長期レビュー

ダイソン「DC26」 その2

~小回りが利いて日本の住宅にマッチ!! でもウルサめ
by スタパ齋藤

 
「長期レビュー」は1つの製品についてじっくりと使用し、1カ月にわたってお届けする記事です。(編集部)



ダイソン「DC26 turbinhead complete」

 ダイソンの日本市場向けサイクロンクリーナー「DC26 turbinhead complete」の長期レビュー第2回目っス。実際にDC26で掃除し始めて約2週間経過したので、基本的な使用感などについてレポートしてみたい。なお、第1回目のレポートはこちら

 DC26で主にフローリングの床を掃除してるんですけど、拙者的印象においては、いい話と悪い話がある。さあ、どっちからいく? なんちて。

 掃除機なので、まずは吸引力からですな。拙者的結論から言えば、このサイズにしては十二分に強い吸引力があると思う。DC26は前回でも書いたように、フットプリントの狭いコンパクトな掃除機だ。部屋の隅に常時出しておいても許せるサイズ。

 なのだが、いざ掃除を始めると、日本製の「従来機より吸い込み仕事率○%UP!!」みたいに吸引力の強さを謳う掃除機に勝るとも劣らない仕事っぷり。チリやホコリはもちろん、猫砂のようなやや大きめのゴミまで一発で吸引してくれる。

 また、数ミリの段差のようなところに入り込んだゴミとか、あるいはタンスの足に引っ掛かった綿埃もちゃんと吸ってくれる。ヘッドでその周辺を何度もゴシゴシしなくても、だ。

 以上、DC26の吸引力に関するイイ話なんですけど、同時に悪い話も少々。

 それは、動作音が大きいこと。いや、ミョーにヤカマシく聞こえるといった方が正しいかも。DC26の動作音は、全体には「ま、ある程度吸引力が強い掃除機だし、こんなモンだろう」と思える半面、動作音に少々クセがあって、やや鋭い高音が目立つ。キュイーン、的な。

 DC26の動作は強と弱を切り替えられ、強で運転すると上記のような耳障りな音がする。弱にすれば若干静かにはなるが、それでもやや独特の高音成分を含む排気音が聞こえちゃう。また、ヘッドを床から離すと、ヘッド部分からの吸気音も意外なほどウルサかったりする。

 これらが「なんかずいぶんウルサイ掃除機かも」てな印象につながる。ぶっちゃけ、そーとー耳障り。正直な話、こういう動作音が出るとなると、近所迷惑の恐れから夕方~夜の掃除機がけをする気になれない。まあ、昼間掃除機がけすれば良いとは思うが、休日で間近のお隣さんが窓空けてくつろぎ中とか、誰かがテレビを視ているときとかは、やっぱりDC26使用を遠慮しちゃう感じ。てのが悪い話だ。

 あと、気になる部分として、排気が激しく、排気自体が若干の熱を持っていること。DC26の本体は比較的に軽量なので、左手で本体を持っての掃除が案外快適。だが、そのとき、DC26からのけっこーホットな排気が太もも~腰あたりにダイレクトに当たって気持ち悪い。また、汗ばむ気温の昼間にこの排気が体に当たると、マジで汗をかく。ので、ホースを左手で、本体を右手で持つのがいいかも……やりにくぅ~。じゃあ床に置くか、みたいな。

DC26のハンドル部には電源のON/OFFと吸引力の強弱切り替えボタンがある。吸引力が強だと、たぶん、誰でも「ミョーにウルサいねぇ」とか感じる独特の動作音が出たりする運転中は吸気によってヘッド内のブラシが回転する(止めることもできる)。このブラシ回転音も少々うるさめかも。床からヘッドを離すとさらにブラシ回転音+吸気音がUPDC26は前方に向かって、左側にホースがつながり、右側に排気口がある。排気は斜め上に向かって噴射する。排気自体が強く、また熱がこもってもいる

 まあ、小型なのに十分強い吸引力があると考えれば、ウルサめ排気音や、ホットでハードな排気はトレードオフ要素だと受け取るしかないのかもしれない。また、排気音については「こりゃウルサい!!」と思う人と「このくらいならイイじゃん」と思う人があるかも。できればDC26の排気音と排気量/温度、実機に触れて確かめてほしい。

 この機種ならではの大きな利便も感じた。前述の強い吸引力も良さのヒトツだが、付属のタービンヘッドがヒジョーに便利なのだ。

 タービンヘッドは吸気により回転するブラシを内蔵したヘッドだが、まずこのブラシが細かめのゴミをしっかりかき取るのがナイス。吸気によるブラシ回転なので絨毯の上とかだと回転が弱まるかナ? と思ったが、なかなか力強く回転し続け、絨毯上の猫の毛なんかもスッキリと。

 それと、タービンヘッド自体の横幅の狭さと、タービンヘッドとパイプ関節部分の可動自由度の高さがイイ。ヘッドを床に付けた状態で、パイプは床に対して垂直~水平に動き、ヘッドと直角~平行にも動く。下の写真のように、ほとんど自由自在に可動する。ので、高さ10cmくらいの隙間───ベッド下やテレビ台の下なんかも容易に掃除機がかけられる。

 また、タービンヘッド自体の横幅が約21cmで、普通一般の日本製掃除機のヘッドと比べるとかな~り幅が狭い。ので、フツー的ヘッドだとつっかえて入らないような狭い箇所の掃除も楽勝だったりするのだ。

DC26のタービンヘッドとパイプ。パイプの関節部分は可動範囲が非常に広い。この状態で、パイプを床と垂直の状態まで立てられる床と水平の状態に倒せる。また、関節部には回転するタイヤのような機構があるので、この状態で前方に転がせる横方向にも倒せる。床と水平状態まで倒せて、また、ヘッドとパイプが平行する状態まで曲げられる。ほとんど自由自在に動く関節部分なのだ
関節部分が自由に動くので、このように低い空間も問題なく掃除できる関節が柔軟で、かつ、タービンヘッドの幅が約21cmと狭いので、こんな場所にもヘッドを進入させられる。入り組んだ場所の掃除がラクですな拙宅の掃除機ヘッド鬼門、トイレの隙間。どの掃除機(の標準ヘッド)もココだけにはスンナリ入っていかなかったが、DC26のタービンヘッドならマジ楽勝なのであった!! タービンヘッド、偉いっ!!

 てな感じで、DC26の基本機能について、実は最も感激したのが横幅が狭いタービンヘッドと、パイプ先端の柔軟な関節部分だったりする。

 重要っスよね、こういうトコ。ヘッドがデカい掃除機なら一気に掃除できて効率が良いとも言えるが、入り組んだ箇所の掃除が“四角な座敷を丸く掃く”状態になりがち。

 一方、DC26の幅狭タービンヘッド+柔軟関節パイプだと、広い面の掃除の効率がちょっと悪いかもしれないが、狭く入り組んだエリアの掃除をストレスなくスムーズに行なえる。

 こういう繊細さ、これまでのダイソン製クリーナーにあったんだろうか? ともあれ、こういう日本の住宅事情をよく考えて作られた使い勝手と、意外なほど強い吸引力があるので、ま、多少ウルサいのも許しちゃおうかしら、てな気になるのであった。



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2009年6月12日 00:00