やじうまミニレビュー
バンダイ「流しそうめん そうめんや」
バンダイ「流しそうめん そうめんや」 |
私の故郷では、毎年夏に「ジャンボそうめん流し」というイベントが行われる。山の青竹を切り出して縦に割って連結し、長さ100mのトイを作ってそうめんを流すのだ。
そんな大規模なものでなくても、そうめん流しは家庭では無理だ。第一、青竹をどこで入手できるのかもわからない。
そこで、せめて気分だけでも味わうために、「そうめん流し風マシン」というものがある。遊園地の流れるプールのように、ドーナツ状の水路をぐるぐるとそうめんが回転循環するものだ。これはこれで楽しい。とはいえ本来のそうめん流しとは、かなり違うものになってしまっている。
ところが、今回紹介するバンダイの「流しそうめん そうめんや」は、平面をぐるぐる回すのではなく、ちゃんと傾斜のあるトイでそうめんを流すのだという。本格的ではないか。
「電池式なので、屋外でも気軽に楽しめます」「ご家族みなさまでお楽しみ下さい」とうたわれている。これからの季節、休日のお昼ごはんやアウトドアに楽しく使えそうな気がする。さっそく試してみた。
メーカー | バンダイ |
製品名 | 流しそうめん そうめんや |
希望小売価格 | 8,400円 |
購入場所 | Amazon.co.jp |
購入価格 | 6,220円 |
「そうめんや」は、いくつかの部品を組み立てて作る。水の流れるトイ(レール)5本、レールに傾斜をつけて立てるためのパイプ4本、本体である「桶」、これに付属する「電池ボックス」が主なものだ。
細かいものまで入れると17個の部品がある。
これらの部品は、個別にビニール袋に入れたものをボール紙にしっかりとテープ止めしてあるので、最初に開けるときにはハサミがあった方がいい。また、しまい直すときに、箱に元通りに収納することは事実上むずかしいと思う。
専用の収納袋がついてくるので、それに入れて保管するのがよさそうだ。
さて、部品をすべて取り出して並べてみると、中くらいのテーブルがいっぱいになった。なかなかの壮観だ。
まずは電池ボックスに単一電池を入れるところから組み立てはじめた。電池は同梱されていない。また、電池ボックスを開け閉めするときにプラスドライバーが必要だ。
部品はボール紙にテープ止めされて入っている | すべての部品を並べたところ | まず電池をセットする。プラスドライバーが必要 |
使用後は分解して、きんちゃく状の専用袋に収納する |
パッケージの写真と、取扱説明書を見ながら組み立てはじめたが、あまりスラスラと運ばない。それぞれ別な形に曲がったレール、長さの違うパイプを、どのように持っていけばいいか迷ってしまった。ある種の空間把握能力が必要とされるようだ。
取扱説明書の組立図には「部品の番号」と「手順の番号」とが併記されているため、この両者をついごっちゃにしてしまうのもいけなかったようだ。プラモ好きな男性なら、簡単にやってしまうのかも知れないから、任せてしまうのも手だろうと思う。
上記のような理由から、アウトドアで使用する場合、特に最初に使うときは、うちの中で組み立てをして持って出るほうがいいと思う。お店に並んでいる「そうめんや」を買って車に積み、出先で組み立てて使おうとするのは、場合によっては現実的でないと思う。
さあ、とにかく組み立てができた。青竹を模した緑色のレールが高速道路の出入り口のようにぐるりんと回っていて、なかなかの大仕掛けで楽しい。(大きさは、組み立て完了時で高さ360㎜、幅520㎜、奥行き225㎜となっている)
てっぺんに水車小屋をセットすると、画竜点睛でかわいい感じになった。下の桶に入れた水をモーターで引き上げ、この水車小屋から流し出す仕組みだ。
まず水を入れて動かしてみた。
桶に水を入れる、約850ccが入るそうだ、スイッチを入れると「ブイーン」と、かなりの大きさの音がしてモーターが回り、水が勢いよく流れはじめた。モーター音に隠れるように、チャプチャプと涼しい水の音もする。なんだかうれしい。さっそくそうめんをゆでて流してみよう。
モーターが水をくみ上げ、頂上の「水車小屋」から流す |
そうめんと薬味を準備した |
そうめんと薬味、めんつゆを用意して、そうめん流し開始である。
夫と二人、流す役と食べる役をかわりばんこにすることにした。循環式の「そうめん流し風マシン」なら、ぐるぐる回っているだけだから、二人で適当に入れては食べる、ゆるいやり方もできるのだが、これは本式のそうめん流しなので、どうしても流す係が必要だ。
そうめんを入れる。
シュッ! という感じでレールを流れていく。思ったよりかなり速いスピードだ。
そうめんのスピードは意外に速い |
食べる方は、ハシをかまえて、気合いを入れて待ち受ける感じになる。ちょっと油断していると、あっけなく目の前を流れて行ってしまうからだ。流れて行ったそうめんは、ちゃんと下のザルにたまるので無駄にはならないが、それでも、取りそこなうのはそれなりにくやしい。
最初は、流れる水の上でハシをかまえているが、だんだん、ハシを水に入れたまま待ち受けるようになる。薬味を何種か用意していたのだが、だんだん一種の興奮状態になって薬味どころではない。
楽しいかどうかといえば、もちろん大変楽しく面白いのだが、とにかくせわしない。
私は経験がないのだが、本当の流しそうめんもそれなりに気持ちがせわしないものなのだそうだ。風流で優雅な催しという印象を持って臨むと、意外に流れが速く、油断するとあまり食べられないのだという。流れの上の方にいる人がたくさん取っているのが気になったり、逆に下の方の人を思いやらないでハシでせきとめたくなったりもするらしい。
それならば「そうめんや」は、本当の流しそうめんのせわしなさを忠実に再現してくれている製品と言えるのではないか。
食事というよりエンタテインメントの性質が高いので、お子さんのいる席だと、にぎやかに楽しめると思う。また、夏休みの昼食に、お母さんが茹でたそうめんをあてがってあげれば、子供たちだけで遊びながら食べそうだ。
あるいはお見合いパーティーのゲームに使うのはどうか。男女がペアになって、流すタイミングと食べるタイミングを競い、息の合ったカップルかどうかを試すのだ。
いろいろな使い方が思い浮かぶ、楽しい製品である。
2009年 7月 6日 00:00
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