家電製品ミニレビュー
花粉もダニもしっかり取って逃がさない! 紙パック式のふとん掃除機にぞっこん
by 神原サリー(2016/2/8 07:00)
待ち望んでいた“紙パック式”のふとん掃除機
2月には入って早いところでは花粉が飛び始めたようだ。花粉対策に欠かせないのは空気清浄機や掃除機だけでなく、1日のうち1/3を過ごす「ふとん」のケアだ。
昨年11月に発売されたパナソニックのふとん掃除機「MC-DF500G」の特徴は、ハウスダスト発見センサーの搭載により、ふとんがきれいになったかどうかが目で見てわかることと、業界初の「紙パック式」ということだ。
メーカー名 | パナソニック |
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製品名 | 紙パック式ふとん掃除機「MC-DF500G」 |
購入場所 | Amazon.co.jp |
購入価格 | 17,178円 |
ふとん掃除機によって吸い込むのは、そのほとんどが微細な“粉状”のハウスダスト。そのため、せっかくきれいに掃除をしても、サイクロン式やフィルター搭載のダストボックス式では、ゴミ捨ての際に舞い上がってしまい、室内を汚すという点がどうにも納得がいかなかった。
ようやく紙パック式のふとん掃除機が登場し、まさにわが意を得たりの心境。花粉対策にも有効な、業界唯一の「紙パック式ふとん掃除機」の使い心地をレポートしたい。
「MC-DF500G」は、マットな質感で上品な色合い。本体のどこを見ても曲線が描かれていて手触りもやさしい。充電式ではないが、5mという十分な長さのコードがあるので、コンセントの位置を心配することなく使うことができる。家じゅうのふとんをケアしたいという場合にも、充電を気にしなくていいのは案外便利なものだ。コードもしなやかなので重く感じず、収納時にまとめる時も扱いやすい。
本体の裏を返してみると、ふとんをたたきながら進む青いローラーと、ハイパワーのモーターが搭載されていて布地をしっかりとかき上げる。手前中央には毎分6,000回で高速振動し、ホコリをかき上げる抗菌加工のビートブラシが搭載されている。カバー部が赤いのでポップな印象だ。
きれいになったか一目でわかる“ハウスダスト発見センサー”が便利
さて、実際に使ってみることにしよう。まずはリネンのシーツを掛けた敷布団から。黒い電源スイッチを押してスタートさせると、いきなり赤いランプが点灯した。何往復かさせるうちにランプが青に変わったので、それを目安に次々に場所を移して掃除していく。
ふとんというのは、一見しただけでは汚れが見えない。そのため、ふとんの上を何往復したらきれいになるのか、終わりはいつなのかがわかりにくい。その点「MC-DF500G」にはハウスダスト発見センサーが搭載されていて、本体の天面中央部分が赤から青に変われば、きれいになった合図となるのがいい。
ゴミ捨てなどのお手入れの点で疑問を感じている、サイクロンやフィルター搭載のダストボックス式では、白っぽい粉状のハウスダストがたまっていくのを目で見て掃除の達成感を得られる利点がある。だが、たとえ吸引したハウスダストそのものを目で確認できなくとも、「きれいになったかどうか」を視認できるのだとしたら、こちらのほうがずっと理にかなっていると思う。
取材時に聞いたところによると、このハウスダスト発見センサーを同社のキャニスタータイプの掃除機に搭載してからすでに27年になるとのこと。そこで培ってきたデータがあったからこそ、今回のようなふとん掃除機に最適なセンサー性能に調整しているという。ちなみに、この「MC-DF500G」では約20μmのハウスダストまでを検知して赤く光るようだ。
念入りにケアしたいポイントは襟まわりと枕
これまでさまざまなふとん掃除機を使ってみて思うのは、本体が重くてなかなか進まなかったり、腕に力が必要でまるで筋トレをしているようなものが多いということだ。今回使ってみて意外だったのは、親指と人差し指の2本でハンドルを握っても、すいすい進む、その軽い使い心地。しっかりとふとんを叩きつけながら進んでいるのだが、手にかかる負担は本当にわずかで疲れにくい。少なくとも敷き布団ではほとんど力を入れる必要がないほどだった。
続いて掛け布団へ。ふわふわした羽毛布団の場合、カバーが浮かずにぴったりしていればいいのだが、少し余裕があると、布地を吸い込みがちに。そのため、片手でカバー部を引っ張り気味にしたほうがスムーズに進む。このあたりは敷布団とは少々勝手が違う。
中央部はあまり汚れがないようだったが、掛け布団の内側の足元付近と襟まわりなど、人の肌が直接触れがちな部分は赤いランプがなかなか消えず、汚れの多さが気になった。枕もしかり。特に枕カバーは頻繁に洗っているはずなのに、赤いランプが点灯するのを見ると、ドキリとする。
とはいえ、これも最初のうちだけ。1週間に1~2度、定期的にふとん掃除機を使っていくと、掃除時間が短くなるのがわかっておもしろい。やはりカバー類を頻繁に洗うことと、定期的なふとん掃除機でのケアが、清潔さのためには重要だ。
フィルターやダストボックスの、お手入れ不要のうれしさ
家じゅうのふとんに掃除機をかけた後で、紙パックの様子を見てみた。紙パックがパンパンになるほどゴミ(ハウスダスト)がたまっているわけではないので、ふたを開けて紙パックを持ち上げてみても、ホコリが吸引口から舞い上がることもなく、いたって平穏。中を光に透かしてのぞいてみると、うっすらとハウスダストや綿ぼこりのようなものがたまっているのが確認できた。
取扱説明書によれば、だいたい1カ月に1回、紙パックを取り換えればよいようだ。その目安としては吸込みが弱くなって「シュー」という、いつもと違う音がした時とのこと。紙パックの吸引口からゴミが出るのを防ぐためには、取り出してすぐにガムテープなどで口をふさいでしまうのがおすすめだ。
今回のS型の紙パック(AMC-U2)は、パナソニックのロングセラーのハンディ・肩掛けタイプの掃除機MC-K10P「かけちゃお」で使われているものを流用していると聞いている。できればこのS型の紙パックにも、上位機種の紙パックに用いられているのと同様の「シャッター機能」をつけてほしいところだ。
花粉やダニなどのハウスダストで困っている人が使うことも多いふとん掃除機だからこそ、ほんの少しでも逃がさないために、本体から上に引き上げると同時に吸引口がふさがれるシャッター機能があるといいと思う。
とはいえ、他のふとん掃除機のようなダストボックスやフィルターの水洗いや、ゴミ捨て時の舞い上がりがないのは本当にうれしい。
花粉などのハウスダストに悩んでいる人にこそ使ってほしい1台
先にも述べたように、「MC-DF500G」はコード式のため、充電池を内蔵していないこともあり、使い心地がとても軽い。まだまだ寒さが厳しいこの季節には、掛けているふとんの枚数も多く、家族みんなのふとんのケアをしようというときには、限られた使用時間の充電式では心もとないこともあるに違いない。充電を気にしないで使える点でも、使い勝手のいい一台だ。
シーツやカバー類を洗うことも清潔さを保つ上では重要だが、乾燥機能のない洗濯機を使っていて、外干しをするとなると花粉が気になる。就寝前にふとん掃除機で丁寧にケアしておけば安心だ。
軽くてお手入れが簡単な紙パック式のふとん掃除機「MC-DF500G」、花粉シーズンに向けておすすめの1台だといえる。