家電製品ミニレビュー

水分をギュッと閉じ込めて、もちもちのパンに仕上げてくれるシロカのオーブントースター

 我が家では、使いはじめてから1/5世紀が経過しそうな古いトースターを、特に壊れないからいいやぁという感じで使い続けてきた。だが、子どもが大きくなり、日によっては1人分に迫る勢いで食べるようになっているので、最大2枚しかトーストできないと、朝の忙しい時間は不便だと妻がボヤき始めた。

 そこで、4枚まで焼けるシロカの「ハイブリッドオーブントースター ST-G111」を使ってみることにした。

ハイブリッドオーブントースター「ST-G111」
メーカー名シロカ
製品名ハイブリッドオーブントースター「ST-G111」
実勢価格24,300円

とにかく温め始めるのが速い!

 特徴は、0.2秒で発熱する「グラファイトヒーター」を採用している点。ほぼタイムラグを感じないほどに、ヒーターが赤くなり発熱するのだ。一気に熱くなり、トースト(パン)内外の水分が中心部へ逃げ込む。そのため、立ち上がりの遅いトースターよりも、焼き上がり時のトースト内の水分量が多くなり、もっちりとした食感に繋がるのだという。

本体の正面
側面
詰めて入れると、最大4枚を一度にトーストできる
本体全面にはモード/温度/タイマーを設定する3つのダイヤルを配置
庫内の上下に搭載された速熱性に優れたグラファイトヒーター

 さっそくコンビニで売っている食パンを、2枚、トーストしてみた。2枚の場合、説明書には280℃/コンベクションモード/2.5〜3分に設定するよう書いてある。

 温度とモードを設定して、最後に時間ダイヤルが3分を指すように回すと、間髪なくヒーターが赤くなり、温かさが伝わってくる。3分が経つと「チーン!」と音を立てて、トースト完了。時代は変わっても、この音は変わらないんだなぁと思いつつ、扉を開ける。

 筆者はパンに焦げ目が少し付くくらいが好み。3分間では少し足りなかったようだ。もうあと1-2分、焼き直してみる。今度はしっかりと焦げ目がついた。

タイマーのダイヤルを回すと、即座にヒーターが熱くなってくる
4分強くらいで設定して焼いたときの状態
表面。均等に焦げ目がついていて気持ちが良い
裏面の焼き上がり具合

 トーストを2つに割ってみると、蒸気が一瞬だけフワァっと立ち上る。食べてみると、たしかに外はカリカリで中はもっちりとなっているようにも感じる。

 だが、これまでのトースターでも2枚を焼く時には4分前後に設定していた。ヒーターの立ち上がりが速くても、今までよりも格段に焼き上がりが速くなるわけではないようだ。

温度調整でクロワッサンやバターロールもキレイに焼き上げる

 これまでのトースターとの違いを、食パンでは感じることができなかった。ただし焦げやすいクロワッサンやバターロールなどを焼く上では、当たり前だが、温度調整ができるハイブリッドオーブントースターだと簡単キレイに焼き上げられる。

 説明書の設定では、160℃/コンベクション/4分とある。食パンの時よりも温度を下げて、同じくらいの時間をかけてじっくりと焼く。

クロワッサンは160℃/コンベクション/4分で設定
160℃でじっくりと焼いていく

 時間をかけて丁寧に焼いていくだけあって、焦がしてしまいやすい一番高い部分に、程よく薄っすらと焦げ目がついて焼き上がった。

 ホクホクのクロワッサンを取り出して2つに割ってみると、ボワァっと蒸気が一瞬あがる。見ているだけで、中がフワフワモッチリとなっているのが分かる。食べてみると、表面に硬さを残しつつ、中はふわっとした食感で美味しい。

取り出してみると、焦げ過ぎてしまいやすい部分に、程よい焦げ目がついている
中がフワフワモッチリとなっている

 これまで使っていたトースターは、温度調節が出来なかった。そのため、単に温度調節ができるようになるだけで、クロワッサンがこんなにも簡単に、しかもキレイに焼けることに感動した。

 勢いにのって、焦がし過ぎてしまいがちなバターロールも焼いてみることに。筆者はホットドックが好きなのだが、食パンを焼く感覚でタイマー設定して、パンの上部を真っ黒に焦がしてしまうことが多かった。しかも今回は、賞味期限が間近に迫り、少ししっとり感を失いかけている。

 説明書のお薦め設定では、150℃/コンベクションモード/3分となっている。バターロールは、クロワッサンよりも繊細なんだと、この時に知った。今まで焦がしてしまっていた理由が分かった。

設定は、150℃/コンベクションモード/3分
賞味期限間近で、少ししっとり感を失いかけたロールパンを焼き始める

 設定通りに焼くと、パンの上部に薄っすらと焦げ目のついたバターロールに仕上がった。取り出して2つに割ると、いかにもモチッとした感じで嬉しい。食べてみると、外側が程よく硬く、中がフワフワ。入れる前は、少しパサパサしていそうだと思っていたバターロールが、しっとりとした感じに仕上がっている。

筆者好みの薄っすらと焦げ目のついた仕上がり
しっとり感が復活した? と思わせるような食感に

家族3人の朝食を一度で焼き上げてくれる時短家電

 パンを焼く時間が短縮できたと実感することはできない。だが、単純に最大4枚を焼ける庫内サイズは、大人2人+子ども1人の3人家族にはピッタリ。朝食用のパンを一度で焼けるので、確実に朝の時短に繋がる。

 焼き上がりの美味しさを実感できるかと言えば、クロワッサンとバターロールでは効果が感じられた。その他、食パンにケチャップをかけてチーズを乗せた、簡易ピザトーストを作った際にも、チーズのとろけ具合が程よかった。

 もちろんトーストだけに限らず、天ぷらやかき揚げ、唐揚げやコロッケなどもヘルシーに温められるし、ノンフライ調理にも活躍するコンベクションオーブン。冷凍ピザもラクラク温められるサイズで、この価格であれば満足度は非常に高い。

食パンにケチャップをぬってスライスチーズを載せた簡易ピザトースト
焼き始めると、おもちのようにチーズが膨らみはじめた
見た目は「焦げすぎ?」なのだが、食べてみるとチーズが程よく香ばしく、中のとろけ具合も美味しかった

河原塚 英信