昼〜日没】
 13時を過ぎた頃から、部屋に太陽光が直接差し込まなくなる。それに伴って、照明が徐々に明るくなり始めたが、室内の明るさは200lx前後を保っていた。この間、日が翳って外が暗くなれば照明が強めになり、日が現れて外再び明るくなれば、照明は暗くなった。調光は穏やかで、1分前後かけてゆっくりと変化した。

 以上のように、点けっぱなしにした状態でも、「楽エコ」は外光の強さに応じて自動調光し、しっかり働いてくれたのがわかった。

【楽エコ:7時〜7時45分】
太陽光が部屋に差し込む前から、外光を検知して調光が始まっている。陽が入ると調光はさらに進む
太陽光が入る時、自動で1%の明るさまで調光する。消灯は自動ではしない
【楽エコ:8時〜12時】
太陽光が入っている間は、楽エコで最小の明るさまで自動で調光したままだった
【楽エコ:13時〜17時】
日が傾いて日差しが直接入ってこなくなると、照明は次第に明るくなっていき、設定した明るさを保つ

「楽エコ」アリとナシで、電気代はどれだけ変わる?

 ここでひとつの疑問が浮かぶ。楽エコで点灯することで、どれくらい電気代が節約できるのか。我が家の場合で比較してみよう。

 試算の条件は、朝7時から日没後の17時まで、毎日10時間点灯すると仮定し、楽エコの有無で1カ月(30日)の電気代の差を見るというもの。ちなみに、環境設定した210lxの時の消費電力は26W、1%まで調光した時は5Wだった。

 まずは、楽エコなしの場合。210lxを常に点灯し続けることになるわけで、1日の電気代は約5.72円。

 次に楽エコモードありの場合。直射日光が入っていたのは合計5時間15分(7時45分〜13時迄)で、この間は確実に1%まで調光していた。その分を差し引くと、電気代は3.3円となる。電気代が4割も抑えられることになる。

全光の消費電力は79W(写真左)。部屋の適正な明るさを見極めて環境設定しておけば、楽エコモード(写真右)で勝手に節電し、電気代も大幅に安くなる

 これがもし、環境設定もせずに常に全光状態(79W)で10時間点灯したなら、一日の電気代は17.38円と、楽エコありの5倍以上になる。1年間(365日)の電気代で比較してみると、楽エコで点灯すれば1,204円なのに対し、全光は6,344円。年間で5,139円も節約できる試算となる。

 もちろんこの比較は、特定の1日の結果だけで算出したもので、現実に即していない。外光の明るさは、天気や季節で変化するし、本製品を設置する室内の環境もさまざま。とは言っても、楽エコモードで点灯すれば、明るさを我慢することなく、省エネできるのだ。

 1つ残念なのは、自動消灯をしてくれない点だ。楽エコで1%まで自動調光してくれるが、それでLED電球一個弱分の5Wを消費しているのは変わりない。完全にOFFにはならないのだ。より節電するならば、室内が十分に明るいと感じた際に、できるだけ消灯するのが良いだろう。


LEDの“朝日”とともに目覚める、分単位で設定できるタイマー機能は便利

 この連載で最後に紹介するのが、タイマー機能だ。設定は全てリモコンで行なうが、リモコンに設定時刻などが具体的に表示され、とても使いやすい。

おめざめ設定は簡単。リモコンの「おめざめ」ボタンを押し、起床時刻を「時・分」で設定する。分単位で設定でき、時刻がリモコン上に表示される

 特に便利なのが、「おめざめタイマー」。設定時刻にいきなり“パッ”と点灯するのではなく、30分前からゆっくりと点灯するので、まるで朝日が徐々に昇るように起きられるのだ。夜間、カーテンを閉め切って眠る際には便利。分単位で細かく時間が設定ができるのもポイントが高い。

 設定はとても簡単だ。点灯・消灯に関わらず、リモコンの「おめざめ」ボタンを押す。次に「時・分」ボタンで起床時刻を選び、「おめざめ」もしくは「メモリ」ボタンを押して決定するだけだ。光色はリモコンの「シーン2」に設定されたものが適用されるので、好みの光色・明るさが選べるのも特徴のひとつ。

 タイマーではこのほか、残り10分前になるとゆっくりと消灯、または常夜灯にする「おやすみタイマー」や、居留守を装う時に便利な「入りタイマー」、「切りタイマー」も装備されている。

おめざめタイマーで点灯した様子。設定時刻の30分前に昼光色の明かりがほのかに灯り、15分かけてゆっくりと明るくなる。その後15分かけてゆっくりと「シーン2」に設定した光色・明るさで点灯する おやすみタイマーは、リモコンの「30分切」または「60分切」ボタンを押せばスタートする。リモコン上で消灯まで、一分毎のカウントダウンが表示される おやすみタイマーで消灯する様子。「30分切」、「60分切」に関わらず、残り10分前になるとゆっくりと消灯が始まる。消灯にするか、常夜灯にするかは選択可能だ


LEDの可能性を提示した革命的なシーリングライト

 この東芝「マルチカラーLEDシーリングライト」について、ひと月以上使い続けたが、部屋の中心の明かりとして大いに快適なのはもちろん、住み慣れた自宅で「こんな過ごし方までできるのか!?」と驚くほどの、新鮮な満足感があった。

 というのも、電球色〜昼光色まで調色・調光でき、配光にも考慮したLEDシーリングライトは、市場には結構ある。“さまざまな生活シーンに対応する明かりが演出できる”というレベルの機能だけであれば、特に驚きは感じなかっただろう。

 しかし、「R(赤)」「G(緑)」「B(青)」という「光の三原色」のLEDを採用し、それぞれの光の分量を切り替えることで、「癒し」や「眠り」の明かりを演出するというのは、LEDが持つ明かりの可能性を積極的に提示した点で大いに評価したい。7色の光を目の当たりにした時はさすがに戸惑ったが、実際に使ってみると、これまでの照明器具とは全く異なる使い勝手に魅了された。

 特に気に入っているのは、光の色を思いっきり変えて、気持ちの緩急を大きくつける使い方だ。仕事中は青色をベースにした明かりで集中力を高め、仕事が終わったら間接光だけのシアターモードに切り替えて、心行くまで大いにくつろぐ。ついさっきまで必死になって仕事をしていたのが、嘘のように気持ちが切り替わるのが面白い。色による精神面や心理的な部分まで踏み込んだ明かりは、ちょっと前までは全く想像もつかなかった。しかもそれが、リモコンのボタン1つで、全く違う印象が演出できてしまうのだ。

 確かに、価格はほかの製品よりも高価だ。しかも、RGBによるカラフルな光色は、必ずしも万人向けではないかもしれない。とは言え、日常的なメインの明かりとしての完成度が非常に高く、しかも大幅な節電が可能なので、それだけでもオススメできる価値がある。もちろんLEDなので、定格寿命は40,000時間と長い。自分らしい使い方を見つけだすだけの余裕もたっぷりある。

 照明に興味のある方はもちろん、起床から就寝時まで、生活空間を明かりでより豊かに彩りたいと思う方は、ぜひ検討をお勧めしたい。



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2012年2月20日 00:00