【特別企画】
一番使えるステンレスボトルはコレだ! 後編
梅雨も後半戦で、どんどん気温が上がってくる時期。家電Watchでは、昨日の前編に引き続き、飲み物を持ち運ぶ際に便利なステンレスボトルについて、特別企画でお送りしている。
前編では、ステンレスボトル市場のトレンドについて触れると同時に、実際に編集部が買ってきたステンレスボトル9製品の保冷・保温効果を調べ、ランキング表にまとめた。
後編では、この中から編集部員3人それぞれが選んだイチオシの1本をご紹介する。
■サーモス「真空断熱ケータイマグ JMZ-350」
~旅行にもスポーツ観戦にも、ストレスフリーで持ち歩ける by 正藤 慶一
サーモス「真空断熱ケータイマグ JMZ-350」。ステンレスボトルなら、ペットボトルのようにサッカー場の荷物検査で引っかかる心配がない |
私が選んだのは、サーモスの「真空断熱ケータイマグ JMZ-350」。前編の実験のコーナーで、保冷性能が一番という結果になったボトルだが、使ってみると、これがもう手放せなくなってしまった。
まず良かったのは、実験でも出たとおりの高い保冷性能。6時間程度なら十分な冷たく感じられるし、1日置いた場合でも、まだ冷たさが残っている。
これまでだったら、少しノドが乾いた、あるいは冷たい飲み物が飲みたくなった場合は、自動販売機で120円の小さいペットボトルを購入していたが、このボトルを持ち歩けば、そんなことをせずともバッグの中に冷たい水が入っている。すぐに飲めるし、無駄なお金を使うこともなく、これぞ一石二鳥だ。
また、飲み口にはプラスチックのカバーが付いており、ボトルの冷たい金属部分に口を付けることもない。口当たりは非常にソフトだ。さらに、栓の中央にあるパッキンが、中から出てくる飲み物を一端せき止め、隙間から流すため、飲み物が流れでてくる勢いが柔らかい。一気にドバっと飲み物が出ることがないので安心だ。
それにしても、ステンレスボトルというものは本当に便利だ。ペットボトルだと、空港の保安検査場や、サッカー場の荷物検査で引っかかったりするが、ステンレスボトルならスルーだった(空港は国内線の場合。ただし、バッグから出さないと呼び止められることもあるようだ。これについては当記事の後半で)。このストレスフリー感も、ステンレスボトルの特徴だ。使い始めはやや太めに映った本体も、いざバッグに入れればまったく邪魔にならなかった。
ただ1つの難点は、パッキンなどプラスチック部品が多いためか、ニオイがつきやすい。コーヒーやフルーツジュースなど、ニオイが強めな飲み物を入れた後は、その次に入れた飲み物にニオイ移りする可能性が高い。パーツは簡単に取り外せるので、気になる場合はしっかり洗っておきたい。ちなみに、食器洗い乾燥機で洗うことは、説明書で禁じられていた。
飲み物が流れ出てくる勢いが弱く、口当たりはソフトだ。パッキンなどプラスチック部品が多いので、こまめに洗ってニオイ移りしないよう気をつけたい | ビジネスバッグに入れても、ノートパソコンの脇に収まる。黒いカラーも馴染みやすい |
カラーは今回使ったブラックのほか、ピンクとレッドもあるので、女性でも男性でも、高齢者でも使えるだろう。また、ほぼ同じデザインで、背が高くなった480mlタイプもあるので、ペットボトルからの移行を考えている方にはそちらもおすすめする。この夏迷ったら、サーモスのボトルにしておけば間違いない!
