やじうまミニレビュー

iPhoneからワイヤレスで印刷できる小型プリンタ

やじうまミニレビューは、生活雑貨やちょっとした便利なグッズなど幅広いジャンルの製品を紹介するコーナーです
ロルト

 手のひらに乗せられるほど小さい、iPhone対応のプリンタ「ロルト」が発売された。

 iPhone対応のプリンタといえば、エプソンやキヤノンのインクジェットプリンタがあるが、ロルトはそれらとは異なり、感熱式を採用している。その分、サイズがコンパクトで、狭い場所にも置きやすい。

メーカー名キングジム
製品名ロルト
購入場所Amazon.co.jp
購入価格12,276円

 サイズは75×84×49mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約150g(ロール紙含まず)で、底面積はiPhoneと同じくらいだ。専用ロール紙はラベルタイプで、実売価格は600円弱。裏紙をはがせば糊付けの手間なく、ノートなどに貼り付けることが可能だ。ロール紙の幅は50mmで、1ロールの長さは4m。

 入出力端子は電源用のUSBポートが1つあるだけで、ここに付属のACアダプターを接続すると使用できる。

パッケージ
手の平にのせられるほどコンパクト
入出力端子は電源用のUSBポートのみ
通電するとLEDランプが赤く点灯
開閉スイッチでカバーを開けてロール紙を交換できる
用紙をセット後、紙を少し引き出した状態でカバーを閉める

 ロルトとiPhoneの通信はWi-Fiで行なう。Wi-Fiの接続には、iPhoneと直接接続する方法(ダイレクトモード)と、iPhoneが接続中のWi-Fiルーターに、ロルトも接続する方法の2通りから選べる。ダイレクトモード使用中は、iPhoneがWi-Fiルーターに接続できなくなる。

 ダイレクトモードの場合は、iPhoneのWi-Fi設定からロルトのSSIDを選択し、初期パスワードを入れると接続完了となる。印刷は無料の専用アプリ「Rolto」を使って行なう。アプリを起動すると、ロルトとiPhoneの接続状態に応じて、「検索中です」「印刷できます」といったメッセージが表示される。

 ロルトをWi-Fiルーターに接続する場合は、WPSボタンが搭載されているWi-Fiルーターなら、ロルト本体の「Connect」ボタンを押すだけで設定できる。WPSボタンが非搭載のWi-Fiルーターに接続する場合は、SSIDやパスワードなどをアプリから設定する必要がある

専用アプリ「Rolto」
プリンタの設定画面
印刷できる状態になると「印刷できます」とメッセージが表示される

ウェブページからマップ、Evernoteのデータまで印刷できる

 印刷できるデータは、ウェブページやカメラ画面、写真、メール、マップ、メモなど。ほかにも、Evernoteと連携してクラウドに保存したテキストや画像を印刷することもできる

 ウェブページを印刷する場合は、アプリのホーム画面から「ブラウザ」を選び、印刷したいウェブページにアクセスする。画面下部の印刷アイコンをタップすると、スクリーンに表示されている範囲だけを印刷する「見たままプリント」と、ウェブページをすべて印刷する「すべてプリント」の選択画面が表示される。

 印刷方式を選ぶと、プレビュー画面が表示される。印刷モードはテキストが鮮明に印刷される「モノクロ」と、グレースケール処理される「グレー」の2種類から選択可能で、濃度や明るさも調節できる。編集後に再度、印刷アイコンをタップすると、すぐに印刷が開始される。

印刷したいウェブページを表示
「見たままプリント」または「すべてプリント」を選ぶ
プレビュー画面でトリミングも可能
グレースケール処理
プリント中は画面がスクロールされる

 ラベル用紙なので少し厚めだが、内蔵のカッターを使って片手だけで簡単に切り取れる。印刷の解像度は精細ではないが、テキストならば十分に読み取れる。

印刷アイコンをタップするだけですぐにプリント開始

 写真や画像は、かなり品質が悪いので注意が必要だ。テキストの印刷が目的ならばあまり問題はないが、写真の印刷を目的としているのならば、正直言っておすすめはできない。

 地図については微妙で、注記はなんとか読み取れるのだが、用紙サイズが小さいので見づらい。やはりメモやメール、ToDo、ウェブサイトのコンテンツなどの印刷がメインと考えたほうがいい。

印刷結果
「すべてプリント」を選ぶとウェブの上から下までまるごと印刷可能
モノクロ印刷(左)とグレースケール印刷(右)の違い
地図を印刷
写真の印刷結果

レシピを印刷してキッチンに持ち込めば、iPhoneを濡らす心配なし!

 ロルトで印刷可能なメモ書きやメール、ウェブサイトのテキストなどは、Evernoteなどのクラウドサービスを使えば、とくにプリントアウトする必要がないことも多いが、それだけでは済まないケースも意外とある。

 たとえば筆者は、ウェブのレシピサイトに載っている食材リストをプリントアウトして、家族に渡して買ってきてもらったり、料理の作り方の手順をプリントアウトしてキッチンで使ったりするときにロルトを使った。キッチンはiPhoneが濡れる心配があるので、メモに印刷できるのであれば、それを見たほうが安心だ。

 また、取材用のメモ帳に、取材相手に関する資料や、スマートフォンで記述した質問リストをプリントアウトして貼り付けるのに、ロルトはかなり重宝した。用紙のサイズが小さいというのはけっこう便利で、ブロックロディアのNo.12のような小さなメモ帳でも切らずにそのまま貼れる。ノートや手帳、メモ帳などを仕事に使っている人には、とくにおすすめしたい。

手帳に貼り付けたところ
ブロックロディアのNo.12に貼るのにも最適だった

 ロルトはテキストを中心に使うのならば便利に使えるプリンタだとは思うが、できればモバイルでも使えるようにバッテリーを内蔵させてほしかった。

 本体のUSBポートに、パナソニックのモバイルバッテリー「QE-PL203」を接続したところ、印刷が途中で止まってしまった。一方、大容量モバイルバッテリー「Hyper Juice」の「MBP-060」で使用したところ、正しくプリントできた。なお、モバイルバッテリーの利用は、電源には付属のACアダプター以外は使わないよう、説明書に注意書きがあるので、あくまでも自己責任での使用となる。

 このように、高出力なモバイルバッテリーと組み合わせれば使える場合もある。また、DC/ACインバーターを使えば自動車でも使えるが、もう少し気軽に外に持ち出せるようになればいいと思う。

 インクジェットプリンタに比べて気軽に使えるコンパクトなプリンタとして、今後、さらなる進化に期待したい製品だ。

片岡 義明

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