家電製品ミニレビュー
このおいしさはもはや罪! ヘルシオ最新モデルで作った焼き豚がスゴイ
2017年6月15日 07:00
自宅のキッチンには、単機能の電子レンジとトースターを置いている。しかし、パンはあまり食べないし、他にも置きたい調理家電が沢山ある。オーブンレンジに切り替えたいと思っていたところ、シャープの「ヘルシオ AX-XW300」を1カ月お借りする機会を得た。スマホ連携で会話もできるヘルシオは想像以上に便利だったので、前後編に渡ってご紹介したい。
メーカー名 | シャープ |
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製品名 | ヘルシオ AX-XW300 |
実売価格 | 12万4,480円 |
ヘルシオの特徴的な機能は、過熱水蒸気を用いた“水で焼く”調理。水タンクを備えており、スチームを使うことで熱量が高くなるため、脂を落としたり、生の素材に早く火を通したいときに適している。また、減塩効果もあり、食材の栄養素もキープできるという(過熱水蒸気の詳しい仕組みはこちらの記事を参照いただきたい)。
最上位モデルのAX-XW300は、無線LANと人工知能を新たに搭載。スマートフォンから操作できるほか、“おはなし”機能で会話ができ、献立提案をしてくれるのも特徴だ。
本体サイズは、490×430×420mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約25kgと大きいが、キッチンに置くと、意外と主張しすぎずに馴染んでくれた。なお、設置の際は本体天面と壁の間は10㎝以上空ける必要があるので、棚に置く際は事前に確認した方がよい。付属品は、角皿と調理網がそれぞれ2枚とミトン。説明書やクックブックなども複数用意されている。
ノンフライから揚げに感動! 片付けも簡単で言うことなし
まずは、ずっと気になっていたノンフライから揚げに挑戦。揚げ物好きな筆者としては、ノンフライなんて……と思っていたのだが、さすがに最近、カロリーが気になってきたので作ってみたかったのだ。
調理の際は、いつもと同じようにタレに漬け込んだ鶏もも肉に片栗粉をまぶす。角皿→調理網→鶏肉の順に置き、操作パネルで「から揚げ」を選択する。なお、事前に調理網には油を薄く塗っておき、角皿にはアルミホイルを敷いておく。
運転をスタートさせてから約15分で完成した。まぶした片栗粉が少し残ったままになっていたが、中はしっかり焼けている。油を使って揚げるときは火が通り切っていないことがあり、一度切って中身を確認して再び揚げることもしばしば。しかしヘルシオは、庫内に入れて運転をスタートさせただけでバッチリの仕上がりなっていたので、安心して任せられた。
今回は、油を使ったから揚げも同時に作り、食感や味を比較してみた。普通のから揚げは表面がカリッとしていて、ヘルシオのノンフライから揚げはやわらかい食感に。味はノンフライから揚げの方が少し薄く、スチーム加熱によって減塩されているようだった。薄味好みの筆者としては、今後はノンフライで十分だなと感じた。
そしてノンフライ調理で何より便利だったのは、手入れ面。角皿にはアルミホイルを敷いていたので、軽く水洗いするだけで済み、調理網は少し汚れたが簡単に洗えてしまった。油の処理がいらないので、かなり楽だった。ガスコンロも汚れないので、もうノンフライから揚げしか作りたくないと思う程だった。
ローストチキンは超簡単で超美味しい
次に作ったのは、ウォーターグリル調理のローストチキン。骨つき鶏もも肉に、にんにくや塩コショウをすり込んだら後は焼くだけと簡単だ。
メニューは「鶏のもも焼き」を選択するが、本体の操作部ではなかなか辿り着けなかったので、スマホのアプリから選択してヘルシオに送信した。スマホ連携については明日の後編で詳述するが、多機能ゆえに操作が複雑なオーブンレンジでは必須の機能だと感じた。
チキンは15分で完成し、皮はパリパリでかなり美味しそう。実は過去にフライパンとオーブントースターを使ってローストチキンに挑戦したことがあるのだが、表面は焦げて中は生状態と盛大に失敗をした。
一方ヘルシオで作ったローストチキンは、中もちゃんと火が通っていて、かなり美味しい。こんな簡単にごちそうができて良いのか……と後ろめたくなったが、求めていたローストチキンができあがって感動した。過熱水蒸気の脱油効果により、程よく脂が落ちていて、もも肉でも胃もたれせずに食べられた。
焼き豚が美味しすぎて罪深い
ローストチキンの成功に浮かれ、焼き豚にも挑戦。これが非常に罪深い味になってしまった。
用意したのは、近所のスーパーで安売りしていた、500gで900円の豚肩ロースブロック。にんにくとしょうがのすり下ろし、刻みネギ、醤油などで作った調味液に豚肩ロースを3~4時間漬け込んだら、タレを拭き取って角皿+調理網に置いて焼く。
