家電製品ミニレビュー
三菱電機「ふとん乾燥機 AD-U70LS」
~花粉で外に干せない布団と服を室内でスッキリ乾燥
by 小林 樹(2013/3/7 00:00)
その日は突然やってきた。ふとした瞬間から、くしゃみが止まらなくなり、鼻はムズムズ、目はショボショボ。あぁ今年もか……と空を仰ぎながら、マスクを装着する。憎くきスギ花粉の到来だ。
今年は花粉の飛散量の多さも手伝って、特に症状がひどい。症状を抑えるには、薬で対処するほかに、とにかく花粉に触れないようにすることが有効だと言われている。
だから、花粉の飛散が収まるまでの約1カ月間、衣類や布団はなかなか外に干せない。そこで、今年は三菱電機の布団乾燥機「ふとん乾燥機 AD-U70LS」を購入した。
メーカー | 三菱電機 |
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製品名 | ふとん乾燥機 AD-U70LS |
購入場所 | Amazon.co.jp |
購入価格 | 9,635円 |
AD-U70LSに決めたポイントは、布団だけでなく衣類や靴など、色々乾かせる点。一般的な布団乾燥機だと、意外と布団専用のものも多いのだ。AD-U70LSは、衣類用の乾燥袋や、ロングブーツを乾かすためのアタッチメントが付属している。この汎用性の広さが購入の決め手となった。
まず本体のスペックを確認しておこう。本体サイズは275×160×329mm(幅×奥行き×高さ)で、本体重量は2.8kg。本体の端は丸みを帯びており、片手でも持ち歩けるコンパクトさだ。外観はツルッとした質感の塗装が施されており、カラーはブラウンのみ。
本体背面下部には、吸気口が配置され、「銀ナノアレルパンチフィルター」を搭載している。空気中のホコリやダニを吸い込まないようにするためだ。
本体上部の蓋を開けると、ホースが収まっている。ホースは最長90cmまで伸びる。
付属品の乾燥袋「エアマット」は薄手のナイロン素材。これ1枚で、布団を乾燥させたり、衣類を干す際のカバーとなる。エアマットのサイズは120×200cm(幅×長さ)で、ちょうどシングルサイズの布団と同じくらいである。使わない時は畳んで、本体内に収納できる。
布団をふっくら乾かせる
それでは布団を乾燥させてみよう。敷布団の上にエアマットを広げ、ホースを装着する。装着口にはマジックテープが付いており、ホースをしっかり固定できる。エアマットには、枕を入れるポケットが用意されており、ここに枕を入れれば、布団と一緒に乾かせる。
エアマットの上に掛け布団をかけたら、準備が完了だ。本体前面の操作用ダイヤルを回して、運転を開始する。
操作用ダイヤルは、左側に夏モード、右側に冬モードを備える。それぞれ布団用や衣類用、靴用といった目的ごとに目盛りが用意されているので、乾かしたいものに合わせて設定すれば、あとはそれぞれ決められた時間通りに送風する。
具体的には、冬モードでは、眠る前に布団の足元を温める「あたため」、布団や枕を乾燥する「綿・羊毛・羽毛」、ダニを退治する「ダニ退治」、衣類や靴を乾かす「ランドリー/ブーツ(革・合皮)」の4つがある。夏モードでは、布団と靴類を乾かす機能の2つを用意し、運転終了前に送風の時間を設けて、熱気取りをして仕上げるという。
今回は冬モードで、「綿・羊毛・羽毛」を選んで布団と枕を乾かした。運転時間は約60分。操作はシンプルでわかりやすい。
温風はすぐに吹き出し、エアマット内の空気の通り道が膨らんだ。試しに温風に手を当ててみると、思っていたほどアツアツの風ではない。我が家の1,200Wのドライヤーの「high」時のほうが熱いと思う。これくらいの程よい温風ならば、長時間風を当てていても、布団や衣類の生地を傷めにくいだろう。
