やじうまミニレビュー

ののじ「かぼーちょう」

~固いかぼちゃが楽に切れる専用包丁
by 森 あつこ


やじうまミニレビューは、生活雑貨やちょっとした便利なグッズなど幅広いジャンルの製品を紹介するコーナーです


切りにくいかぼちゃが 簡単&安全に切れる!

ののじ「かぼーちょう」。ネーミングはもちろん、緑と黄色でカボチャをイメージした可愛らしいデザイン。

 「芋・栗・南瓜」(いもくりなんきん)――古今東西、いつの世も女性が好む秋の味覚とされている。料理にしても、お菓子にしても、ホクホクとした食感がたまらない……かく言う私も、この3つは大好物だ。

 特にスーパーなどで手軽に買えるカボチャは、この季節登場回数が多い。ただ、悩ましい問題が1つある。それは、調理前の生の状態がとっても硬いこと! 「切るのが面倒だから」と、買ってもすぐに調理せずに、もったいないことになることも多い。

 周りの女性に聞いてみるとカボチャは好きだけど、切るのは苦手という人がほとんど。「カット済みの冷凍品を買う」人や、「カボチャ料理は好きだけど、作らない」という60代の女性は、カボチャを切っていて「腱鞘炎になった」という過去があった。そのほか、「体重をかけて力いっぱい切るので、あぶない」「包丁の刃が欠けてしまった」という哀しい声が続く。カボチャの調理に何らかのストレスを感じている人は多いようだ。

「いも・くり・なんきん」女性が好む秋冬の味覚。共通点はとても硬いこと「やってしまった!」の図。包丁が抜けなくなった……

 今回紹介するのは、そんな硬いカボチャが簡単に切れる包丁「ののじ かぼーちょう」だ。商品名からも分かるように「かぼちゃ」用の包丁だ。カボチャをモチーフとしたどこかユーモラスなデザインで、こんな可愛らしい包丁で本当にかぼちゃがラクに切れるのだろうかと心配になる。


メーカーののじ
製品名かぼーちょう
希望小売価格3,360円
購入場所Amazon.co.jp
購入価格3,360円


 愛用のマイ包丁と比較してみると、グリップの形状と位置が違う。まず、最初にグリップを握ってみると、その握りやすさに驚いた。素材はエラストマー素材という滑りにくい素材で、安定感があって、手のひらにすっぽりと収まる感じだ。

 また、グリップが刃に対して高い位置に付いているので、まな板に対しても角度が付き、弱い力でもラクに切れるようになっている。さらに、刃にも秘密がある。刃先の上部分が上から押しやすいように、ぽっこりと丸みを帯びた形になっているため、手を当ててぐっと力を入れることができ、簡単にカットできるというわけ。

特長は柄(グリップ)の形。楕円形で握りやすく、滑りにくい素材「エラストマー樹脂」を採用。サイズは全長約255mm、刃渡り140mm、重さは約155g上から見た図。グリップと刃の形を工夫しているマイ包丁との比較。グリップの位置が高いので上から押さえつけるように力が入る

力の弱い女性や料理ビギナー&高齢者にもオススメ

 実際、使ってみるといつもの包丁とは全く異なる感触。グリップと刃の位置が絶妙なのか、無理なく自然と力が入る。キッチンでまな板に向かう姿勢がまったく違うのだ。いつもの包丁だと、なかなか切れない生のカボチャも何なくパス。あっという間に、どんどん、かぼちゃの薄切りができた。

 弱い力でも切れる――ということならば、ベテラン主婦であるが、握力の弱い母(70歳)に試してもらうとこれも大成功。母曰く「強い力もコツもいらない。体重をかけなくても手の力で切れる。何より、早くて楽しい」という。

さっそく、かぼちゃを切る。サクッ、という感じで切り落とせた。調子に乗って、どんどん切る。楽しくなってきた♪力の弱い母(70歳)も挑戦。これまで、かぼちゃを切る時は「全身の体重を使って切っていた」らしい

 カボチャだけではなく、さつまいも、とうもろこしなどの硬い食材も力を入れずに簡単に切れた。さらに、まな板まで完全に押し切れるので、ねぎやたくあん漬けなど「切ったつもり」でズラリとつながっていることもない。切りにくい皮付きの鶏肉も皮まできれいに押し切れた(これには感激!)。刃を何度も入れてギコギコさせず、一度に押し切れるので、切った食材の断面がきれいなのも嬉しい。

持つ位置が高い上に、刃がまっすぐ。まな板との隙間が少ないので切り逃しがでないのも特徴だ。かぼちゃ以外にも、気になる食材を切ってみたくなった生のさつまいもだって、ラクラクパイナップルも簡単に切り落とす母
芯の硬い、とうもろこしも「切ったつもりが切れてなかった」ことが多い、たくあん漬けもこの通り切りにくい食材の1つ。皮付きの鶏肉も皮まできれいに切れた

皮むきは苦手

 カボチャやさつまいもなどの硬い食材も、ネギやたくあん漬けなどもスパスパッと切れる。万能な印象だが、実は苦手なコトもある。

 それは、皮むき。スパスパと切るのが楽しくなってきた私に、母がリンゴを出してきた。「リンゴの皮はむける?」。この楕円形のグリップは上からしっかりと握って、押し切ることに適している。なので、片手でりんごを持って、グリップを寝かせて持つのが難しい。リンゴやじゃがいもなどの皮むきには不向き。

 魚や肉用の包丁があるように、1つの包丁で全ての調理をするというのは、やはり無理があるようだ。調理が難しいと、それだけでその食材に対して苦手意識を持ってしまうことがあるが、今回のような専用の包丁を用意するのも解決策の一つかもしれない。

万能包丁のようだが、リンゴなどの皮むきには不向きかぼちゃ煮。冬のかぼちゃは甘さたっぷり&ホクホク。やっぱり、自分の好きな大きさに切って、自分好みの味付けが1番だ

 今月の22日は、二十四節気の冬至。昼の時間が最も短くなる日で、昔から栄養のあるカボチャを食べる風習から「かぼちゃの日」とも言われているらしい。今年の冬至は、かぼーちょうで生のカボチャを自分で切って、ストレスのないカボチャ調理を楽しんでみてはいかがだろうか。




2010年 12月 16日   00:00