焼き豚はウォーターオーブン調理になり、約50分掛かった。火を見張る必要がないので、その間に副菜を作ったり、一休みできたりするのでお手軽だ。
できあがった焼き豚は、表面はカリカリで中もしっかり焼けている。スライスして味見をすると、これがもう言葉にならない。美味しい。美味しすぎる。タレがしっかり染み込んでおり、ジューシーなのに程よく脂も落ちていて、かなり食べやすい。調理が終わったのが23時近くだったので、味見で済ませたかったのだが、あまりの美味しさに箸が止まらなかった。
そして余ったタレを煮詰めて掛けるとさらにやばい。罪深い。しょうゆとにんにく、刻みネギの香ばしさが相まって、気がついたらハイボールを飲んでいた。
500gの焼き豚は、2人暮らしの我が家では一度に消費できないだろうと思い、4等分にして冷凍。炒飯などに活用しようと思ったのだが、夫が白米のおかずに、筆者が酒の肴にしてしまったので1週間も経たずになくなっていた。今回ヘルシオでさまざまな料理を作ったが、最もオススメできるメニューだ。
手入れにはクリーンモードが便利
ローストチキンや焼き豚を作って気になるのが、角皿の手入れ。脂が落ちるので掃除が大変だが、そんなときは角皿・網クリーンモードを使うと便利だ。水タンクに水を入れてスチーム運転するもので、角皿についた脂を浮かしてくれる。
クリーンモードは15分ほどの運転で、浮いた脂を流したら、お湯と食器用洗剤で再び洗い流す。一度の手入れで脂のベタベタは気にならなくなり、かなり簡単だった。ただし、角皿は結構大きいので、シンクで場所を取り、水切りカゴにも入れづらいサイズ。角皿は解凍やあたためなどレンジ機能では使用不可なので、使わないときの収納場所をしっかり確保しておく必要がある。
パンや天ぷらの温め直しもバッチリ!
パンや天ぷらの温め直しも、スチームを使うヘルシオならではの得意分野。パンメニューは豊富に用意されており、ロールパンやフランスパン、クロワッサンなど、種類に合わせて選択する。今回は、「クロワッサン・パイ」メニューで、クロワッサンとチェリーパイを温めた。
時間は10分とちょっと掛かるが、仕上がりはバッチリ。どちらも表面はさっくり、中はふんわりとしている。チェリーパイは、サクサクのパイとしっとりしたチェリーとのコントラストが絶妙で、至福の時間が過ごせる。
お総菜の天ぷらも温めたところ、サクサクな仕上がりに。ただし、初めて使ったときは温めすぎたようで、固くなってしまった。「ひかえめ」「しっかり」など仕上がりは選べるので、好みに合わせて調節した方がいい。
トーストや目玉焼きを同時に作れる朝食メニュー
ヘルシオには朝食メニューというものが用意されており、トーストや目玉焼きを同時に調理できる機能がある。食パン2枚、アルミホイルに生卵2個、アスパラのベーコン巻きを置いて運転開始。
こちらも10分程で完成。トーストはしっかり焼き目が付き、アスパラのベーコン巻きもきちんと焼けている。ただ、目玉焼きは黄身が固くなってしまったので、無理にヘルシオで作る必要はなさそうだ。
解凍・あたため系のレンジ機能は慣れが必要
解凍やあたためなど、日常的に使うレンジ機能は、オーブンレンジの多機能さゆえに少しわかりづらく、慣れるのに時間が掛かった。
解凍は、センサーで温度を見張りながら包丁で切れる状態にし、使う分だけ切ったら残りは再び冷凍できる「サックリ解凍」と、薄切り肉も加熱しすぎず解凍ムラを抑える「全解凍」を用意。冷凍する食材はいつも小分けにしているので、主に全解凍を使った。
70gの鶏もも肉を解凍するのに掛かった時間は約5分。生焼けせず、ドリップも出ない状態で解凍できた。1つ気になったのは、温度をきちんと見ているためか、残り時間がなかなか表示されないこと。すぐに料理に使いたいときは、目安がわからず少し不便だった。頻繁に使う機能なので、次モデルでは改善を期待したい。
また、冷凍ごはんは解凍モードではなく「レンジあたため」の「ごはん・おかず」を使う。解凍モードでは運転が終了しても冷たいままになってしまい、すぐに食べられる状態にはならない。冷凍ものは解凍モード、と思い込んでしまったので、使い始めは慣れなかった。
単機能の電子レンジのように使おうとすると初めは慣れないが、オーブン調理はかなり便利。ローストチキンや焼き豚など、普段なかなか作れないメニューが簡単にできるので、レパートリーが増やしやすい。料理が好きな人はもちろん、料理が苦手な人にこそ使ってもらいたい製品だ。
また多機能ゆえに複雑だと感じる操作は、スマホ連携で解消された部分もある。明日の後編では、想像以上に便利だったスマホ連携機能をご紹介したい。