・サーモス
http://www.thermos.jp/product/
・製品情報
http://www.thermos.jp/product/mag/motion/jmz-350.html
■象印マホービン「ステンレスマグ TUFF SM-EB30」
~使い勝手も性能も備えた“大本命”の1本 by 阿部 夏子
象印「ステンレスマグ TUFF SM-EB30」 |
私が選んだのは象印のステンレスマグ「TUFF SM-EB30」(以下、TUFF)だ。前編でお知らせした圧倒的な性能の良さはもちろん、毎日使う上で見えてきた使い心地の良さがポイントとなった。
私の場合、メインで使うのはオフィス。朝家で淹れたコーヒーをTUFFに入れ替えて会社に持ってきて、仕事中に一杯。そのあと一度洗ってから水を入れ替えたり、会社でインスタントのコーヒーを飲んだりという使い方をしている。
使い始めてまず実感したのは、やはりその保温力と保冷力。今まで、いくつかのステンレスマグを使ってきたが、これまでの経験だと、朝淹れたコーヒーを持ってきた場合13時過ぎにはぬるくなってしまっていた。それがTUFFの場合、口をつけた時に「熱い」と感じられるのだ。前編でも実証されているとおり、保温性能は確かなものだ。
また、使い勝手も気に入っている。土台部分が少し大きくなっている造りなので、細身ながら倒れにくく、乱雑なデスクの上に置いてあっても、倒してしまったことは一度もない。
キャップの密封性も良い。製品によっては、キャップのスクリュー部分が合いにくく、フタの開け閉めに手間取るものもあるが、TUFFはストレスなくスムーズにできる上に、バッグに入れて持ち歩いていても中身がこぼれてしまうようなこともない。
スリムな造りで小さめのバッグにも入れられる | 水を入れたときの重さは実測で462gととても軽い |
もう1つ、ポイントとなったのはお手入れのしやすさだ。象印のステンレスマグは、ほかのステンレスマグにはない、ユニークな構造がある。それはフタの上部のキャップを開けると現れる「せん」の部分だ。この「せん」部分は、ボトルの内圧を調整するための通り穴の役割があるほか、フタ内部を隅々まで洗えるように設けられたものだ。実際、フタ部分はこまかく分解でき、細かい部品まできれいに洗える。今回購入したステンレスボトルの中でも、こと「清潔性」においては、象印の製品がダントツで優れていると思う。
フタの上部設けられている「せん」部分 | せん部分を分解することでフタの内部まで隅々洗えるようになっている |
保冷・保温性能はもちろん、使い勝手まで追求したTUFFは、まさに“大本命”の1本。ステンレスマグで迷った時は象印の製品を選んでおけば間違いないだろう。
・象印マホービン
http://www.zojirushi.co.jp/
・製品情報
http://www.zojirushi.co.jp/syohin/outdoor/SMEB.html
■ドウシシャ「HALEIWA HGMC350」
~可愛い顔して、しっかり保冷・保温する優等生 by 小林 樹
ドウシシャ「HALEIWA HGMC350」 |
ここまで、いくつかのステンレスボトルの保冷・保温効果を確認してきたが、保冷保温がしっかりできるステンレスボトルは、もはや珍しくない。だからこそ、私はデザイン性も重視した。「HALEIWA」は、ハワイのオワフ島にあったスーパーマーケットをモチーフにしたブランドで、とにかくデザインのバリエーションが豊富に揃っている。
もちろん、見かけだけでなく、保冷・保温効果も申し分ない。前編の実験結果では、保冷・保温効果のランキングで5位以内に入っており、象印マホービンやタイガー魔法瓶の製品にも引けを取らない性能を発揮した。雑貨屋に売ってるような可愛らしい柄なのに、しっかり仕事をする、そのギャップに惹かれた。
流しの脇で乾かしているところ。目立つデザインなので、ほかの人の物と間違えることもない |
用途は、通勤時とオフィスワークがメイン。必然的に、会社の流しでステンレスボトルの内容器をすすぐことが多いが、流しの脇で乾かしている際も、HALEIWA HGMC350なら他の同僚のステンレスボトルやマグ、弁当箱に紛れこまず、うっかり取り違えることはない。
気になる点といえば、本体が太めでつかみにくいということ。本体サイズは70×183mm(直径×高さ)。本体重量は263g。以前使っていた象印マホービンの「ステンレスマグ TUFF SM-PA34」は、ほぼ同容量だがもうちょっとスリムで、バッグに入れてもかさばらず、持ち歩きやすかった。
ただし、本体が太いというのも一長一短あって、太いぶん卓上に置けば安定するし、冷凍庫で凍らせた氷がそのまま入るという便利な一面もある。
本体の直径は70mmで、握ると太い | 口径があるため、冷凍庫で凍らせた氷がまるごと入る | 飲み口には中ブタが付いており、氷が出て来ないので、飲みやすい |
熱くなる車の中でも、ひんやりとした味わいが持続する |
休日の外出時にも持ち歩いている。例えば、ドライブ中。この季節、エアコンを入れておかないと、車内はひときわ暑くなるが、ステンレスボトルなら、車内に置いておいても、結露で濡れず、冷んやりとした味わいが長時間持続する。寒くなる季節には、しょうが紅茶など身体が温まる飲み物を入れて、車を走らせたいと思う。
ただ、飛行機に乗る場合は気をつけたい。私は、ステンレスボトルをバッグに入れたまま国内線の保安検査場を通ろうとして、検査員に呼び止められ、バッグを開けてステンレスボトルの中身まで確認することになった。
それくらい、肌身離さず持ち歩いている今日この頃。この愛着は、デザインによるところも大きい。ステンレスボトルのワントーンの単調なデザインに飽きた方、性能とオリジナリティを妥協したくない方には、HALEIWA ステンレスボトルがオススメだ。
・ドウシシャ
http://www.doshisha.co.jp/
・製品情報(直販サイト)
http://hsm75.com/hsm75jp/7.1/HZ-2013NVDOT/
いかがだっただろうか。ステンレスボトルは毎日使うものだけに、外れクジは引きたくない。今回の記事を参考に、読者の皆様もベストな1本と出会っていただけることを、編集部一同願っている。こまめな水分補給が必要になってくるシーズン、ステンレスボトルと共に乗り切ろう!
2012年6月27日 00:00