仕上がった布団はふんわりとして、ホッカホカだ。敷布団の上に横たわると、とても気持ちいい。さすがにお日様の匂いまでは再現できないが、これだけふかふかしていれば、リフレッシュした気分になる。特に眠る前に布団を乾かすこことで、布団が温まり、眠りにつきやすいので一石二鳥である。
衣類も靴も、乾燥できる
布団以外に、衣類や靴類も乾かせるのが、AD-U70LSのいいところ。まず衣類を乾かす際には、布団用と同じエアマットを使うのだが、その際にあらかじめエアマットを変形させておく必要がある。エアマットにはサイドにジッパーが付いていて、ここを閉じると傘状になり、そのまま衣類をかけたハンガーにかぶせられる。
ハンガーにかぶせたら、エアマットにホースを装着。マジックテープでしっかり固定できる。最後に操作ダイヤルを冬モードの「ランドリー」に設定。あたたかい空気が衣類の下から吹き上げ始める。
運転時間は120分で、運転終了後は衣類がパリッと乾いていた。これまで室内干しの際は三菱電機の「衣類乾燥除湿機 MJ-100FX」を使用していたのだが、それに比べると、一部の衣類にシワが残ってしまった点が残念だった。シワの理由は、高温で、短時間で温風を吹き上げるからだと思われる。とはいえ、これはアイロンの手間を惜しまなければ済む話だ。除湿機に比べたら、この布団乾燥機は圧倒的に本体がコンパクトで場所を取らないので、重宝している。干した衣類からは、生乾きの嫌なニオイもしないのも安心した。
一方、靴の乾燥は、ホースを靴に取り付けて行なう。ホースの先端は二股に分かれているため、スニーカーやショートブーツにそのままはめられるようになっている。筒の長いロングブーツには、専用のアタッチメントをホースの先に取り付けることで、形を崩さずに、奥まで風を送れる。
アタッチメントはプラスチック製で、自在に伸縮する。試しに膝丈のブーツに取り付けたところ、靴底まで先端が届いた。これなら、さまざまな長さのブーツに対応できる。
AD-U70LSを使うまでは、布団乾燥機は単機能で汎用性の低い製品だと思い込んでいた。だが、こうして使ってみると、大いに役立つことがわかった。花粉を恐れて、泣く泣く室内に干していた布団も衣類も、靴まで一緒に手軽に乾かすことができるのだ。
使い勝手の面では、本体のコンパクトさも魅力だ。我が家の寝室では既に、花粉対策用にダイキンの加湿空気清浄機をフル稼働させているため、そこにさらに衣類乾燥用の除湿機を置くのはスペース的に厳しい。その点、AD-U70LSなら、出しっぱなしにしていても気にならないくらい、コンパクトサイズである。布団を出したり畳んだりする寝室では、小型で動かしやすいほうが理にかなっている。欲を言えばハンドルがもっと持ちやすければ良かった。
このほかメリットとしては、エアマット1枚で布団と衣類の乾燥に対応する点。他社の布団乾燥機で布団や衣類を乾かせるものは、布団用の乾燥袋と衣類用の乾燥カバーが2枚に分かれているものもあるが、収納時にかさばることを考えたら、1枚で済むほうが使いやすいと思う。
現在販売されている各社の布団乾燥機と比較すると、AD-U70LSの価格は高めの方だが、これだけいろんなものが乾かせるということと、わかりやすいシンプルな操作性には、満足できた。
花粉症を患う方は、これから辛い症状が1カ月以上続くのはしんどいと思うが、同居する家族の方々も洗濯物の取り込みなどに配慮せねばならず、苦労されていることと思う。そんな時にこの布団乾燥機があると、極力花粉との接触を避けることができ、役立つだろう。
もちろん花粉対策だけではない。これから季節が移り替わって、じめじめする梅雨や夏場には布団を乾かし、また寒くなる頃には寝る前に布団をあたためてくれるだろう。布団乾燥機は、通年で使える商品なので、まだ使っていない方は検討されることをお勧めしたい。