家電製品ミニレビュー

ふとんマットがいらず、枕元から差しこむだけのふとん乾燥機「スマートドライ」

ふとん乾燥機 スマートドライ RF-AA20

 今回ご紹介するのは、ふとん乾燥機だ。外に出せないベッドで、または天候がいまいちなときでも布団を外に干さなくても済む便利な製品だ。花粉のみならず、いろんなものが大気中に混ざり始めた昨今、天候に関わらず室内でケアできたほうが便利では良いのではないか。そう思うようになってから、改めてふとん乾燥機が気になりだした。

 実は拙宅の布団乾燥機は1994年製。なんと20年前から使っているという我が家ではNo.1の長寿家電である。もちろんふとんマットを挟んで使うタイプだが、出したり広げたりたたんだりが面倒臭い。「ふとん乾燥機ってもっと簡単にならないの? ていうか、最近のふとん乾燥機って何か進化してるの? 」 そう思って店頭に足を運んでみたら、進化して使い方が簡単になっていた! そして手に入れたのが、今回ご紹介する象印の「スマートドライ RF-AA20(以下、スマートドライ)」である。

メーカー象印マホービン
製品名ふとん乾燥機 スマートドライ RF-AA20
希望小売価格22,000円(税抜)
購入場所Amazon.co.jp
購入価格21,000円

ふとんマット不要! 洗濯物の乾燥も得意

 「スマートドライ」の本体サイズは280×130×350mm(幅×奥行き×高さ)の箱型だ。重量は約4.1kgとなっている。

 「スマートドライ」の特徴は2つある。1つは「ふとんマット」を使わないこと。ホースやふとんマットがない代わりに、折りたたみ式の平たいノズルを備えている。他には電源コードと、コードを収納する着脱式のコードバスケットがついているだけと、とてもシンプルな構造をしている。

正面の様子。右側に見えるのは、電源コードと着脱式のコードバスケット。使用する際コードバスケットは取り外す
側面。下の部分はフィルターだ
ノズルを完全に上まで上げた状態
ふとん乾燥時は、このように倒して使う
ノズルの角度は22段階で変えられる
操作部

 ふとんを乾燥させるときは、ノズルを開き、ふとん検知センサーにかからぬよう、掛け布団と敷き布団の間にノズル部分だけを挟む。準備はこれだけ。乾燥が終わったらノズルを引き出せばいい。早い話、敷きっぱなしの布団にノズルを差し込むだけで済むので、掛け布団をまくり上げたり、ふとんマットを広げて敷いたりという手間がないのだ。

布団を乾燥させるときは、枕の位置に設置する
ノズルの上に掛け布団をかける
通常は「標準」を選択して「スタート」ボタンを押す
終わったら引き抜くだけで片付けは不要

 大きな運転モードとしては「ふとんおまかせ運転」と「マニュアル運転」の2つが用意されている。

 「ふとんおまかせ運転」では、ふとん乾燥のほかに、ふとんの「あたため」や「送風仕上げ」「ダニ対策」「エコ」機能なども備えられている。所要時間は、標準なら60分、あたためは30分、送風仕上げは75分、エコなら90分、ダニ対策は90分を4回分となっている。

 「マニュアル運転」は、布団以外のものを乾かしたいときに使えるモードだ。そう。「スマートドライ」のもう1つの特徴は、布団以外のものも簡単に乾かせることなのだ。

 マニュアル運転では、風の種類と運転時間を指定でき、最短15分、最長180分までの運転が可能。ノズルの角度は22段階で変えられるため、「スマートドライ」が巨大な固定ドライヤーと化す。そのため、上からつるした洗濯物に温風を吹き付けたり、濡れた靴を乾かしたりといったことができる。洗濯物が乾きにくい季節や、雨天の洗濯は大変。そんなときも「スマートドライ」があれば安心というわけ。

ノズルを上に向ければ、洗濯物に温風を当てられる
ノズルを下に向けると、靴などを乾かせる

本当に「ふとんマット」はなくても大丈夫だった!

 ふとんマットがないと布団の一部しか暖まらないのではないか!? というのが真っ先に浮かぶ疑問なのだが、心配は無用。熱は布団の隅々まで広がるのである。

 10分ほど経過したところで手を入れてみると、「スマートドライ」と同じ肩口のあたりが暖かいこととが分かった。さらに肘まで入れると、すでに中はかなり熱くなっていた。念のため足下付近でも手を入れてみたが、やはり暖かい。

 サーモググラフィで撮影してみると、布団の周辺以外はまんべんなく熱が伝わっていることがわかった。掛け布団をめくった瞬間から温度が下がってしまうため正確とはいえないが、それでも全体として50℃以上はある。使い始める前は、ノズルの前だけしか熱が回らないのではと懸念していたが、そんな心配は無用だった。20年経過して、ふとんマットがいらなくなったというのは劇的な進化だ。

ふとん乾燥中の様子。タオルケットをかけているが羽毛ふとん全体に熱がいきわたっていることが分かる
肩口に注目すると、掛け布団が掛かっていなくても熱が届いている。実際、触ると熱い
羽毛ぶとんをめくったところ。広範囲で温まっているのが分かる。熱が逃げた状態でも全体は50℃以上だ。この状態で寝転ぶと幸福感につつまれる

 ちなみに、冷え性でなかなか寝付けないという方にとって、「あたため」はかなり気になる機能のはずだ。これはズバリおすすめである。湯たんぽではここまで広範囲に暖められないのはご存じの通り。寝る前に布団に差し込めば全体がほっかほか。心地よい眠りに誘ってくれるに違いない。

温度を測定してからわずか12秒後には全体の温度が下がっている。放熱は早い

 ただし、暖め直後は50℃以上あるので(内部の測定はできないが、可能性として)、暖め直後にいきなり入るとかなり熱いはず。熱すぎる場合は、一度掛け布団をはがすなどして熱を逃がすといいだろう。なおカタログには消費電力は715Wと記載されている。

「スマートドライ」は1年中活躍してくれるはず

 「スマートドライ」が我が家に来てからまだ1カ月程度だが、ふとん乾燥が劇的に楽になり、利用する頻度がアップした。使用している敷き布団が高反発マットレスの「マニフレックス」ということもあり、弾力の維持に乾燥は欠かせないのだが、以前はふとんマットの出し入れが面倒で、どうしてもケアが後手に回りがちだった。今では気がついたらすぐに乾燥できるので楽だ。運転後は掛け布団はふんわり暖かく、敷き布団もふっくら弾力があり、すぐに中に戻りたくなる心地よさ。従来のふとん乾燥機より音が控えめな点も嬉しい。これはいい物を手に入れたと大満足である。

 マニュアル運転による乾燥機能も大変便利で、部屋干しも怖くなくなった。雨に降られたジーンズの裾の乾燥にも役立っている。これなら、日曜日の夜に出された子供の体操服も、突然の雨で初期化されてしまった洗濯物も朝までに乾かせるかもしれない!?

 なお、温風の最高温度は約70℃とのこと。機能性寝具など、素材によっては熱で機能を損なう恐れもある。使用前は対象製品の耐熱温度をよく確認しておこう。また、「ダニ対策」コースを使う場合は、使用後にダニの死骸を掃除機で吸い取るなどのアレルゲン対策もお忘れなく。

すずまり