家電製品ミニレビュー
IZUMI「毛玉取り器 KC-320」
~充電池とACの2WAYで、ニットやフリースの毛玉狩り!
by 小林 樹(2013/1/25 00:00)
冬の衣類で気になるのが毛玉。ウールのニットやコートは暖かいが、毛玉ができやすいのが難点だ。毛玉を放置しては、せっかくの服がみっともなくなってしまうので、こまめな手入れを心掛けたい。
そこで出番となるのが毛玉取り器だ。今回ご紹介するIZUMIの「毛玉取り器 KC-320(通称:毛玉カットとるとる)」は、「ふわふわガード」という機構を搭載していて、使用する衣類の毛足の長さに応じてカットできるというもの。ガード部が刃と生地の間にすき間を作り、毛足を残しながら毛玉だけ取り除けるのだ。
今回はこの「毛玉カットとるとる」を使って、ウールのコートやニットなどの毛玉カットにトライしてみよう。
メーカー | IZUMI(泉精器製作所) |
---|---|
製品名 | 毛玉取り器 KC-320 |
希望小売価格 | オープンプライス |
購入場所 | Amazon.co.jp |
購入価格 | 2,709円 |
「毛玉カットとるとる」の本体サイズは66×88×174mm(幅×奥行き×高さ)。本体重量は約192g。本体には電源アダプターと掃除用のブラシ、取扱説明書が同梱されている。
本体は大きく分けて、円状の刃と、細長いダストケース、ハンドルから成る。ハンドルは丸みを帯び、握りやすい形だ。ハンドル上部にはスライド式の運転「ON/OFF」ボタンが付属し、ハンドルの根本部分にはアダプターの端子を差し込む部分がある。
刃の部分は3層構造になっていて、1番外側に「ふわふわガード」が付いている。すき間の高さは「高/中/低」の3段階から選べる。特に毛足の短い衣類には、ふわふわガードを外して使うこともできる。
ふわふわガードを外すと、外刃、内刃とファンが現れる。いずれも取り外して手入れが可能だ。
まずはアダプターをコンセントに挿して毛玉をカットしよう。通電中は、本体ハンドル部の緑色のランプが点灯する。この状態で運転ボタンをONにすると、モーターの回転音と刃が回る音が聞こえてくる。消費電力は7W。音は、「ジジジジ……」という低騒音で、電動シェーバーのそれに似ている。ハンドルを握る手には、細かな振動が伝わってくる。
カットしたのは、厚手のウールコート。特に袖の部分に毛玉が目立ってしまっている。毛足が長いので、ふわふわガードは「高」に設定。そのまま刃を当て、浮かせぎみに前後に動かす。毛玉を刈った瞬間に「ザクッ」と糸を切る音がする。切れ味はパワフルで、次々に毛玉が取れていく。処理にかかる時間はあっという間で、袖部分だけなら、15秒もあればすっかりキレイになる。効果のほどは、下の画像をご確認いただきたい。
ウールのニットも同様だ。一回当てるだけでほとんどの毛玉が取れるため、刃を往復させたり、繰り返し当てたりする必要はない。毛玉だけしっかり取れて、生地の風合いは残るのが嬉しい。
ニット1枚なら、所要時間は2~3分というところ。範囲の広い衣類には4~5分かかる。一応、アダプターを接続した状態での連続使用時間は30分までとなっているが、それでも一度に5着以上は処理できる計算だ。スピーディーに作業が進むので、残り時間が足りなくなった!! なんて焦ることはない。
なお「毛玉カットとるとる」はニカド電池バッテリーを内蔵しており、コードレスでも使える。バッテリーの持ちは、標準の充電時間は8時間で、連続使用時間は約28分となっている。アダプター接続時と比べても、パワーの低下はほとんど感じない。取り回しが効き、同じ要領でザクザクと毛玉が取れていく。
部屋着からおしゃれ着まで、片っ端から毛玉をカット!
毛玉のできやすい、室内着のフリースやスウェットにも効果を発揮する。フリースやスウェットは毛足が短いので、「ふわふわガード」を「低」に設定すると良い。
部屋着ということで、かなり力を込めて「毛玉カットとるとる」を動かしたのだけれども、ご覧の通り、生地はいっさい傷めず、見苦しいところだけ除去できた。
嬉しいのは、毛玉が取れただけでなく、毛羽立ちを抑えたようになったこと。また一定方向に動かすことで、毛流れも整ったように見えるのだ。
一方で、デリケートな“おしゃれ着”の衣類にはどうだろう。説明書によれば、モヘアやアンゴラといった毛足の長い物には使用できない、とある。だが、私の手元には、袖口に毛玉ができて困っていたカシミアのニットがあった。毛玉ができるたびにハサミでチョキチョキと切り取っていたのだが、とても面倒。幸い毛足が短いので、これなら使えるんじゃないかと、おそるおそる試してみた。もちろん「ふわふわガード」の設定は「高」にした。
結果、バッチリ毛玉だけ除去できた。ふんわりとしたカシミアの風合いは残っている。毛玉を取る時に、刃とニットが接触する範囲と時間を最小限にとどめたことで、生地にダメージができるのを防げたのだ。
今のところ、勢い余って生地が破けちゃった……なんてこともなく、さまざまな衣類に安心して刃を当てているが、デリケートな衣類に使うのはあくまでも自己責任だ。まずは厚手のコートなどで試し、製品のパワーや使い勝手に慣れたところで、慎重にトライしたほうが良いだろう。
冬物衣類の手入れに
カットされた毛くずは、ダストケースに溜まる。ダストケースは着脱式で、そのままゴミ箱に捨てる。
しばらく使っていると、たまに刃の回転が鈍くなったり、刃の切れ味が悪くなることがある。これは大抵の場合、刃に毛玉が絡まっていることが原因で、外刃を外して毛を取れば、元通り使える。
残念なのはダストケースの中が見えにくく、ゴミ捨てのタイミングがわかりにくい点。意外と毛玉が溜まるのは早いもので、服を2、3枚処理すると満タンになった。取り回しのしやすさとの兼ね合いもあるのだろうが、ダストボックスがもう少し大きければ良かった。
とはいえ、切れ味や取り回しやすさ、バッテリーの持ち、幅広い衣類に対応できる点など、総じて満足している。ザクザクとした切れ味は、一度ハマると楽しささえ感じてしまう。季節物だがコンパクトで、収納場所もさほど取らないのも気に入った。
この冬もようやく折返し地点。毎日世話になっている冬物衣類にねぎらいの気持ちも込めて、毛玉クリーナーを使ってみてはいかがだろうか。