やじうまミニレビュー
スキャナーを搭載したデジタル名刺ホルダー「メックル」
by 片岡 義明(2014/9/4 07:00)
名刺をスマートに管理できる新しいデジタルグッズが登場した。キングジムが発売した「メックル(MQ10)」だ。この製品は、名刺スキャナーと読み込んだデータを保存するストレージ、そして名刺データを表示するディスプレイが一体化した製品で、名刺の読み込みから表示・検索・管理までをトータルに行なえる。保存可能な名刺の枚数は片面の場合で約5,000枚、両面では約2,500枚と大量に保存できる。
メーカー名 | キングジム |
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製品名 | メックル |
品番 | MQ10 |
希望小売価格 | 27,000円(税抜) |
購入場所 | Amazon.co.jp |
購入価格 | 20,500円 |
本体はパイプの足が付いた卓上据え置きタイプで、回転式名刺ホルダーをイメージさせるデザイン。右横に付いた大きな操作ダイヤルが特徴的だ。3.5インチのディスプレイを搭載している。
ボタンはダイヤルの横に、検索モードを切り替える「Search」、メニュー選択画面を表示する「Menu」、1つ前の画面に戻る「Cancel」の3つが搭載されている。そのほか、ダイヤル横にも「Enter」ボタンが付いており、このボタンで選択項目の決定(実行)や名刺選択時の表示切り替えなどを行なう。
なお、ダイヤルを回したときの名刺の回転方向(スクロール方向)を切り替えることも可能で、好みによってカスタマイズできるので便利だ。
電源はACアダプターで、コンセントに差し込むと起動画面が表示される。初期設定では言語、日時と時刻を設定する。これにより、名刺をスキャンした日も記録して、登録日で検索することが可能となる。
名刺のスキャンは1枚ずつ行なう。名刺の表面を上にして挿入口に挿し込むと、名刺が自動的に引き込まれて「名刺(表)をスキャンしますか?」と表示される。「Enter」を押せば名刺がスキャンされて下から排出される。
名刺をスキャンしたら画像が表示されるので、正しくスキャンされたかを確認する。ここで、名刺画像の回転や裏面スキャン、登録日変更なども行なえる。
裏面をスキャンする場合は、ダイヤルを回して裏面スキャンのボタンを押し、名刺を裏側にしてもう一度読み込ませる必要がある。表裏を同時にスキャンできると便利なのだが、この点は残念だ。
なお、名刺をセットする際に、挿し込みが浅すぎたり深すぎたりしたために、正しく読み取れなかったことが何回かあったが、慣れると力の加減がわかってほとんど失敗しなくなった。
画像を登録したら名刺を登録する。メックルはグループ単位で名刺を登録することが可能で、会社ごとにグループ化したり、名前の五十音をグループとして登録したりすることができる。どこのグループに入れるかは登録する際に選択できる。
登録した名刺を検索する方法としては、すべての名刺を検索する「スクロールモード」、グループを選択して検索できる「グループモード」、インデックスを選択して検索できる「インデックスモード」、お気に入りに登録した名刺のみを検索する「お気に入りモード」、登録日順にすべての名刺を検索できる「登録日モード」の5種類が用意されている。名刺はダイヤルを回しながら探すことが可能で、まるで回転式名刺ホルダーで名刺をめくっているかのようで実に使いやすい。
目当ての名刺が見つかったら表示内容を確認できる。閲覧時に名刺を回転したり、拡大・縮小したり、上下左右に位置を動かしたり、裏面を確認したりとさまざまな操作ができる。このときにお気に入りに登録することも可能だ。
また、検索モードごとに名刺の登録位置を変更することもできる。ディスプレイは3.5インチTFT液晶で、解像度は320×480ピクセル。細かい文字も読み取りやすく、表示の切り替えもスムーズだ。
回転式名刺ホルダーのような外観で大量の名刺をストックできるこのメックルを使えば、普通のスキャナーを使ってPCで名刺データを管理するのと比べてスマートに管理できる。ディスプレイは見やすく操作性も秀逸で、“デジタル名刺ビューアー”として見ればかなり良く出来ていると思う。
ただし、オートシートフィーダーを搭載しておらず、複数枚の名刺をまとめて自動的に取り込めないのと、専用ソフト「DA-1」においてOCRが利用できない点は残念だ。
キングジムとしては、このような用途にはメックルと同時に発売したデジタル名刺ボックス「ビズレージ(DNX100)」を購入してほしいという考えなのだろうが、できればメックルだけでもOCRくらいは利用可能にしてほしかった。購入するにあたってはこの点を踏まえて検討していただきたい。